エニアグラム解説3<コアについて> | エニアグラムと哲学のTakkme

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◉9つの性格タイプ論としてのエニアグラム
◉神秘と哲学の両輪

まずはPart1からどうぞ。
エニアグラム解説1<基本編>


ずいぶんご無沙汰しているが、
解説のパート3です。

ゆくゆくはこのブログをご覧になれば、
性格類型論としてのエニアグラムの全体像を
ほぼ理解して頂けるものにしていこうと目論んでいる。
369のコア

何度も言うがエニアグラムは図形である。
エニアグラムを語る(使う)場合は常にこの図形を
頭に置いておきたい。

エニアグラムは、
全ての人間の性格(特徴)をとして
この円の中に集め、
さらに力学的に整理したものと考えてもらうと
良いかもしれない。
(結果、点と線として描かれている)

そして、
人間はこのすべての性格を少なからず有している。
しかしこれは考えてみれば当然のことだ。
そうででなければ、
我々は他人を全く理解出来ないということになってしまうだろう。

エニアグラムの性格論では、
この図形内のどこかに我々の性格が偏っていると観る。
369身体

人間は、この3-6-9の三本柱のいずれかに傷が付いていると表現できる。
タイプ3とその仲間(両側)であるタイプ2と4は感情に、
タイプ6とその仲間(両側)であるタイプ5と7は精神(思考)に、
タイプ9とその仲間(両側)であるタイプ8と1は本能に、
それぞれ傷が付いている(偏っている)と観る。
その各々の傷の付き方を説明したものが、
性格類型論としてのエニアグラムといえるだろう。

エニアグラムの図形において重要なのは、
まずこの3-6-9の正三角形である。
(ちなみにこの3の倍数である3、6、9の数字は循環を表す。
 1を3で割ってみると分かるが、いずれも循環系の数字である。
 エニアグラム解説2<3と7の法則>を参照)

この3、6、9の三つのポイント(柱)を
コア(核)」もしくは「センター」と呼ぶことにする。
それぞれ、
3のポイントを感情(心)
6のポイントを思考(頭)
9のポイントを本能(腹)コア(またはセンター)と呼ぶ。
(6の「思考型」は「精神型」とも呼ばれる。興味深いことだ。
 9の「本能型」をボクは「(身体)感覚型」と呼んでいるが、
 専門家の意見を聞きたいところである)

3という「感情(心)」のコアの両側に2と4がある。
2ーー4
そして、
「感情」が外に向かうのがタイプ2、内に向かうのがタイプ4、
「感情」に接触していない(またはアンビバレンツな)のがタイプ3。


同様に、
6という「思考(頭)」のコアの両側に5と7がある。
5ーー7
「思考」は「恐怖(不安)」によって発達した。
人間の<頭>が巨大化したのはこの「恐怖(不安)」によるためである。
人間ほど傷つきやすい動物はいない。
6を中心とする思考型は人間(という病)の象徴とも言えるだろう。
この、
「恐怖(不安)」が外に向かうのがタイプ7、内に向かうのがタイプ5、
「恐怖(不安)」に対してアンビバレンツなのがタイプ6。


同様に、
9という「本能(腹)」のコアの両側に8と1がある。
8ーー1
「本能(腹)」を象徴するのは「怒り(血)」である。
本能タイプを象徴する「腹が立つ」という表現があるが、
ボクはエニアグラムを知ってから「怒り」を「感情」に含めなくなった。
「怒り」はもっと動物的で、血が体内を巡る「感覚」ではないだろうか。
この
「怒り」が外に向かうのがタイプ8、内に向かうのがタイプ1、
「怒り」に接触していない(またはアンビバレンツな)のがタイプ9。


(この「コア」という視点の重要性を
 エニアグラム解説1のコメント32・33・34で
 少し解説しております。ご参考まで)

次回の「ウイング」の回でも説明するつもりだが、
今のエニアグラムの風潮でよく「5w4(4のウイング持ったタイプ5)」
といった表現を見かけるが、かなり具合が悪い場合がある。
それは、この「コア」という視点の重要性が抜け落ちてしまう
可能性があるからだ。

思考タイプを例にとろう。
タイプ5やタイプ7は、まずはタイプ6なのである。
タイプ5やタイプ7の中にタイプ6を見出すことは容易だろう。
そしてさらに言えば、
タイプ5や7の統合(健全)の方向はまずはタイプ9なのである。
(タイプ6→タイプ9)

タイプ5や7はまず自分の、恐怖や不安のコアであるタイプ6が
安定や調和のタイプ9に向かうことによって
それぞれの良い方向へ引っ張られる。
(タイプ7→タイプ5、タイプ5→タイプ8)

感情タイプ、本能タイプもまたそれぞれに同様である。
後日、「エニアグラムの力学」と題して説明したいと思う。

まずはぜひ、
この正三角形3→6→9(→3)の大きな動きに注視してもらいたい。
これは他人のタイプ判断をする際にも重要な手がかりとなるはずだ。

グルジェフは、その著書『ベルゼバブの孫への話』の中で
「人間」を3つの脳を持つ生物「3センター生物」と表記している。



備考************

重要なボクの観察をひとつ。
次回説明するウイングが、自分のコアと逆側にある場合、
4w5(つまりコアが6)であるとか7w8(コアが9)であるとかは、
本人自身がコアに対する自覚が薄い場合が非常に多い。
つまり、アンケート方式での自己判断
ウイングを参考にするべきかもしれない。
しかし、他人に対する観察にはコアは役に立つことが多いし、
自他ともにタイプが分かってしまえば、やはりコアの動きの方がまず重要である。
そのことはこのエニアグラムという図形の性質上明らかである。

さて、なぜにウイングが自分のコアの逆側にある時にその自覚が薄くなるのか。
恐らく、ウイングが自分の仮面として働くことが多いことにその鍵がある。
それは自分のコアに対する反発のため(コアが傷そのものであるため)に、
ウイングという(社会的)仮面を構築するからではないか。
その証拠?にアンケート方式では自分のコアに異常に印が付かなかったりする。

とは言え、現象面(表に現れる様子やスタイル)で、
ウィングの影響はとても無視できない。
それはパート4にて。