こんにちは、DJ TAKI-SHITです。すっかり春になってきました。花粉症で毎日ヒーヒー言っていますが...。さて今日は先月の23日についにリリースになった藤井風の2ndアルバム「LOVE ALL SERVE ALL」を独断と偏見にて勝手なレビューを書いてみたいと思います。
結論から言うと、恐ろしく素晴らしい出来具合で、日本国民必聴のアルバムと断言できます。これまでの既発だった「きらり」“青春病"」「旅路」などの良さは今さらここで書く必要もありません。前回の「HELP EVER HURT NEVER」が少し地味でどちらかというと玄人好みで嚙めば嚙むほど味が出てくるスルメのような質感だったと評するならば、今回の「LOVE ALL SERVE ALL」は、カラフルで色彩の鮮やか、ハートウォーミングなポップアルバムといったところでしょうか。
今回もアルバム曲のクオリティの高さに嬉しい悲鳴を上げたくなるほど、どれも素晴らしい。まずは先行配信となった「まつり」 。アレンジ面となりますが、初めて聴いた時にすぐに頭の中でThe Notorious B.I.G. - 「Big Poppa」が流れました。シンセパッドのコード感と90年代前半から中盤に流行ったピロ~というG-FUNK 感のあるリードシンセのフレーズ。きっとインスピレーションを受けているのでしょう。アレンジプロデュースのYaffleさんの 90年代ヒップホップサウンドに対するオマージュ&リスペクトを感ぜずにはいられません。MVも藤井風らしい世界は一つ的なメッセージがありつつ、卒業、進学、新生活などを経験するフレッシャーズに向けた応援ソング的な内容で、人間性の懐の広さを感じます。
藤井 風 - "まつり"
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The Notorious B.I.G. - Big Poppa
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続いて「やば」。本人もラジオで言っていましたが、純粋な正統派 R&Bですね。かつての久保田利伸さんのindigo waltzを彷彿させるようなイントロのエレピとコード感。あるいはちょっと前のCHEMISTRY さんが唄っていそうなしっとりながらも歌唱力をまざまざと見せつけるような唄い方が素晴らしいです。
やば。
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久保田利伸 - Indigo Waltz
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次に耳を引いたのは、「damn」。疾走感のある四つ打ちキックにややディストーション気味のギターサウンドが印象的です。前作収録の「さよならべいべ」の延長上にあるようなアレンジですね。サビのdamn!damn!と連呼するようなフレーズが、シティポップの王様 山下達郎御大の在籍していたシュガーベイブの神曲「downtown」から、恐らくインスピレーションを受けているであろうと思われます。ここでも風氏のセンスの良さがキラリと光っています。イントロのフレーズは94年の大ヒット Weezer -「 Buddy Holly」のサビのメロディーっぽさも感じさせてくれるのはアレンジャーであるYaffleさんの憎い演出。クラブミュージックだけでなく、オールジャンルいける守備範囲の広さを垣間見ることができますね。
damn
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Sugar Babe - Down Town
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Weezer - Buddy Holly
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続いてさらに驚いたのこんなことまでできるのか!と改めて驚かされたのが、「 ロンリーラプソディ」。一聴してすぐに、あー、これは冨田ラボだ。と思いました。音楽マニアの好事家であれば、むむむ、と思わず唸ってしまうような少しセンチメンタルながらもエバーグリーンさを感じさせるコード進行。それでいてクラシック音楽がバックボーンにある美しく甘くまろやかでいて耽美的なメロディーラインにおじさん世代は完全にノックアウトです。間違いなくアルバム曲のハイライトになっているのではないでしょうか。
ロンリーラプソディ
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冨田ラボ - アタタカイ雨 feat.田中拡邦 (MAMALAID RAG)
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続いて「へでもねーよ」LASA Edit 。アルバム用に少しリアレンジを加えたもの。AメロBメロサビとすべてに渡って全編にピアノの7th,9thを入れた白玉コードが入れることでよりジャジーでシリアスな世界観が出ています。シングル版は、あえてコード感を抑えることで、HIP HOP的ワンコードなファンク感、あるいはパワーコードのようなある種のパンクっぽさを出していて、歌詞の雰囲気と合わせた男っぽさ、無骨な印象がでていてカッコ良かったです。ただ個人的には、藤井風らしい予定調和を外した複雑ながらもキチンとツボを得たいつものコード感がバッチリハマっていて、今回のLASA Editの方が断然好きです。
へでもねーよ (LASA edit)
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藤井 風 - "へでもねーよ"
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僕の見解だと、どうしてもサウンド面とアレンジ面での評価寄りになってしまいます。ただ藤井風の魅力は、やはり多くの楽曲の歌詞にみられる、達観したかのような人生観や人間感と、恵まれたルックスと音楽的な才能のモンスターだのにも関わらず、それに対して自身に驕ることや飾る事のない等身大で純朴なその人間性にあると思っています。
アルバムプロモーションで、先日のJ WAVEの朝の情報番組 別所哲也さんの番組「J-WAVE TOKYO MORINIG RADIO」にサプライズゲスト出演した時に、ツィッターのトレンドワードで、一時期 #別所哲也乙女方化 というワードがランキング入りしていましたが、現在46歳という完全おじさんな私 DJ TAKI-SHITも、別所哲也さんの気持ちは非常によくわかります。
また凄いのはアーティストとしてのアティチュードが、デビュー当時から、この先10年先も恐らく変わらないだろうな、と思わせるところでもあると思います。
そんな訳で、今日は藤井風の2枚目のアルバム[LOVE ALL SERVE ALL ] の勝手なレビューをしてみました。知らなかった、食わず嫌い、洋楽しか認めないJ-POP不信なおじさん方、まずは是非聴いてみましょう^^。 ありきたりな言い方ですが、紛れもない本物です。