※最近このブログを読み始めていただいた方も多数いらっしゃるので、ここまでのリンクを載せておきます。お時間許せば、その1からご覧下さい。
<東北応援ツアー>
その1 「 弱き若者が被災地へ向かえたキッカケ」
その2 「 郡山から喜多方へ~朝霧の中で」
昨年末から書き始めた被災地を中心に東北を訪れた際の旅行記です。
10月に訪れたので時間は随分と経ちましたが、ゆっくり書き記していきたいと思います。
では前回の続きからです・・・。
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喜多方に滞在できる時間はあまりない。
レンタサイクルを想定していたが、見当たらず徒歩を決意。
(多分駅近くにあるはず、しかし結論としては今回の移動範囲であれば徒歩で十分)
駅周辺には地元の高校生がわんさかいる、今日は土曜日のはずだが。
とにかくも喜多方ラーメンは朝が早い。急がなくては。
一軒目に訪れたのは「坂内食堂」、最近はメディアでも度々取り上げられている。
やはり人気店だけあって、朝の8時台で既に行列ができている。
観光客が多いのかと思いきや、地元の方が結構な割合を占める。
旅人としてはこういうのは地味に嬉しかったりする。
ここは一面に肉が敷き詰められた肉そば(900円)が有名なのだが、“ラーメンに多くの具は要らない”が持論の自分は定番の支那そば(600円)を注文。違いは肉の量だけ。
黄金のスープ、とは多少大袈裟かもしれないが、その澄みきったスープに目を奪われる。
麺はちぢれ麺で少し太め。細めのうどんに近い。
細麺ストレート派の私であるが、一口食べるとこれがうまいうまい。
あっさりしてそうでしっかり味のあるスープにちぢれ麺に絡む。
喜多方は山のふもとにあり、水が美味しい。
それがすごくわかる。ラーメンを食べて、水が美味しいと感じたのは生まれて初めてだ。
相席した熟年夫婦と少しばかりの会話をして店を出る。朝の寒い時間に染みた。
街中を練り歩き、蔵をほどほどに見て回る。
メインストリートから一筋入るとこんな昭和の風景に出会う、ノスタルジー。
ふと目に入ってきたのは酒蔵の看板であった。酒蔵清川。
表に貼ってある写真を見ると、何でも王監督が優勝した際にここの酒を使ったほどお気に入りだとか。
入っていいのかダメなのかよくわからない入口を進む。
そうすると洒落乙なじいちゃんが現れた。蔵の主である。
本来なら動いている酒蔵を見学できるとのことだが、今はシーズンオフ。
でも中をご案内しますよ、と。
ものすごく雰囲気のある空間、ここには写真を載せていないけれど大きな蔵が立ち並ぶ。
この酒蔵のこと、酒造りのこと、喜多方のこと、色々なことを話してくれた。
なんでも歴史ある喜多方で最古の酒蔵であるとのこと。創業は1631年というから驚く。
喜多方ラーメンの師弟関係の話もやはり詳しく、ここでしか聞けない情報の宝庫である。
(今は坂内食堂が有名だが、実はその師匠はこの近くで◯◯というラーメン屋をやっている等)
ラーメンばかりが有名になっていくのが悔しくて、自分は蔵マップなるものを作ったんだとクソでかい蔵マップを見せてくれた(笑)
京都にも来たことがあるらしく、話題は次から次へ。気が付くとここで1時間ほど滞在していた。
日本酒と言えば当然、米からできている。
喜多方は原発から随分と離れているけれど、“福島”というだけでお酒もまるで売れないそうだ。
「ご予算許せばぜひ買って帰って下さい」
じいちゃんは謙虚にそう言った。
よし、日本酒好きのじいちゃんと飲もうと2本買うことにした。
色んなお酒の試飲までさせてもらい、日本酒のうまさに少し目覚めてしまったかもしれない。
最後に一緒に写真を撮らせてもらい、蔵を後にした。
そういえば、じいちゃんの名前を聞いていない。名乗ってもいない。
ここが外国ならば、一目散に名前を聞いて、名前で呼び合っていたのだろうと思うと悔しいではないか(笑)
そんなしょーむないことを考えながら、酒瓶が入った荷物が随分と重たくなっていることに気付く。
きっとこれこそが素敵な出会いの重さ。
さあ、次は何をしようか。
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