8月19日(日) 中編 「黄昏」
いくら海士町が栄えていても一人島でできることはそんなに多くない。
そうなれば黄昏れるしかない。
いやむしろ、今回の旅は黄昏れるためにあるようなもの。
なーんにも考えず、海辺へ臨む。
映画「めがね」のサントラを聴いたり、オアシスのDon't Look Back In Angerを聴いたり。
他にも思い入れのある曲やまさに今この場所で聴きたいと思った音楽を身体に染み込ませた。
まぁしかし、なーんにも考えないというのも難しいもので、色んな思いが頭をよぎる。
これほど雄大な自然を目の前にしても人はまだ悩むのか。
でも悩んで数秒後、“ま、ええか。”そんな気になる。
何でもかんでも投げ出し、考えることを放棄するのはよくないが、たまにはこういう時間も必要。
メガネを隠岐に置き・・・
みたいな冗談はさておき、私はメガネを外し、ただただ黄昏れた。
メガネも主人の黄昏を温かく見守ってくれている。
何の出来事も起きないまま3時間以上が過ぎた。
「お前はそこで何を得たのだ?」
そう問われれば、
「大したことはない。ただ、言葉に表して伝えられないのが残念だ。」
そう答えてやろう。
あの夏、あの場所で黄昏れた時間、我のみぞ知る秘宝。
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