厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/キッチンは舞台である-2
オープンキッチンを企画する上でのポイントを把握する
オープンキッチンを企画する上で大切になることは、特に空調換気のバランスが業種・業態やターゲットとする客層に必ずしも合うとはいえないという問題もあること
しかしほとんどの場合には、少なくとも調理演出などに興味や刺激、あるいは楽しさを引き出す源になることは確かであろう。むしろマンネリ化した飲食店の店づくりの活性化の起爆剤になるだろう。
見せる、演出するキッチンづくりは、いわばキッチンを舞台化することあるいは劇場としての舞台の位置づけをすることが必要になることだ。ただ単にキッチンをオープン(開放)しオープンにすればそれでよいというものではないことを理解しておかなければならない。
そこには、調理を演じるための舞台装置や装飾が施されていなければ、そこで演じる調理人はよい演技ができない。
これまでのように厨房は料理を調理するための調理設備あるいは生産材であるという考えでは、客を楽しませるオープンキッチンのアイデアの創出には繋げることはできない。
そこには厳しい客の視線に耐えられるキッチン空間が必要であるだろうし、キッチンの細部の至るまで種々のアイデアを盛り込んだ綿密な打ち合わせが必要になることだろう。
またキッチン空間は舞台である以上、塵ひとつ落ちていない状態を維持することが重要になるだろうし、料理人の調理工程や動作、包丁技術、皿に盛り付ける料理人の手、指先に至るまで客の視線を意識した見せ方の検討をしておくことが大切なことだ。
特に舞台を演出する要素としては、そこでの料理人の動きや調理工程だけではなく、その料理への期待を誘発する食材の陳列やディスプレイが大きな演出効果を発揮することになるだろう。
舞台装置の計画に際しては、業種・業態の特性に合わせて、どの位置で客の視線を受けるのか、また何をどのように見せるのかなど全体的のキッチンの配置計画にあわせたデモストレーションの位置や演出内容を検討しておくことが大切なポイントになるはずだ。
「オープンキッチンは飲食店の舞台である」