少しプログレ色の感じられる重厚なジャーマン・ハードロック・バンド /メッセイジ | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

MESSAGEはVo、G/Vo、G、Ds、Bsで結成された五人編成のバンド。アルバムとして72年と73年にリリースされた二枚が残されているが、Voはサックスもこなせる様で、ドラマティックに展開される楽曲における要所で効果的なプレイが光っている。もちろんこれがプログレ的に感じられるサウンドの部分でもあるが、ジャーマン・ロックといった処では、間違いなく重厚さや少しクラシカルな部分も見え隠れしている。

ここでもジャーマン・ロック特有の2ndアルバムにおけるジャケットのダサさが窺えるが、確かに良い意味でのダークな部分は曲中の随所に見え隠れするものの、この内容で何故蛇の絡んだ💀(ドクロ)なのかが全く理解できずにいる。もちろん72年1stアルバムも同様で、ダサいイラストジャケットはほぼポップ・バンドのノリ。

 

まず自身が推す2ndアルバムの内容は、メンバーにおける演奏は何れも安定したもので、特に際立った奏者はいないものの、楽曲をぐいぐい引っ張る重量感溢れるBsが印象的で、他もほぼ水準レベル以上。全体的にそのサウンドはダークさはあるが、Gを始めとしたリード楽器が全体を通じて満遍なくソロを取っている事を思えば、非常にバランスの取れたバンドで、それが楽曲にも充分表れており非常に完成度の高いもの。自ずとアルバム中に捨て曲がないという事にも結び付くが、疾走感のある曲やアップテンポの曲、更に重いミドルテンポの曲に至るまでバラエティに富んでいる。

 

        2nd    1st

 

1stはGのエッジの効いた硬質なサウンドを特長とするもので、Gが活躍する部分が比較的多いが、2ndと比べれば多少キャッチーとは思えるものの楽曲における完成度は低く、まだバンド自体の方向先が見えずにいるカオス的なサウンドで、次のアルバムが期待出来そうに思えるもの。2ndを先に聴きさえしなければ、プログレ色を感じない極普通のハードロック。

 

このバンドが残した二枚のCDアルバムは中古アナログ盤同様、入手するにも中々困難と思えますが、間違いなくお薦め出来るのは💀が印象的な73年の2ndです。現在YOUチューブで音源が拾えるか否かまでは判りませんが、まずは検索してみて下さい。