先日、東59丁目にある有名デパート、ブルーミングデールズ
の前を歩いている時に
あ、そうだ、キムチが切れていた、と
何の脈絡もなく思い出し、隣のブロックにある
日本食料品店に、立ち寄ることにしました。
このお店は、アメリカ中の日本食スーパーの中で、一番最初に
創業されたと聞いていますが、店舗が小さく、ゆえに品揃えも
かなり限られていて残念。… と思っていましたら、
今月にはミッドタウンのグランドセントラル駅の近くに、
2号店がオープンするらしいという噂を聞いたので、
もうそろそろオープンした頃かな?
…って、、、ブログ書いてる人間が、
行って確認しろよ!
…ですか? あ、ハイ、そうですよね!
( 面倒くさいなぁ。NYの日本人向け無料新聞に広告出てないかな?)
あ!あった、あった!週間NY生活の裏表紙一面に広告が。
え〜っと、5月11日〜14日がソフトオープニングで、
15日がグランドオープニングか。あ、もう開いてるんだ!
ということは、私が一号店にキムチを買いに行った日には、
2号店はもうソフトにオープンしてたんだぁ。
( …って、一体どーいう意味なのか、全くわかりませんが…)
それはともかく、59丁目のこのお店に入る時は、外から
ドアを引いて開けるわけですが、このドアがやたら重い!
1907年から日本の味と心をお届けしている(と広告にあった)
この老舗の重厚な歴史を、出入りする度に身を持って味わえ、
ということなのでしょうか。
(確かに年季の入ってそうなドアです。普通のガラスドアですが、
どんなに磨いてももう透明感は決して戻らないというような…)
無事調達したキムチを胸に抱き(どんだけ好物?)
店を出るため、重たいドアをうんこらしょっと押し始めると、
ちょうど反対側から、お店に入ろうとしている人がいて、
ドアが向こう側から大きく引かれました。
大きく開かれた入り口の向こうとこちらで、
私と一人の日本人男性の目が、ハタ!と合いました。
ここでクイズです。
Q:次の瞬間、何が起こったでしょう?
答え 1:ドアを引いた人に優先権があるのだからと、その
男性は即ズンズンと入ってくる。
答え 2:レディ・ファーストの精神、またはドアを押さえ
てる者が待つの精神で、その男性は私を先に行かせてくれる。
答え 3:私と男性との、にらみ合いに決着がつかず、
ジャンケンポン、あっち向いてホイ、が始まる。
( んな訳あるかあ〜!)
正解をお伝えする前に、ナゼこんなドアが云々ごときに、
クイズまで出して問題提起しているのか、ご説明しましょう。
いたるところに自動ドアが設置されている日本にお住まい
の方々には、あまりピンとこない問題かと思われます。
こちらNYでは、自動ドアはあまり一般的ではありません。
大きいお店やホテルには回転ドアがあり、慣れないうちは、
入る瞬間に、縄跳びの『お嬢さん、お入んなさい』に
飛び込む時のような緊張感が走ったりもしますが、
慣れてしまえば、入る人と出る人は顔を突き合わす
こともなく気楽ですし、すでに回り始めているドアの空間に
サッと飛び込んでしまえば、自動ドアのようなものですから。
普通のドアでも、反対側に誰もいなくて、自分だけが
出入りする場合、何の問題も生じません。
ただ、思いやりマナーとして、自分が入り口を通るや否や
手を離すのではなく、ドアに手を携えたまま、後ろを
確認して、誰か続いて入って/出てくる場合、そのまま
ドアを押さえていてあげることを、忘れてはなりません。
多くのニューヨーカーは、次にドアに近づく人が結構
離れていても、そのまま押さえて待ってくれたりするので、
私などは、待たせては申し訳ないと焦り、小走りになって
ドアに追いつき、その人に深く感謝します。(ペコリ)
そして、ドアを開けようとする時に、反対側に人が
同時に来た場合。
これも大抵は、問題にはなりません。
ほとんどの場合、ドアを引く側の人が、当然のように
ドアを持ったままその位置に留まり、手招きなどの
ジェスチャーで、反対側の人を先に行かせてくれます。
しかし、これが日本人向けのお店のドアとなると、
ちょっと事情が変わってくるんですね〜。
私は、勿論日本人対象のお店でも、ドアを引く側だったら、
やはりドアを持って待ち、反対側の人を先に行かせます。
この場合、日本人以外の人は皆、通る時、サンキュー、と
お礼を言ってくれますが、日本人の場合、40%くらいの
割合で、不審そうな顔でちょっとためらったのち、
何も言わずそそくさ出る、という反応が返って来ます。
ということは、40%の日本人の方々にとって、知らない人が
自分のために、わざわざドアを開けて待つ、という行動が
ちょっと異色であるわけで、ゆえに、彼らが逆の立場にあれば、
ドアを持って待ってくれるということはしない、
ということになるわけです。
説明が長〜くなりましたが、それでさっきのクイズが
出てくるわけです。
長すぎるよ〜!んなの、もう忘れてたよ。
…ですよね?スミマセン…、はい、ここで正解ですが、
やはり、答え:1でした。
その日本人男性は、ドアを押し始めていたのである程度
入り口に立ち塞がる格好の私のことなどお構いなく、
即ズンズン入って、私の横をすり抜けました。
しつこいですが約40%の確率で起ることなので(あくまでも
公的な統計ではなく、私の個人的見解ですが)慣れてるとは
いえ、そのズンズンぶりがちょっと許せなくて、その男性が
すり抜ける様を目で追ってから、顔を戻すと、次の瞬間
我が目を疑い、『アイツ!100% 許せーん!』
と怒りが湧いて来ました。
なぜなら、彼のすぐ後について来てたのは、妊娠8ヶ月
くらいの女性だったからです。
慌てて私が、その重たいドアをこちら側からも押さえて、
よろよろと入ってくる妊婦さんを気遣うと、軽くペコリと
会釈しながら急ぎ足でその男性の後を追う様子からして
明らかに夫婦なのですよー!その二人。
なんという思いやりのないオトコ!
あの重いドアを身重の奥さんに持たせて先に入るかあ!?
ドアを開けてその場に留まり、身重の奥さんを先に入らせて、
(ついでに私も出させてあげて…まぁこれはもういいケド)
それから自分が入る、って発想がどーして
できないの!? シンジラレナイ!!
頭から湯気を立てながら、家路を辿りましたよ、この日は。
ちなみですが、うちのクラゲ息子でさえ、ドアを押さえて
待つマナーくらいは持ち合わせていマス。
それどころか、人の出入りの激しい、例えばグランド
セントラル駅の入り口などでは、ずっとドアを押さえたまま
人を入れたり出したりし続けて、いつまでたっても自分が
入れない始末・・・。ドアマンか?おまえは……
「いつまでやってんの? キリがないでしょー!
いい加減に入りなさいよ。
その前に、お母さまを通しなさいね。そのすぐあとに
入ればいいから」
とすました顔で入ってから振り向くと、
あ〜あ、まだ押さえてるよ。
まったく要領のわるいクラゲ ・・・。