それまでも何度かライブでステージは拝見していたけれど、ぼくが初めて水無月あやかさんとお話をしたのは2023年5月6日の天草でのモネリンピックだった。
コロナ禍が明け、少しずつイベントの増えてきていた時だった。
これまでゲストが出演したことがないRe:five主催のオフ会イベント、しかも天草に当時Ayakaさんと呼ばれていた水無月あやかさんが所属していたJunior Flavor Kumamotoがゲストで出演されたのだ。
Junior Flavor Kumamotoという名前が示す通り、当時15歳とは言え、ぼくの中ではAyakaさんはジュニアアイドルのイメージだった。一緒に活動されていたMisakiさんがまだ小学生だったのでその印象も強かった。
ただ、たまたまドッチボールで同じチームになり、オフ会なのでお話ししてみると、話した印象がすごくよかった。
ステージではMisakiさんがしっかり者で、どちらかというと天然っぽいキャラの印象もあったのだけど、初見のヲタクに対して、一緒にイベントを楽しもうと気を配って話してくれているのが伝わったのだ。のちに学力テストの企画などで明らかになるのだけど、この子、頭が切れるなという印象を持った。
実際、2023年の水無月あやかさんは、コロナ禍や2022年下期の受験休養のうっぷんを晴らすべく、飛躍した年だった。
2023年夏にJunior Flavor Kumamotoが熊本Flavorになり、Ayakaさんも水無月あやかさんと名前が変わり、名実ともにジュニアアイドルではなくなった。
12月には全国展開のFlavorグループの選抜メンバーにも選ばれ、熊本からただひとり、東京お台場のステージ経つという機会にも恵まれた。
周りでも水無月あやかさんを熱心に応援する人も増えてきて、いつしか「おれのあややん」や「あややん、行かないで」という名物となるヲタクさんの声が現場では聞こえるようになっていた。
昨日はその水無月あやかさんの卒業ライブに行ってきた。
タイムテーブルの最初は熊本Flavorの10分間のウエルカムステージ。
Overtureが流れ、NAVAROの飾り付けられたステージに主役の水無月あやかさんと、日向みさきさん、聖ともかさんが並ぶ。
ステージが明るくなった瞬間、客席の多くの人たちはステージ上の熊本Flavorの異変に気付いた。
水無月あやかさんがすでに号泣され、つられるように聖ともかさんも目に涙を浮かべていたのだ。
百戦錬磨の日向みさきさんが「(泣くのが)早いよー」とステージの体裁を整えていた。
ぼくはそれを見ながら、2022年頃のステージで見ていたJunior Flavor KumamotoのAyakaさんを思い出していた。
2022年頃は、Ayakaさん自身の生誕祭をRe:five劇場で開催されたほど、Junior Flavor Kumamotoは2021年末からRe:five劇場の常連グループだった。
当時からリーダーとしてJunior Flavor KumamotoのMCをAyakaさんは進行していたのだけれど、飾らず行き当たりばったりにAyakaさんが進行するから、途中で方向が変わって、それを舞台袖からみゆ先生が軌道修正するというハプニングが、ある種、Junior Flavor Kumamotoの名物のようになっていた時期がある。
Junior Flavor Kumamotoは、恵まれたビジュアル、優れた楽曲にそれを支える歌唱力とステージパフォーマンスはすごく鍛え上げられているのに、おそらく変に作りこむよりも素のままの自分たちを見せようとしていたのだろう、他のアイドルと違う、まるで女子小中学生の休み時間のトークのような飾らないMCを当時からやっていた。
その頃と同じように、感情を隠すことなくステージで見せてくれた水無月さんの気持ちが、当時のAyakaさんの姿とフラッシュバックしてぼくはうれしかった。
またこのウエルカムステージの二曲目に、Junior Flavor Kumamoto時代にはよくやっていたのに、熊本Flavorになってから封印されていた懐かしい曲をやってくれたのもエモかった。
20分間のステージでは星川のぞみさんも加わって、「LOVE∞無限大」「OMG~オーマイグッメン~」「コイマチ」とおなじみの曲が続いた。
ここでもこの曲を歌うのは最後とでも言いたげに涙ぐむ水無月あやかさんにぐっときったし、またその雰囲気に飲まれまいと「あんまり話すと泣きそうになるので次の曲に行きます」と進行する日向みさきさんのスキルの高さもお見事だった。
アンコール明けにはソロ曲を歌い、それからセレモニーもあり、最後に、これからの水無月あやかさんの無限の可能性を示すように「LOVE∞無限大」で締められたライブだった。
水無月あやかさんをはじめそれぞれのメンバーが、またファンや運営も惜しむように涙を浮かべていた。
ひとりのアイドルの卒業というのはやっぱり寂しいし、それがグループの最年長のリーダーとなれば影響も大きいものだろう。
これまでも水無月あやかさんは、中学受験、高校受験と休養期間が長かったこともあり、他のメンバーがグループを支えている場面もよく目にしていたが、だからこそ、たまにステージ登場してくれれば、その偉大さを感じさせてくれたものだ。
飾らず、素直な気持ちを見せながらステージをやってくれる、物販でも話してくれる、その魅力がつくづく名残惜しくなる涙だった。
とはいえ、これから水無月あやかさんは大きな夢に向かって走り出した。
その夢が叶えば、またぼくらの前に水無月あやかさんが現れてくれるはずだ。
その日の成功を夢見て、「またね」と言えた卒業ライブだった。




