沖縄の米軍基地② | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


沖縄人に対する日本人の、

ポジショナリティ(政治的権力的位置)を、

わかりやすく示すために、

野村氏(野村浩也、1964年美里村(現沖縄市)生まれ、

広島専修大学教授)は次のような印象的な一節を記している。


日本人「沖縄だーい好き!」

沖縄人「そんなに沖縄が好きだったら、

基地ぐらい持って帰れるだろう」

日本人「……(権力的沈黙)」


日本人「沖縄と連帯しよう!」

沖縄人「だったら基地を、

日本に持って帰るのが一番の連帯ですね」

日本人「……(権力的沈黙)」


日本人「(独白)沈黙こそわが利益。

聴かないことこそわが利益。応答しないことこそわが利益。

植民地とはそういうもの。

原住民の声なんて聴く必要はない!」


日本人は自らの植民地主義を、

暴露されるような問いを向けられたとき、

沈黙するだけで現状を維持し、

自分たちの利益を守ることが出来る、と野村氏は言う。

それが植民者の被植民者に対する「権力的沈黙」である。

この場合の「沈黙」は、無視であったり、

逃避であったり、はぐらかしであったり、居直りであったり、

種々の形態を取ることが出来る「応答の拒絶」である。

これと似た振る舞いを、知念ウシ氏は、

「シランフーナー(知らんふり)の暴力と呼んでいる。



▶︎みりん