何とも寝心地の良い夜だった。
朝起きて窓を開けると島の朝は活発に始まっていた。
お茶やコーヒーのサービスがあるのは地味に嬉しい。
コーヒー片手に今日の計画を立てる。
一息ついて民宿を出る。お母さんが見送ってくれる。また必ず来ますね。
フェリーで次の島へ向かう。
今日は最も楽しみにしていた海士町(あまちょう)という島。
「ニッポンの嵐」という本で松潤がここを訪れた旅行記が載っているのでご存知の方も多いかもしれない。
一時は財政破綻しかけたこの島も町長や島の人の努力の甲斐あって、今では日本各地から移住する若者が絶えない町に蘇った。
このプロセスはマスコミ各種でも取り上げられ、ネットで検索してもたくさん記事が出てくる。
“ないものはない”
これが海士町の掲げるモットーである。
ないものはないんだという開き直りの意味であるが、その裏には大切なものは全てここにあるという誇らしくて深い意味合いが隠されている。
フェリーを降りてから民宿まで少し距離がある。
そしてこの日は暑い、非常に。
荷物を担いで歩いたあの道はなかなかに辛かった。
島の人に道を教わりながら何とか民宿「かたえ荘」に到着。
一見すると普通の家なので「簡宿 かたえ荘」という小さい看板だけが頼り。
ピンポーン!!
・・・。
ピンポーン!!
・・・。
あれ?誰もいないのか?
しかし玄関は開いている。
恐る恐る入り、すみませーん!と叫んでみるも応答なし。
困った。ここに荷物を置かないことには何も始まらない。
とにかく暑いの涼みながら今日の計画の続きを練る。
しばらくすると奥の方からおばあちゃんが出てきた。
かたえおばあちゃん!!笑
何事もなかったのように迎えられた私は誰もいない重厚な家の奥へと通された。
トイレから臨む景色ですらお洒落である。
軽く4人は泊まれるんじゃないかと思える広い部屋を用意してくれた。
そう、この日の予約客は私だけである。
荷物を置き、「いってきまーす!」
まずは近くのお店で名物サザエカレーをいただく。
肝入りで煮込まれたこのカレー、実にうまい。コリコリとした食感はしっかり残っている。
海士町では観光センターというところが旅の活動拠点になる。
旅人はまずはここへ出向き、情報を集める。
ぶっつけの旅には色々と制約がある。
観光客が大勢訪れるところでもないので“事前予約”していないとできないアクティビティが多い。
(次の島でも同じ目にあうが、ここでもシーカヤックができなかった)
“あまんぼう”(半潜水海中船)を予約して、それまでにサイクリングをすることに。
白いチャリで島サイクリング。
海岸沿いを白いチャリで走っている、その事実だけで素晴らしい。
隠岐神社、海士町役場、後鳥羽上皇関連の名所を見て回る。
これらはそんなに大したことがないが、やっぱり島をぐるぐる周るのは楽しい。
帰り道は好奇心から変な道へ迷い込み、美しい田畑が広がる田園風景を目にすることができた。
1時間少々の島サイクリング、最高。
さて、いよいよあまんぼうへ乗り込むことに。
案内人のこの可愛らしいお姉さん、話してみるとなんと同じ立命の卒業生ということが発覚。
キャンパストークに花を咲かせ、まさか隠岐でそんな出会いがあるとは。
さて、このあまんぼうは半潜水ということで船の下に入って海中を展望することができる。
かなり魚がいる!
熱帯魚のような綺麗な魚からふぐや鯛がうじゃうじゃいる。
澄んだ海、これは潜りたい。
カナヅチの僕が言うほどである。どれだけ美しい海かわかっていただけるのでは?笑
特殊モードで撮ると雰囲気変わっておもしろい。
「三郎岩」という名所にも案内してくれる。
左から、太郎・次郎・三郎というありきたりな名前がつけられている。
写真で見るとどーということはないが、目の前で見ると結構迫力もある。
しかしよくこうも3つうまく並んだものだ。
同じくあまんぼうへ乗ったもう一人の乗客のおじさんと、
「それでは良い旅を」
と挨拶を交わたところで早くも海士町が好きになっていた私であった。
「それでは良い旅を」
と挨拶を交わたところで早くも海士町が好きになっていた私であった。
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