厨房設計/厨房機器の選定方法と厨房計画の基本/厨房機器カタログを読み込む力を養う
厨房設計する際に大切なことは、そこで提供される料理内容と調理機器が適合しているか否かということだ。
飲食店を企画する際には、往々にして商品計画と厨房計画が相互リンクせずに同時並行に進められることも多く、厨房計画が完成する段階で厨房設計を見直さなければならないということもしばしばである。
一般的を企画開業しようとするクライアント側がそこで提供する商品計画を検討することが常であるため、厨房機器や用途としてどのような調理機能が必要であるのかということはクライアント側から厨房会社に相談があることが多く、料理をどのように調理したいとかあるいはどのような調理機器を使用したいなど厨房機器の選定はクライアントが決定することが常であることだろう。
しかし厨房機器そのものの種類や機能の知識が欠如している場合には、厨房会社に相談するあるいはカタログをかたっぱしから知識として読み込む、厨房会社のショールームを訪問するなど、厨房会社に任せっきりにせずに自分自らが知識を習得することが大切である。
厨房機器を選定する場合の基本(表2・24 )は、どのように料理するのかという具体的な調理工程を分解すれば理解しやすいことであり、厨房機器と調理用途を理解し料理に合わせた厨房機器を選定することが理想的であろう。また調理機器を配置する場合の基本は、調理工程に合わせて効率的且つ動きやすい厨房機器配置を想定し計画に臨むことが理想的であろう。
厨房機器の配置方法の基本は、ただ単に厨房機器を配置すればよいというものではなく、その店で主軸になる調理機器を中心に周辺機器を集めることが効率的になるポイントである。
特にオーナー自らが店に入りアルバイトやスタッフを雇用するスタイルを計画するのであれば、厨房機器の配置は基本に準じることが作業効率や機能を配慮すれば理想的であるものの、店で働くスタッフの数や動きやすさを優先し厨房機器を配置する計画も一つの手法である。
いかなる業種・業態にしても繁忙時にいかに料理を早くスピーディーに提供できるかに赴きおき計画に臨むことが大切であることを理解しておかなければならない。
厨房機器の配置の基本には、例えば、ガスレンジの隣にはそこで使用することが多いフライパンを洗うためのフライパンシンク(パンシンク)が横に配置されることが基本であるように、すべての機器配置には調理工程を具体的に具現化した動きをベースに機器配置計画が進められることが常である。
最終のディッシュアップ(料理を提供するところ)には、料理の最終チェックとガル二を盛り付けるためのコールドテーブルを配置するなどそこで提供する料理内容や提供方法の仕組みに沿って機器配置計画を行うことが理想的であることを忘れてはならない。
表・24
1調理機器と料理内容の関係
2厨房機器・カタログ内容を理解する・知識習得
3厨房機器と機能を理解する力を養う
4厨房機器の選定方法
5厨房機器配置の基本