厨房設計の専門家としての知識力を上げる-2 | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計の専門家としての知識力を上げる-2

厨房設計/飲食店のテーブルサービスの基礎知識と理論を理解する

ではファミリーレストランを事例に挙げてそれぞれのスタッフの役割を説明していくことにしよう。
ファミリーレストランといってもサービスの仕組みやオペレーションは一般のレストランと大きく変わるものではなく、現場で行われるスタッフの役割や仕事の内容も、ほぼ同等と理解してさしつかえないだろう。何故に厨房設計をするに際してスタッフの役割やオペレーションを理解しその内容を習得しなければならないかは、生きた厨房設計を進めるための基本であるからに他ならない。

まずフロアースタッフの役割とオペレーションを説明していこう(全体平面図のポジショニングと合わせて確認していこう。


■キャッシャースタンド/ゲストを迎合、客席に案内することや会計見送りの役割をすること
一般的にレストランの場合はキャッシャーの役割は(ゲストを客席に案内するあるいは会計を担当する専門のスタッフを配置する場合があるが、繁忙時以外は客を席まで案内し、メニューブックをゲストに差し出すまで案内役をするスタッフの役割とされているが)、時間帯によってはキャッシャーやウエイトレスの作業を兼務するなど、店の繁忙状況に合わせてキャッシャーの役割が変化してくることもしばしばであることだ。
またキャッシャーはグリーター(ゲストを客席に案内する人)を兼ねることも多く、本来の役割とその他オペレーションの関係性がある業務内容を兼ねることが一般化しつつあることを理解しておくことだろう。

つまりキャッシャーの役割とは、店にゲストを受け入れる迎合のスタード時点であり、それを機にレストランでゲストが居心地の良いひとときを過ごす (ストーリーの始まりである)サービスを提供する重要な位置づけを担っている。



■ウエイトレス(サービスステーション)
ウエイトレスの役割は、客席に案内されたゲストに対してサービスを継続するかたちで水やオシボリ、料理の注文を受けその注文を伝票やオーダーエントリーのシステムを利用し厨房に伝えることが主軸になる。

勿論、料理をゲストのテーブルまで遅延なく届けることは当然のことであろうし、またウエイトレスの役割は、その他の客が店を退店するまでの種々なサービスを継続することの役割も担っており、パントリー・サービスステーションでのオペレーションの位置づけになるものの、店のアイドル時にはグリーターやキャッシャーなど複数の業務内容を兼務することもあることを理解しておくことであろう。


■バスボーイ/ウエイ

トレスがサービスステーションに下膳した食器類を洗浄エリアへ移動させる仕事
(繁忙時のフロアーオペレーションを円滑にする役割)
一般的なレストランでは、レストランのオペレーションルールによって、食器類の下膳はウエイトレスが行う場合とその役割を洗浄エリアのスタッフが兼務するかのいずれかのオペレーションをとることが多く、ましてや客席数が200席を越える場合には、サービスの効率性をあげるために作業内容を分ける場合も少なくなく、スムーズなサービスの実践のためには必要不可欠な役割のひとつであろう。
またバスボーイを配置する場合には、客席のサービスステーションから洗浄エリアへのバスボックスやカートの下膳と洗浄作業を兼ねることが多いものの、一般的には客席数が多くなればなるほど作業内容はサービスと分離されることが常であることを理解しておくことである。
さらに具体的にバスボーイの作業内容を理解すると約80席から100席に対してサービスステーションを客席内に配置することが理想的であろうし、バスボックスの数やバスカートの大きさなど平面計画やサービスステーション内容を配慮した計画をすべきであろう。
つまりレストランにおける客席内のサービスと厨房との関係を分析すると、ゲストからウエイトレスが注文を厨房側に伝える行為(オーダーエントリー)によって厨房側では料理の調理が開始される合図であり、客席内が混雑すればするほど、厨房内もあわただしくなることを理解しておかなければならない。
またウエイトレスが常に位置するサービスパントリーの機能もサービスを円滑化するための大きな役割を担っているところであり、スピーディーなサービスを行うための起点でもあることを忘れてはならない。
一般的にドリンクバーを配置しない場合には(最近はセルフサービスのドリンクバーのコーナー設置が多いものの、本来のテーブルサービスの基本ではない)、すべてのドリンク類のサービスはウエイトレス自が行うことが一般的であり、ドリンク類に必要不可欠な氷などのストックやドリンク類そのものの補充判断など厨房側との関係を配慮し、アイスメーカーの配置や補充用のドリンク類のストック、保冷など全てのサービス内容を理解し、厨房計画との関係性を配慮しておくことが、理想的な厨房計画を進めるための一歩であることを忘れてはならない。