(この記事はmixiからの転載です。初出は2014年6月です。)
6月は梅雨の時期のため、ごっつい暇なので、雑学的な話でも書いてみようかと思います。僕の投稿はいつも長いですが、みなさんも暇でしたら暇人たっきゅうにお付き合いください。
ここ何年かの間、「幸福学」といって、主観的な幸せの感じ方がどのような要因によって決まるのか、統計解析により分析する研究がブームになっています。
その中で有名なのが、「幸福のパラドックス」という現象です。ここに載せたグラフは国民生活白書から拾ってきたものですが、一人当たりの国民所得が増えているにも関わらず、幸福度(国民生活白書では生活満足度を尺度にして測っています)は上がっていないという現象が起きています。このように所得と幸福が必ずしも結びつかない現象を幸福のパラドックスといいます。アメリカの調査では、所得が7万5000ドルくらいまでは、所得が増えるにつれ幸福度が高まる傾向にあるが、それ以上になると所得と幸福度にあまり相関がないということが言われています。
なぜ、このような現象が起きるのか、いくつかの仮説があります。ひとつは、幸福度(あるいは生活満足度)の測り方が悪いという可能性。幸福度は、せいぜい5段階とか10段階の尺度で測るので、年によってもあまり差が出ない可能性があります。例えばこれが1000点満点くらいの細かい刻みになれば違う結果になるのかもしれません。
もうひとつ言われているのは、適応仮説といって、所得が上がって豊かになっても、そのうち慣れてしまうので、幸福度が上がっていないように感じてしまうのではないかという可能性です。
そして、この説明が最もよく聞く説明ですが、所得が上がって生活に対する最低限のニーズが満たされるまでは、所得は幸福度に重要な影響を与えるが、ニーズが満たされてしまえば、お金そのものは幸せをもたらさないのではないかという指摘がされています。よく「幸せはお金じゃないんだよ」と言いますよね。貧乏人が言っても金持ちへの僻みに聞こえなくもないですが、意外と真理をついているのかもしれません。
ちなみに、所得以上に幸福度に影響を与えているのは、人と人との社会的な結びつきと、健康だと言われています。しかも、健康というのは、なにか客観的な指標ではなく、自分がどのくらい健康だと感じているか(主観的健康感)が幸福度と最も相関するそうです。それから、地域のためにボランティアをしたりするのも幸福度を高める効果があるそうです。やっぱり健康で毎日地域の人達とのつながりを感じながら楽しく暮らすのが幸せには一番大切なようです。
ということで、今日のまとめ
お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで。