【主観的幸福】情けは人のためならず | 京都の大道芸人・笑いと健康講演講師 たっきゅうさんの新公式ブログ「芸人魂背負ってます」

京都の大道芸人・笑いと健康講演講師 たっきゅうさんの新公式ブログ「芸人魂背負ってます」

京都を中心に全国で活動中の大道芸人であり、笑いと健康に関する講演講師でもある「たっきゅうさん」の公式ブログです。

笑いを通じて、人と人との繋がりを実感し、
QOLの向上をはかることをモットーに、
介護施設や小児病棟を訪問しています。


(この記事はmixiからの転載です。初出は2014年10月です。

昨日に引き続き、幸福の心理学について投稿してみようかと思います。)

最近、ブルーノ・フライ氏の「幸福度をはかる経済学」という本を読んでいます。その中でこんな研究が紹介されています。ドイツでは、ボランティア活動をしている人の方が、そうでない人よりも生活満足度が高いという研究結果が出ているそうです。それもボランティア活動の頻度が高いほど生活満足度が高いという傾向にあるそうです。

この結果だけだと、ボランティアをするから生活満足度が高まるのか、あるいは生活にゆとりがあるからボランティアにいそしむのか、どちらかわかりません。ですが、この本では様々な解析テクニックを駆使して解析し、ボランティア活動そのものが生活満足度を高めるという効果があることを実証しています。

ボランティアをすることによって、温かい気持ちになったり、他人を助けることに喜びを感じることは、ひいては自分の心の幸せにもつながるんですね。まさに「情けは人のためならず」です。

ちなみにこの本の作者のブルーノ・フライ氏は非常にユニークな視点を持った経済学者です。従来のミクロ経済学の枠組みに内発的動機付という概念を組み込んだ新しい理論モデルを構築することを試みている経済学者です。例えば、放射性廃棄物の処分場のように、必要ではあるが、自分の家の近所には建設してほしくないような類の施設を建設する際に、地域住民に経済振興策など金銭的なメリットを提示すると、かえって住民の態度が硬化する可能性があることを、理論、実証の両面で明らかにしています。これから日本でも放射性廃棄物の最終処分場建設を巡る議論は不可避ですが、彼の研究は示唆に富むので、日本のお偉方にはぜひとも知っておいてほしいです。