10月27日(土) 「風評被害のリアルな現場 」
<東北応援ツアー>
その1 「 弱き若者が被災地へ向かえたキッカケ」
その2 「 郡山から喜多方へ~朝霧の中で」
その3 「 喜多方ラーメンと酒蔵のじいちゃん」
その4 「 元ヤン夫婦と食べる2杯め喜多方ラーメン 」
昨年末から書き始めた被災地を中心に東北を訪れた際の旅行記です。
10月に訪れたので時間は随分と経ちましたが、ゆっくり書き記していきたいと思います。
※東北応援ツアーとは
被災地に実際に足を運び、被災者の方との交流を通して学ぶ。
その中で少しでも活性化に貢献するという趣旨のもと、立命館大学が主催した復興支援事業の一つである。東北に住む校友(卒業生)の力をお借りして成り立っている。
では前回の続きから・・・
******************
酒蔵とラーメンの町、喜多方を出た時にはまだ正午にもなっていなかった。
随分と濃い午前中だった。
喜多方ラーメンの香りを口に含みながらの帰りの電車は心地良い。
郡山に着き、後輩と合流。
今の自分では被災地に向き合えるか不安だと悩みながらも誘いに乗ってくれた。
東北応援ツアーの集合場所へ向かい、バスへ乗り込む。
車内には比較的年齢の高い層の人がたくさんいた。
中には若い人もいたが、後輩が最年少、次に若いのは私であった。
見ず知らずの大先輩方を前に自己紹介は緊張する。
被災地ボランティア経験のある人から軽い気持ちで来てしまいましたと正直に独白する人まで様々でした。
***
郡山にも震災の爪痕は残っている。
たとえば学校のグラウンド、表土5cmを除去して除染作業が行われている。
しかし残土の行き先がないという現実。
病院の渡り廊下が未だ宙ぶらりんのまま、生々しい光景が町の中に潜んでいる。
***
バスは磐越道を走り、車中では被災者の方に震災の話、その後の話、これからの話を聞かせていただいた。
しばらくするとフルーツランド北会津に到着。
ナイフ片手にりんご狩り。
こんなにも美味しいリンゴがそこにあるのに売れない。風評被害だ。
“福島”というだけで売れない。
いくら原発から遠く離れた地であり、数値的には問題なくても、である。
***
次に会津活・活自然村という農園にお邪魔した。
今なお風評被害で苦しむ生産者の声を聞く。
作った野菜の多くは大きく掘られた穴に捨てられるという現実。
捨てるのにもお金がかかるので自分たちで処分するしかないのだ。
売れないという金銭的な苦しみはもちろん、自分たちが手塩にかけて育てた農作物を捨てるしかないという苦しみは耐え難いものがあるのではないか。
しかし、それでも決して悲観的にならずに前を向いている姿にもまた衝撃を受けた。
ゴマ油の味がする野菜など、工夫がたくさんある。決して安売りはしない。
福島の野菜をふんだんに使ったいも煮汁、つきたてのずんだ餅などを振舞っていただいた。
野菜の美味しさが見に染みてわかる。野外で食べる福島は全てが美味しかった。
風評被害は非常に難しい問題だ。
誰しもが自分や家族の健康が何よりも大切である。
スーパーに福島産の野菜と福島産以外の野菜が並べられていたら、敢えて福島産を選ぶ人は極めて少ないだろう。
きっとそれは人間の自然な心理行動であり、誰もそれを咎めることはできない。
でも本当にそれでいいんだろうか?それだけでいいんだろうか?
少なくとも私は自分で調べ、安全だと判断したモノは福島産を積極的に食べたいし、それを人に伝えたいと想う。
バスの窓際には赤とんぼ、ぐちゃぐちゃになった思考を静めてくれる。
(続)
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その1 「 弱き若者が被災地へ向かえたキッカケ」
その2 「 郡山から喜多方へ~朝霧の中で」
その3 「 喜多方ラーメンと酒蔵のじいちゃん」
その4 「 元ヤン夫婦と食べる2杯め喜多方ラーメン 」
昨年末から書き始めた被災地を中心に東北を訪れた際の旅行記です。
10月に訪れたので時間は随分と経ちましたが、ゆっくり書き記していきたいと思います。
※東北応援ツアーとは
被災地に実際に足を運び、被災者の方との交流を通して学ぶ。
その中で少しでも活性化に貢献するという趣旨のもと、立命館大学が主催した復興支援事業の一つである。東北に住む校友(卒業生)の力をお借りして成り立っている。
では前回の続きから・・・
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酒蔵とラーメンの町、喜多方を出た時にはまだ正午にもなっていなかった。
随分と濃い午前中だった。
喜多方ラーメンの香りを口に含みながらの帰りの電車は心地良い。
郡山に着き、後輩と合流。
今の自分では被災地に向き合えるか不安だと悩みながらも誘いに乗ってくれた。
東北応援ツアーの集合場所へ向かい、バスへ乗り込む。
車内には比較的年齢の高い層の人がたくさんいた。
中には若い人もいたが、後輩が最年少、次に若いのは私であった。
見ず知らずの大先輩方を前に自己紹介は緊張する。
被災地ボランティア経験のある人から軽い気持ちで来てしまいましたと正直に独白する人まで様々でした。
***
郡山にも震災の爪痕は残っている。
たとえば学校のグラウンド、表土5cmを除去して除染作業が行われている。
しかし残土の行き先がないという現実。
病院の渡り廊下が未だ宙ぶらりんのまま、生々しい光景が町の中に潜んでいる。
***
バスは磐越道を走り、車中では被災者の方に震災の話、その後の話、これからの話を聞かせていただいた。
しばらくするとフルーツランド北会津に到着。
ナイフ片手にりんご狩り。
こんなにも美味しいリンゴがそこにあるのに売れない。風評被害だ。
“福島”というだけで売れない。
いくら原発から遠く離れた地であり、数値的には問題なくても、である。
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次に会津活・活自然村という農園にお邪魔した。
今なお風評被害で苦しむ生産者の声を聞く。
作った野菜の多くは大きく掘られた穴に捨てられるという現実。
捨てるのにもお金がかかるので自分たちで処分するしかないのだ。
売れないという金銭的な苦しみはもちろん、自分たちが手塩にかけて育てた農作物を捨てるしかないという苦しみは耐え難いものがあるのではないか。
しかし、それでも決して悲観的にならずに前を向いている姿にもまた衝撃を受けた。
ゴマ油の味がする野菜など、工夫がたくさんある。決して安売りはしない。
福島の野菜をふんだんに使ったいも煮汁、つきたてのずんだ餅などを振舞っていただいた。
野菜の美味しさが見に染みてわかる。野外で食べる福島は全てが美味しかった。
風評被害は非常に難しい問題だ。
誰しもが自分や家族の健康が何よりも大切である。
スーパーに福島産の野菜と福島産以外の野菜が並べられていたら、敢えて福島産を選ぶ人は極めて少ないだろう。
きっとそれは人間の自然な心理行動であり、誰もそれを咎めることはできない。
でも本当にそれでいいんだろうか?それだけでいいんだろうか?
少なくとも私は自分で調べ、安全だと判断したモノは福島産を積極的に食べたいし、それを人に伝えたいと想う。
バスの窓際には赤とんぼ、ぐちゃぐちゃになった思考を静めてくれる。
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