『柳生三代の鬼謀』【小説】 | 時代劇 実験室

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……と、いうタイトルだが、


柳生家が、三代かけて天下に仕掛けた謀略……みたいな話では全然なくて、「実録・柳生三代」みたいなタイトルのほうが、しっくりくる内容。


駅の売店とかで売られている、書き下ろし・量書いてなんぼ系の軽さで、


同じ単語を何度も使ったり、似たような立ち合いの連続だったりで、作者の語彙力を疑う一作。「暗闘」みたいな側面は一切なく、


構成は初代石舟斎が、上泉伊勢守から新陰流を学ぶくだりが異様にながく、


子の宗矩、孫・十兵衛の活躍がほとんど書かれていない。さっぱり系、柳生の歴史!ふつうに、宗矩の『兵法家伝書』くらいは読んでいるので、作者の理解の浅さしか伝わって来なかった。かなり残念な作品。