山陰山陽の滝旅 #30
滝旅を締め括るのは岡山県高梁市。
ちょっと気になる滝だらけ。
時間もないので幾つ会えるかわからないけど、イチオシの滝から訪れます。
沢柳の滝から国道313号線で北上、県道300号線に折れて更に北上。この道も狭くてサイドミラーは畳んで走行しました。すれ違いの対向車は二台、どうにか離合してやれやれと思ったころ名物のトンネルに。
羽山第2トンネル
自然の棲龍洞を利用した県道のトンネル。
向こう側からトンネルを抜けてくると何やら賑やか。ここはクライミングのゲレンデになっていて登攀してました。凄いですね~と暫し見とれる。
少し進むと羽山第1トンネル。南側入り口手前に停めました。
数台停められますが倉敷ナンバーの先客さんがいるようです。
このエリアは貴重な地層? 沢柳の滝や藍坪と同じく丁寧な説明がなされていました。
さっ、それでは滝に。
表示はありませんが少し戻ったところに川に向かう道の入り口があります。
島木川に向かって降りていきます。
貴重な地層、自然の仕業に圧倒されます。
対岸に祠があります。この道は祠に行くための道ですが、ここで島木川を渡渉するのは難しそう。
そのまま左岸側を進んで滝が落ちる枝沢に到着。
すると………
岩棚の上で二人の若者が、滝と対面してキャンプチェアで寛いでいました。滝好きさんというわけではなく、たまたま見つけたここでゆっくりしに来たとのこと。
逆光の中に滝が待っている。でも、ここを渡渉することできるのか。
景観を楽しむお二人に「あそこまで行きたいんだけど、いいかな?」「全然、いいですよ~笑」と。
ちょっと怖かったけど何とか渡れた。
谷を埋める巨石を左方向に登っていく。
徐々に滝が近づいてドキドキしてきました。あとは左側の斜面をよじ登れば滝前に行けるはず。
ところがこの斜面、下に立つと衝立のようでなかなか急峻。落ち葉が堆積して手掛かり足掛かりもなく、登ろうとしてもズルズルと落ちる。………やむ無く諦めざるを得ませんでした。
滝は目視できるので沢に戻って、進めるギリギリの巨大な石の上から御対面となりました。
(羽山渓の)不動滝
落差は25mだそうです。
石灰岩の断崖によって荘厳にも可憐に落ちる素晴らしい滝です。
立体美だけでなく、白い水飛沫、灰色の岩壁、黒い濡れた岩肌のモノトーンに、草木の緑が添えられています。
落ち口から方向転換。
やぁー……っと飛び出す水飛沫。
落ちてくる水を受け止める岩棚も唯一無二。
ああ、あそこに立ちたかった。あわよくば滝飛沫を浴びたかった。
ひとしきり滝を眺め、ふと振り向くと若者達は撤収の準備をしていました。
それを見て自分も滝前から引き返しました。
他愛もない話しをした後、先に帰っていく彼らを見送りました。イケメンな男二人で何を語り合っていたのか………。
二人が去ると、途端に辺りが寂しくなってきました。
羽山渓 島木川の上流は神秘の険崖。
ここを通り抜けた人はいるのでしょうか?
羽山渓に圧倒されながら戻る決断。滝前に行けなかった後悔を懸命に振り払いながら車道に戻りました。
羽山第1トンネルを抜けると………
お手洗い完備の駐車場。
橋ヤさんには魅惑の対象。
青空のもと、渓谷からの涼風にあたりつつ橋の上から羽山渓。
そして滝旅最後の滝に向かいました。
あらかじめ滝への道が狭い事は知っていました。
んん?
車幅 1.5m?………1.5mは1,500mmだけど、1,865mmの相棒は大丈夫なのだろうか?
県道301号線 落合高倉線。少し進んでみましたが道幅が狭くなってきたので、深みにはまる前に方向転換して戻りました。護皇の滝には到達できなかったです。
なんだか締まらない旅の終演になってしまいましたが……いいんです。
このエリアには他にも気になる滝が幾つかあるので、いつか必ず訪れることになります。その時にじっくりと楽しませていただくための、良い下見になったと割りきりました。
ちょうど同じ時期にブログでお世話になっているSunday PaPaさんが羽山不動滝や護皇の滝を訪れ、素晴らしい滝の写真をアップされていました。
高梁市から岡山市街に移動して、先ずはひと風呂。
岡山みやび温泉 大家族の湯♨️
GW真っ只中で大混雑。遠距離運転を控えてゆっくり浸かる時間はありませんでした。
とんかつ ふく徳
最終日なのでとんかつの高級店で奮発。美味しいとんかつを思う存分いただきました。
とんかつ屋さんの駐車場で自宅をインプット。およそ660km、所要時間は7時間
途中、幾度となく休憩し、翌日の早朝に無事帰宅しました。
【まとめ】
◯2024.5.4 ひとりで。
◯天気は晴れ。
◯奇岩、奇穴の羽山渓。
◯沢を登って不動滝へ。
◯今度は祠から滝つぼを目指す。
◯滝旅の最後の滝。
◯訪れた滝
○羽山不動滝:岡山県高梁市
【山陰山陽滝旅の総括】
5県にまたがる中国地方、山陽道と中国道を利用して東から西へ心電図の波形のように巡りました。総走行距離は約3,200km。9日間全て車中泊、雨の影響は0.5日。クマの痕跡、ヤマビル被害には遭遇しませんでした。
およそ80の滝をめぐり大半は初見の滝、再訪は日本の滝百選の大山滝、常清滝の2滝のみでした。5県のうち山口県は自分的に滝としての認知度低く、今まで寂地峡五竜の滝と隣の犬戻滝しか訪瀑していませんでした。ところが県内をよくよく調べてみると実に多くの滝があることが分かり、取捨選択したにも関わらず3日間では到底巡りきれませんでした。
全般的に沢靴を濡らす回数や、浴びた水飛沫の量が少なく、滝での振る舞いは消極的だったかもしれません。
難易度が高くて避けた滝、災害などで通行止めの滝、時間が無くて諦めた滝、新たな魅力を知った滝……そのような山陰山陽の滝を、そう遠くない何時か再び滝旅したいと思っています。
おわり