エジソンは小学生のころ、
教室で質問ばかりして先生を困らせていました。
「なぜ風が吹くの?」
「なぜ空は青いの?」
「なぜ魚は溺れないの?」
さらに算数の授業では、1+1=2だと教えられても、
「でもコップの水は二つを合わせるとひとつになるよ。
だから1+1は1だよ」
このエジソンの意見を屁理屈と取った教師はついに、
「お前の頭は腐っている!」
と馬鹿の烙印を押しました。
これに憤慨した元教師だったエジソンの母ナンシーは、
エジソンを小学校から退学させ自分で教育することにします。
ナンシーはエジソンの「なぜ」に真剣に向き合いました。
学校では教えてくれない風や花や魚のことを、
外に出て実物を観察しながらとことん話し合ったのです。
あるときエジソンはナンシーにこんな質問をしました。
「なぜアヒルは卵の上に座っているの?」
「アヒルのお母さんが卵を抱いて温めているのよ」
「なぜ卵を温めるの」
「卵は温めないと中のヒヨコが生まれないのよ」
ある日、姿が見えないエジソンを両親が心配して探してみると、
なんとエジソンは鶏小屋の中で自分で卵を温めていたのです。
しかも2日間そうしていたのだそうです。
結果を出せなかったことにがっかりするエジソン。
涙するエジソンに母は彼を抱きしめてこう言ったそうです。
「失敗してもいいのよトーマス。
あなたは自分の目で確かめてみたかったのよね。
自分で実際に2日間では駄目だということを学んだんだから、
そうでしょう?」
失敗を明るく笑い飛ばしてくれた母ナンシー、
エジソンは救われる思いでした。
その後エジソンは百科事典を調べ、
卵は3週間以上温めなければならない事を知ります。
失敗をそのままにせず原因を追究したのです。
エジソンは失敗を通じて、
学べばいいということに気づいたのでした。
エジソンはのちにこう語っています。
「人間の最大の欠陥はすぐにあきらめることである。
成功するための最善の方法はもう一度やってみることだ」
子供の頃、エジソンの伝記が大好きで、
図書館に通っては何度も借りて読んでいました。
子供心にとても救われた思いでした。