騙す | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


テレビドラマのエピソードで、

相手役を騙す演技というのを時々耳にします。

金八先生で武田鉄矢さんが、

予告なしに生徒の頬を殴りそのあとで抱きしめたとか、

橋爪功さんがリハーサル中は左手で、

娘役の頬を軽く平手打ちしていたが、

本番はいきなり右手で思い切り叩いたとか、

もう相手役はびっくりです。

めちゃくちゃ心を揺さぶられてしまいます。


確かに映像だから成立する方法だと言えなくもない。

舞台だとそうはいきません。

本番が毎日あるわけですから。

でも、この相手の意表をつくというのは、

とっても大事なことだと思うんですね。

たとえ台詞は変えられなくても、

ストーリーは変えられなくても、

タイミングを変えたり、声の大きさを変えたり、

やろうと思えば色々変えられるわけです。

とにかく相手の心を揺さぶっていくことに専念する。

これ、とても大事です。

そしてこれが効を奏したときは、

ほんとに楽しい。演技の醍醐味ですね。


▶︎近景