何か月か前に3Dプリンターでインシュレーターを作ろうと考えていました。
印刷寸前になってオイルポンプとの干渉が避けられないことが判明したのでお蔵入りになったのですが、他車種なら作れる可能性があるのでここに纏めておこうと思います。

125ガンマでもキャブ・エアクリの取り回し変更や最悪オイルポンプ移設or撤去で取り付けはできそうですが、純正から変更してまでするメリットはないのでやめました。(インシュレーターもまだまだ在庫ありますし)
PWKに換装した際や廃盤になったときは考えます。

インシュレーターを採寸し、3Dデータを作ります。Onshapeという3DCADですが、個人的にはフリーのCADの中で一番だと思っています。最近はFusion360を使っています。OnShapeは使い慣れたSolidWorksの操作性に似ているのがいいのですが、フルクラウドなのが好きになれなくて....

 

イメージ 1

 


こんな形状のインシュレーターを探します。できるだけ小型がいいです。(ちなみにこれはスズキのとある車種のインシュレーター)

 

 

 

イメージ 2
 

イメージとしてはこんな感じです。

 

 

 

 

イメージ 4


3Dプリンターで土台を作り、汎用性のあるインシュレーターで接続します。
極太の耐ガソリンゴムホースでもいいですが、内部に段差ができそうなのと、二次エアを吸いそうなのでこうしました。
先ほどのデータを作り変えて完成

 

 

 

イメージ 3

DMMで印刷します。ブルジョアな方はここで金属で印刷しましょう(笑)

ナイロンなら純正インシュレーター以下の値段で印刷できると思います。

 

 

イメージ 5

 


問題点はナイロンの耐久性・耐候性・耐熱性でしょうか。
3Dプリントすると素材の特性は悪くなるといわれています。
ナイロンには耐ガソリン性・耐油性があるようですが、プリントしたときの耐久性等は確認してません。

 

DMMのサイトでも耐熱温度が80度と書いてあるだけです。

後はアルミ鋳造で作るという手も考えました。3Dプリンターで原型をつくればロストワックス法でできそうですが、2次エアを吸わないように作るのは素人には難しいでしょう。

オイルポンプと干渉するのは赤丸のところ

 

 

 

イメージ 6


ゴムホースでも干渉すると思います。

オイルポンプというとこんなものも作りました。

 

 

 

イメージ 7

ナイロンだと1500円程度ですが、透明のクリアアクリルだと5000円超えるので印刷していません。
これ廃盤なんですよね....

 

 



(2020/08/29追記)
エンジンの回転ムラが大きいため、フライホイールの突起位置を把握していないと点火時期が測れないことが分かりました。
125ガンマ フライホイール周りの調査とタイミングライト用点検窓の加工

 


 


125ガンマはタイミングライトで点火時期を測定できません。(コイルがカバー側についているのと、ジェネレーター側にもオイルが回っているから、左カバーを開けたままエンジンが回せない。)

2chのオシロスコープを使ってピックアップと点火の信号を見ます。
点火はタイミングライトのトリガーを真似て、銅板と洗濯ばさみで取ります。
これをプラグコードに挟んでリード線にプローブを繋げます。

 

 

イメージ 1

ピックアップはガンマの場合、赤緑、青赤の配線です。
青赤がCDI内部でGNDに落ちているようなので、こちらをGNDとします。

先日作ったコードを使ってPCにハードコピーを取り込みます。
→テクトロ製オシロスコープの画像取り込み

こんな感じです。

イメージ 2

タコは2000rpm表示ですが、計算すると1200~1300rpmくらいですね。

横軸拡大

イメージ 3


ガンマはフライホイールの突起が2個あるので、このような形になります。

 

アイドリング付近の点火時期は14度と公開されているので、おおよその上死点位置が推測できますね。
1300rpmで14度は(14/360)×(60/1300)=0.00179より約1.79msです。
2つ目の突起の中間(第3波と第4波の間)が上死点でしょうか。(上記で追記した通り、これは間違っていることが分かりました。)

 

 
ここを上死点として計算すれば、各回転数で点火時期が測定できそう。

 


これはメーター読み4000rpm

 

 

 

イメージ 4
 

周期は約20msなので計算すると3000rpmになります。オシロの操作をしながら回転数を一定に保つのが難しかったのでこんなもんでしょう。
読み取りにくいですが第一波が来てから点火するまでの時間を0.8msと読み取ると
(0.8/20)×360=14.4度です。

画像データなので後から横軸が拡大できないのが難点ですね。
後から横軸のスケールを変更できれば回転数測定と点火時期測定が正確にできますが、いい方法がないかな...
オシロにはHOLD機能が付いてますが、HOLDした後はスケールの変更はできないようです。

家だと近所迷惑で限界があるので、オシロのバッテリーを交換してAC100Vのない場所でも測れるようにします。純正とD50の進角の違いとか調べたいですね。

 

 

フリーソフト「TekScope HardCopy Reader」を使ってオシロスコープの画面のスクリーンショット(ハードコピー)を取ることに成功したので書きます。

テクトロのTHS720

 

イメージ 1


PCへの送信はRJ45-DSUB9Pのコードを使ってRS232Cで行います。
シリアルポートの付いたPCを持っていないのでRJ45-DSUB9P-USBの変換が必要になります。
ciscoのルーター用の変換ケーブルがamazonで安く売っていたため買いました。

 

イメージ 2

ところがこれが使用できませんでした。RJ45とDSUB9Pの結線がciscoルーターのそれと違うようです。(調べてから買えばよかった...)

結線方法はテクトロのサイトに書かれていました。
http://jp.tek.com/support/faqs/what-pin-out-ths700-rj45-connector-rs232

ciscoのコンソールケーブルはここに書いてあります。
http://kowloonet.org/memo/tech/cisco_db9_rj45.html#l8b1acca

しょうがないので一か八かぶった切って結線し直します。

 

 

イメージ 3


イメージは図にするとこんな感じ。
左が変更前、右が変更後               

 

 
イメージ 4


無事画像が取り込めました。

 

イメージ 5

 

 

イメージ 6


正しく接続できていればソフトの取り込みボタンを押すと画像を取り込めます。取り込みには9600bpsで数秒かかりますが、ボタンをクリックした時点でオシロの液晶に表示されているものが出力されるようです。
取り込みできない場合はオシロ側とソフト側の設定があっているか確かめましょう。
オシロ側を以下の設定にする必要があります。
EOL:LF
Parity:NON
StopBit:1
Delay:0s
Format:BMP

 

ボーレート:初期設定9600bps

 
追記
ソフト側でポートの設定をする必要がありますが、1~4しか設定できません。デバイスマネージャーで番号を確認し、必要があれば1~4に変更してください。


結局はRJ45-DSUB9P間の配線を自作することになると思います。(うえのciscoルーターのリンク先に作り方が載ってますね)
USBシリアル変換器を使う場合は、使用しているチップが古いものだとエラーになる可能性があるとのことなので注意してください。(PL2303は使えないとか)