学校の校舎設計の第一人者、
と言われている工藤和美さんの一番の特徴は、
教室の壁がない、職員室もないオープンスクール形式。
オープンスクール最大の特徴は、
従来のようなクラスごとに教室で区切られた部屋を設けず、
大部屋を穏やかに仕切って、
柔軟に使用するというスタイルです。
各教室の壁を取り払ったことで、
子供たちの様子が、
以前よりはっきりと見えることが出来ますし、
先生同士もお互いの授業の様子を、
どこからでも見ることが出来ます。
時には他の先生の授業に参加することも可能です。
壁を取り払った成果として、
不登校児童が減ったことやいじめがなくなったこと。
授業を共有することで、
先生たちの授業能力もアップしたそうです。
ところが、最初この設計に難色を示すのは、
実は先生たちなのだそうです。
「隣のクラスの声や物音に、
生徒たちが落ち着かないのではないか」
と彼らは言います。
しかし、実際に取り入れた学校のケースを見てみると。
子供たちの集中力がより増すことがわかりました。
そういえば、自分だけの勉強部屋で勉強した子供より、
リビングルームで勉強した子供のほうが、
良い成績を取っているというデータもあります。
むしろ、集中出来ないのは先生たちのほうなのでしょう。
彼らは教室を閉鎖的にすることで自分の縄張りを守りたいと、
無意識に思ってしまうのだと思います。
全国各地で、工藤和美さんの考えた、
オープンスペースの学校が続々と開校しています。