地理的要因がもたらしたギリシャ社会と中国社会 | イタリアデザインの深読み 竹下彬史

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イタリアデザインを中心に、イタリアの文化、歴史に触れていきます。
そこから見える今日の日本のデザイン、デザインにおける日本とイタリアの関係も解説していきます。

前回、「ギリシャ人と中国人」で、大きく古代ギリシャ社会と古代中国の社会の違いを見てきました。

環境は人々の性格を特徴づける大きな要因のうちの一つです。
特に自然環境が人間に与える影響は大きく、必ずその土地にあった「合理性」というものがあります。建築に良く見て取れるのですが、当然の事ながら豪雪地帯と亜熱帯地帯では必要とされる建築は異なります。

では地理的な違いからも、古代ギリシャと中国の違いを見ていきます。

当時、ギリシャは世界の貿易の中心に位置していた事もあり、常に民族、宗教観、政治形態、異なった人々と遭遇していました。いわば、異民族が入り乱れるカオスの様な場所だったと言えるでしょう。
そのため、絶えずそこは矛盾が渦巻いたと考えられます。そこで当時のギリシャ人は矛盾を処理する必要に迫られていたと考えていいと思います。ある人物が「事実はAである」と言い、別の人物が「事実はAではなくBだ」という状況に直面していたとあります。このような環境下では、論理的な説得方法が発達したのは必然であったと言われています。

一方中国では、一方で中国は95%が漢民族に属しているため、ギリシャのような自分と大きく異なる思想や習慣を持った人と出会うのは稀でした。つまり、村の生活において誰もが顔見知りであったため、必然的に調和を保つ事を重視するようになって行ったそうです。仲間どうしての不一致もどちらが正しいか論理的に説得するのではなく、お互いが納得出来る中間、妥協点を探る事に力が注がれました。
日本もまた、ギリシャ世界とは異なり同じ民族の集まりであり、更に離島という地理的要因は、中国よりも更に異なった文化が混じり合うことが稀な環境であると言えます。

また、農耕を営む地域の人々は、お互いに協力し合う事が必要になり、例えば中国や日本でよく見られる稲作において、昔は互いに協力して土地を耕す必要があったため、調和というのはとりわけ重要になってくるのです。

一方ギリシャの様な山岳地帯では、狩猟、牧畜、貿易に適しており、これらは他社との協力をあまり必要としない仕事に分けられます。これは、貿易業を除いて、経済活動を他者と同じ共同体に定住しなくても行う事が出来るものです。
彼らには、なんとしても仲間との和を維持しなければならないという気持ちは無く、市場で意見を戦わせたり政治集会で討論をしたりと言った事を日常的に行っていました。


簡単に説明しましたが、以上が古代の西洋と東洋の大きな違いを理解しってもらった所で次はもう一度言語の特性を見ていきます。



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