馴染み易いリフを特長としたサウンドはZEPP譲りのソリッド且つヘビィなハードロック /モキシー | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

MOXY(モキシーあるいはモクシー)はカナダで結成されたVo、G、Bs、Dsの四人からなるバンドで、70年代に限れば数枚のアルバムをリリースしたが、これから特に紹介するのは自身が今でもたまに取り出して聴いている、後のアルバムと比べて一番ハードロック色の濃い75年にリリースされた1stアルバム。もちろんメンバーの中で後にビッグネームなった人物は一人もいないが、それは全員が優等生的プレイヤーで、傑出した派手なプレイヤーがいなかったせいかも、、、

 

その内容はハードロックとしてはキャッチー過ぎる歌メロやGソロから判る様に、サイケ色やR&B臭など微塵も感じられない、カナディアン・ロックらしいメロディアスで洗練されたサウンド。それは後期ZEPPにも通じるR&R的アプローチによるソリッド且つヘビィなサウンドで楽曲構成されたもので、それが故に曲の頭は殆どが馴染み易いヘビィ・リフから始まるものとなっており、間違いなくハードロック・リスナーの期待には応えてくれる筈。このアルバムではゲスト・Gプレイヤーとして数曲にトミー・ボーリンが参加しているが、それも当時としては話題の一つ。

全体的には重量感に富んだリズム隊が、Gが放つヘビィ・リフを主体としたヘビィネス感に更に拍車をかけている様にも映るが、それが間違いなくバンドとしてZEPPフォローワーを感じさせてくれる部分で個人的には◎。もちろんZEPPと異なる部分が一番美味しいと感じる部分で、それはR・プラントより遥かに歌メロにキャッチーさがある(メロディアス)事や、熱唱型Voにおけるシャウトが素晴らしい事。その反面G奏者による自己主張の激しい派手なソロ・プレイは少ないが、曲の要所で的を得たブルージーで官能的なプレイを炸裂させているので、取り合えず一安心といった処。とにかくリフのカッコ良さが圧倒的に光るアルバムで、ZEPPよりも重さを感じるアルバムである事だけは確か。

 

        75年1stアルバム

 

結果的にポップ・テイストが更に強調され、商業ロックと化した後のアルバムは避けて通りましたが、それは楽曲個々におけるクォリティの差が歴然としている(捨て曲が多く含まれる)事に尽きると思えます。もちろんそれは好みの問題かもしれませんが、自身が自信を持ってお薦め出来るのは75年の1stアルバムです。きっとハードロック・リスナーの方々の期待には応えてくれる筈です。