4月16日(土)赤坂ACTシアター12:30開演の
「グランドホテル」を観に行きました。
だいぶ枯れてきていましたが、お花がたくさん。
プログラムは1500円。他、グッズ。
休憩なしのミュージカルは新鮮だった。
自分的には2時間くらいの公演だったら休憩はない方がいい。
脚本:ルーサー・ディヴィス
作詞・作曲:ロバート・ライト&ジョージ・フォレスト
追加作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:トム・サザーランド
翻訳・訳詞:市川洋二郎
振付:リー・プラウド
<Team GREEN 出演>
中川晃教、宮原浩暢(LE VELVETS)、戸井勝海、昆夏美、藤岡正明
味方良介、木内健人、大山真志、金すんら、友石竜也、青山航士、
杉尾 真、新井俊一、真瀬はるか、吉田玲菜、天野朋子、岡本華奈
湖月わたる、スペシャルダンサー、樹里咲穂、光枝明彦、安寿ミラ
<あらすじ>
若く美しく、だが貧しいフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵(宮原浩暢)は、
ギャング(青山航士)による借金の取り立てから逃げている。
帝政ロシアで一世を風靡したバレリーナ、グルシンスカヤ(安寿ミラ)は
座員を養う引退興行のためにベルリンへ。重い病を患う会計士
(中川晃教)、 オットー・クリンゲラインは、これまでの貯金を全て使って、
人生の最期の 日々を豪華なホテルで過ごそうとしていた。
傾きかけた織物工場の 娘婿社長プライジング(戸井勝海)は、
会社を立て直す会合のために ホテルへ。
ハリウッドでスターになることを夢に見るタイピストの フレムシェン
(昆夏美)はプライジング社長の私設秘書に誘われる。
偶然にもグランドホテルで出会い、それぞれの人生が変わるような
一夜を過ごす。「グランドホテル、ベルリン。いつも変わらない。
誰かが来て、誰かが去っていく。ひとつの命が終わり、ひとつの命が
生まれる……。ひとつの心が引き裂かれ、ひとつの心が高鳴る…。
ひとりの男が牢獄へ行き、ひとりの男がパリへ旅立つ。
時は過ぎる、淡々と。人生も回り続ける。グルグル、グルグルと……。
REDは原作に忠実な、新しい旅立ちを予感させるハッピーエンディング、
GREENはトム・サザーランドさん演出バージョンで、このあと戦争へ
走っていく当時のベルリンの重苦しさを描き出す悲劇的エンディング、
という話らしいのですが、今回はGREENバージョンを観てまいりました。
重厚そうなホテルのセットが高級感を醸し出していて、
いかにもセレブ達が集いそうな雰囲気。
中央の回転扉は、グルグル回る人生をあらわしているのだろうか。
そしてやけにキャストが椅子やテーブルの上に乗っての
演技・歌が多かったのが気になった。
この舞台の主役って男爵なの?と思うくらい、男爵の見せ場が
多かった気がする。宮原さんの声量と長身のせいで
目立っていただけなのかもしれないが 。
男爵の感情が 全く見えてこないところが気になった。
ミュージカルなんだから歌さえ上手けりゃいいでしょ、という
意見もあるとは思うのですが、葛藤や、動揺や、グルシンスカヤへの
愛情がもっと分かりやすい形で見えたら入り込めたかも。
二股かける好色役にしては、誠実そうで堅実そうに
見えてきてしまい、自分の中の男爵像とはズレがあった。
ウィーン系ミュージカルのヨーロッパの皇帝役とか似合いそう。
色気といえば、戸井さん演じるプライジング社長がフェロモン
MAXだった。顎に手を当てながらタイピスト(昆さん)を
値踏みするような目つきで見て、「まあ、いいだろう」的に
うなづくしぐさがとってもエロティック。
若手が無理にやるととってつけたようになるような
ねっとりした視線…とてもセクシーな社長だった。
ややおちぶれ気味のバレリーナ・グルシンスカヤ、
周囲がまだ人気があるように見せかけるところは
「サンセット大通り」のノーマを思い出した。
「DNA-SHARAKU」ではあまり歌が聴けなくてモヤモヤしていたので
アッキーの歌が聴けて良かった。演技も一人だけ笑いをとる
シーンがあって、面白い。あまり人とかかわらない
人生を送ってきたのか、ちょっと優しくされると、
皆良い人に見えてしまうところが悲しい。
今回びっくりしたのは、昆さんのダンスシーン。
ダンサーさんにまじり、かなり激しいダンスも何のそので
キレキレダンスを見せてくれました。素晴らしかった!
藤岡君演じるエリックが赤ちゃんを抱くところは、光景が妙に
しっくりきて、 実生活とダブって見え、ほっこりした気分になった。
これから戦争に向かう中、エリックとその家族は 戦火をくぐりぬけて
生き延びて ほしい、と願わずにはいられないラストだった。
そしてなんだかんだでフレムシェンが一番たくましく、
したたかな 生き方を しているな、と思ったGREENバージョンでした。
REDのハッピーエンディングバージョンも気になる。