時代劇 実験室

時代劇 実験室

「時代劇らしい時代劇」且つ「新しい時代劇」を模索・創作するための研究所


光文社版。社会の縮図のよう。

でもなぜ26人なのか?


時代劇を書くとき、時代劇だけを参考にしていたのでは、その劣化版しか書けないから、常に海外文学を読むようにしていると、エッセイに書いたのは池波正太郎氏。


もっともなことと思って、私の座右の銘にしている。聞けば、池波と縁の深い劇団…新国劇の沢田正二郎は、

「時代劇をやるなら現代劇ができなければダメ」と常々言っていたそう。これは、新国劇のお芝居をやっていた団員さんから聞いた話。


時代劇をやるなら時代劇ばかりではだめ。これは直感的に頷けるものがある。

……と、いうタイトルだが、


柳生家が、三代かけて天下に仕掛けた謀略……みたいな話では全然なくて、「実録・柳生三代」みたいなタイトルのほうが、しっくりくる内容。


駅の売店とかで売られている、書き下ろし・量書いてなんぼ系の軽さで、


同じ単語を何度も使ったり、似たような立ち合いの連続だったりで、作者の語彙力を疑う一作。「暗闘」みたいな側面は一切なく、


構成は初代石舟斎が、上泉伊勢守から新陰流を学ぶくだりが異様にながく、


子の宗矩、孫・十兵衛の活躍がほとんど書かれていない。さっぱり系、柳生の歴史!ふつうに、宗矩の『兵法家伝書』くらいは読んでいるので、作者の理解の浅さしか伝わって来なかった。かなり残念な作品。




読み直したけれど、やはり使えない、ポンコツ文章だった。