最後のテレビ諭で鈴木おさむさんがかつて人気があったバラエティ番組「マネーの虎」について書かれてます。
この作品は日本テレビの栗原甚さんと放送作家の堀江利幸さんが考えられたそうです。
この番組は虎と呼ばれる、いろんな世界でお金を稼いでお金持ちになった人たちがこれから起業しようとする人たちのプレゼンを聞いて、お金を出すかどうか決めるという番組。
当時はテレビ業界に無かった投資バラエティ。
今もあるのなか?
鈴木さんは栗原さんに誘われて構成に入った時、企画書を見て「なんだこれ?」って思いながら、わくわくしたそうです。
今まで見たこと無い企画だったからでしょう。
土屋敏男さんは電波少年をヒットさせたプロデューサー。後に編成部長に出世されます。
土屋さんが部長だった頃に企画を募集します。集まったのが700本。その中から「マネーの虎」は企画が通ります。
堀江さんは大金をテレビであげている画が見たいとこの企画を考えました。
当時はクイズの賞金は200万円までというルールがあたそうです。その前は100万円だったかな。
M1で賞金1000万円ってのが出てくるまではそれが普通でした。
ともかく、テレビ局からお金を出すとなると200万円くらいが限界だけど、お金持ちを集めてきてその人たちに出させるならもっと大金が見られるだろう。そう思ったのがマネーの虎の始まりのようです。
土屋さんは企画を出した栗原さんと面接します。その時に正直、企画書を読んでも想像がつかない。だから面白い。
と言われたそうです。
他の人たちはそもそもが投資してくれる人がみつからないでしょうと言われたそうで、土屋さんは1か月半で投資する人をみつけてこられたら番組を始めよう。見つからなかったら、無しにすると言われたそうです。
そこで栗原さんは翌日から超有名企業に電話しまくります。企画書を送って投資を呼びかけますが、断られます。
大きな企業はいちいち会議を開いて投資するか決めるから、スピードが遅い。
番組の中で即、何百万の投資を決めるなんてありえないですわね。
その後、中小企業にも頼みますが全て断られます。
300社以上断られたそうです。
その当時は若者の企業に投資するってのが一般的じゃなかったんですね。
どんどん期限の1か月半が近づきますが、栗原さんは諦めない。
大企業、中小企業にあたってもその企画書が社長の目に届く前に断られてしまうから、社長一人で決断できる会社に当たろうと考えます。
過去に失敗した経験があって、自分も誰かに投資されたり、人のお金で助けられた経験がある社長なら、話を聞いてくれるんじゃないかと考えたそうです。
そんな人をどうやって探すのか?
とりあえず、栗原さんはビジネス書を読みまくって、そう言う社長を探します。
そんな中で見つけたのがリサイクルショップチェーンの株式会社生活創庫の創業者、堀之内九一郎さん。
この方は全てを失ってホームレスになったけど、その中で捨てられた家電を修理して仲間に売ってお金を稼いだ。
それをきっかけにゴミが金になると気が付いてリサイクルショップを開店して成功させます。
栗原さんはこの堀之内さんに企画書を送ると、堀之内さんが会ってくれることになります。
栗原さんが堀之内さんに企画を説明したところ出演を快諾してくれます。
堀之内さんはマネーの虎で、お金出してるの見たこと無いなぁ。もしかしたら、栗原さん以上のプレゼンをした出演者がいなかったのかもしれないが。
この後、髙橋がなりさん、加藤和也さんと次々と企画を面白がってくれる人が集まって、番組をスタートすることができました。
マネーの虎って、お金が欲しいって言ってくるプレゼンターより、お金を出すかどうか決める虎の方が存在感あったもんなぁ。
なんでんかんでんの社長とか。
鈴木さんは実は面白いことを考える人はたくさんいるんだけど、それをやっていいよって、判子を押す人が大事なんだと言われてます。それを却下する人が多いってことだろうな。それが鈴木さんのいう、ソフト老害ってやつなのかもしれないが。