今後のロコドル雑談、ファミレスで語るようなこと | 君が好き

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アイドルの話でもしようず。

昨日の解散したグループを振り返りながらのブログで2013年から今年までの独断と偏見のロコドルを取り巻く環境のこともちょっと書きました。
それでグループは解散しているからここで終わりみたいな書き方をしましたら、どうにもネガティブな印象を与える文章だったのでしょう。
「じゃあ、2017年以降のロコドルには未来がないの?」
「この状況は打破できないと思ってるの?」
と聞かれましたので、せっかくですのでいまぼくが思うところのぼくの周りで感じてるロコドルの現状と今後の期待について語らせていただこうと思います。
本来ならばこういうことは、ライブのあとにファミレスでドリンクバーをお替りしながら語っているのですが、最近は現場に行くこともめっぽう減りましたので、語りたい欲がどうにもあふれて抑えられなくなったのでここに書かせていただきます。

昨日も書きましたが、ロコドルに対して運営もファンも過大な期待を持たなくなったのは、オリコンチャートへの期待の失墜だったと思います。たとえどんなに頑張ってCDをオリコンチャートの上位に入れても、現実は何も変わらなかった。これは「地方から全国へ」の夢の足掛かりとして上っていた階段が、その先には上の階はないと気づかせるに十分でした。
おそらくこのまま地方で活動していても彼女たちは有名になれない。
ヲタクはそのことに気づきます。
上を目指すアイドル達は、かつて夢を求めた九州のミュージシャン志望の若者がそうしたように東京へ向かいました。
また地方で活動するアイドルも、ひとつの目標としてTOKYO IDOL FESTIVALを目指すグループが増えました。
どんなに地方で評価されても、東京で評価されないと話にならない。
もっとも以前からその考えはありましたが、これまではその評価基準がオリコンチャートだったのでしょう。
それがTIFやコンテスト的なものに変わってきたのかなあと思います。
かつてヲタクがリリースイベントでCDを箱買いしたように、最近ではTIF予選ともなるとヲタクが底なしに課金するような流れに変わってきました。

その一方で、九州のロコドルの関東からも評価されていたコストパフォーマンスの良さというのは失われつつあります。
以前、ファンが数十人単位のロコドルを運営していた人とお話をした機会がありました。そこで話のネタになったのは「チェキ1000円の壁」でした。
「メジャーどころが500円で交流ができるのに、1000円でチェキを売っても売れるわけがない。最初に500円で設定すると次に1000円に上げづらい」
まあ、この運営さんの値上げしたい話は経営的な考えもあるからですが、この話でわかったのはいまチェキの相場は一般的に1000円と思われているということです。
それが高いか安いかはその人の価値観なのでおいておきますが、個人的には48の劇場盤と同じ価格というのは特段コスパの良さを感じさせないような気がします。
もちろんそのぶん交流時間が長かったり、ラクガキも価格に含まれていることころがほとんどですが、48の個別握手会と同じ価格と考えると新規の人がお試しで行くには敷居が高いかなと思うんです。
でも上げざるを得ないということがあるのは、やはり経営的にそうしないとできない現実があるのでしょう。

アイドル達が有名になるならお金をむしろ出したいと思うヲタクがいる一方、運営はお金がなくて新規の人が入り込める道を閉ざすような値上げをしなきゃいけない状況に追い込まれている。
これには運営が胴元になれていない問題があります。
たとえば、なにか東京で評価されるイベントにアイドルが参加する。
そこでヲタクがつぎ込んだお金がアイドルやそのアイドルのレッスン費や衣装を提供している運営に還元されていないのではないかと思うのです。
もっともこれにはアイドル側の問題もあって、仮にそこで還元があっても収支がわからないという状況が普通です。
ということで、ぼく的にはこのコンテスト的なものの参加がいまブームにはなっているし、それが未来を作るような雰囲気ができてきていますが、個人的にはかつてのCDリリースイベントのようにヲタクの疲弊と現実への失墜が繰り返されるんじゃないかと危惧しています。
できることならばヲタクが使うお金で経済的に成り立つ身の丈経営というのを確立しないと厳しいなと感じるんです。

アイドルのステージとしては本物志向を目指しているのだなという印象が強いです。
1970年代のフォークソングブーム、1990年代のバンドブーム、いろんな歌手やバンドがブームに乗ってデビューしましたが、結局残ったのは「本物」だけだったという教訓があるのでしょう。
ダンスのパフォ-マンス、歌のクオリティを高めることに注力した流れになっている印象がしています。
またヲタクのほうも、そういうパフォーマンス力を評価するようになった人が増えたと思います。
ただ、個人的にはこの流れも未来ということを考えるとちょっと違うかなと思ってます。
これらの過去のブームで残った人というのは、いちばんはクリエイターとして、つまり作詞や作曲を評価されて残った人のほうが多いのかなと思います。
もちろんスタジオミュージシャンとして一線で活躍されている方も多々いるでしょうけど、たとえば70年代の石川鷹彦のようにスタジオミュージシャンには本職のスタジオミュージシャンがいますから、アイドルですから歌がうまくても本職の歌手や、ダンスがよくても本職のダンサーよりも一歩抜きんでることはむつかしいかなと思うのです。
現実的には1960年代のGSブームにアイドルブームの実態は近く、結局GSブームのときのようにルックスのいい人が残るという傾向は否めず、そういう意味で橋本環奈がブレイクしたのだろうなと。
でも、シーンとしてはそれじゃあまり面白くないと思うんですよね。
個人的に本物志向に走るなら、作詞作曲をする、アイドルが振付を行うということをもっと表に出していくのが一番生き残る道だと思います。
汚いことを言うならば、裏にゴーストライターがいてもいいと思います。

そういうわけで、いまの流れとしては経営的に成り立つこと、アイドル自身がクリエイターになることのふたつが、今後ローカルアイドルが生き残る道のような気がしてますが、おそらくぼくがえらそうに語っても、これは運営に携わっている方ならもちろん、ヲタさんたちでもわかっていることだと思います。
ただ、それが簡単にできないから閉塞感がどこかにある。
しかし、毎週末、ローカルアイドルを生で見ることを楽しみにしている人たちがいて趣味になっている以上、可能性はあると思うんです。
そしてここからは仮にぼくだったらこうやるのがいいんじゃないのと思っている案になります。
もちろん世の中には今年は百万円しか収入なかったけど、来年は売れて一千万円の収入があると見込んで予算を組んでいるアイドルがいてもいいと思います。
華麗なステップでファンを魅了して人気を獲得していくアイドルも見てみたいと思います。
でもぼくとしては末永く地方にアイドル現場が残るには、週末にアイドルを見に行くというしあわせな趣味を残すためにはこういう姿勢もいいかなと思うんです。

1.収支をガラス張りにしてサポーターを作る
 ヲタクはアイドルがアイドルを続けていくためには金銭的な支援はしてもいいと思ってます。限度はあるでしょうが。
 そこで実際に運営が収支的に苦しいのか儲かっているのか、公開するのもいいかなと思うんです。
 赤字ならば赤字で赤字補てんグッズを販売したり、黒字なら黒字で新衣装を作ったり。
 そういうのが半期単位でもわかるとヲタクとしても金銭的に支えるモチベーションが生まれると思うんです。
 そうやって支える系のヲタクをサポーターにするという考え方があってもいいと思います。
 サポーターとしてファンクラブのように有料にすると、サポーターズミーティングみたいなことをしなくちゃいけなくなり、ヲタクの要望を運営が聞かなきゃいけなくなるようなこともあるからそこは判断でしょうが。
 
2.運営は裏方に徹する
 これはローカルアイドル、地下アイドルの最大の欠点と思うのですが、アイドルとヲタクが触れ合うのと同時に運営とヲタクも仲良くなるのですが、そのために一部でアイドルよりも運営が目立つという傾向が出てきてます。
 実際、ステージを最終的に作っているのは運営しているプロデューサーかもしれません。しかしこのことにより、アイドルのクリエイティブ性というのが失われているのが否めないのです。
 また、逆にそのアイドルのクリエイティブ性をことさらに強調しようと運営がツイッターなどで「あの日の○○のダンスの切れはよかった」などと書くと、もともとのそこの箱のヲタクはうれしいでしょうがそれが逆に信者のようなレッテルになり、、運営を教祖とした宗教団体のような印象になり、新規の獲得の妨げになるというようなこともあると思います。
 ですので、運営は何も言わない。それがいいと思います。運営が売るのはアイドル。
 むしろ、ステージを作る段階で運営が素晴らしいアイデアを出したにしても、そのアイデアをアイドルの手柄にヲタクに思わせるぐらいの腕のある運営さんでいてほしいと思ってます。
 
3.クリエイターは局地戦に挑め
 理想的なのはくまCanのようにそこに行かないと見られないものを作り出すことですが、それは容易ではありません。
 でもそれができるアイドルがぼくは好きです。
 ただ、それができないにしても姿勢として常に局地戦を意識してほしいのです。ローカルアイドルは、豊臣秀吉のような物量に任せた勝負では負けます。桶狭間の織田信長のように戦うべきなのです。
 いま、欅坂46がかっこいいからといって、そのフォーマットをそのまま真似てもうまくいかないと思います。
 かつて熊本にSENSEというアイドルグループがいました(いまのAiry☆SENSEとは別物です)。
 SENSEを見て、ぼくがいちばんにすごいなと思ったのはそのカバー曲のセンスでした。
 まだ福岡のアイドルが48の有名曲をカバーしていた時に、LinQや星乃ちろるをカバーしていたのです。思わず「SENSEってグループはセンスがいいな」とダジャレみたいなことを言ってしまいましたが、たとえば魁!KAGEKI団にしても東京の地下アイドルのやるようなカバー曲ばっかりやっててかっこいいなと感じました。
 そういうところからでも常に、周りがやってないことをやる局地戦で挑むことが大事なのかなと思ってます。
 
そういうわけでドリンクバーの炭酸でお腹がいっぱいになるようなことばっかり書いていきましたが、個人的にはやり方次第でロコドルにも九州にもまだまだ楽しいことがいっぱい起こると信じています。

難しい顔で悩むのも楽しいことが起こると思うから。

みなさんも、よいヲタ活を!