1-厨房設計/厨房と客席平面計画の並行設計の進め方/完成度の違いを理解する こと | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

1-厨房設計/厨房と客席平面計画の 並行設計の進め方/完成度の違いを理解する こと




厨房設計こそゾーニング計画の起点である

これまでの飲食店の「設計業務の進め方」は、クライアント側との打ち合わせや店作りのデザインに視点が集まることが多く、具体的なキッチン内容や料理の提供方法など業種・業態の理解を設計側が十分に理解せぬままに、図面計画がクライアントと設計側のみで進められてしまうことが多いことだ(厨房の存在は軽んじられてしまうこと)


これもクライアントが実際に店に入店する立場のオーナークライアントであればまだしも、あくまでクライアントはその飲食店に投資するだけであり、現場で働く人は雇用し、店運営は従業員に任せてしまうという場合には、一人歩きした図面には、そこで働く人の意見や要望が入らないままに、店作りの計画が行われてしまうというケースが実に多いことだ。
またそこで働く従業員を打ち合わせに参加させて、客席やキッチン側との関係や料理内容との具体的内容が図面に反映されていれば、後々大きな問題にはならないが、現場の人の意見が反映されぬままに、店作りが完成してしまうと、現場でのトラブルが現実的な問題となることが多い。





キッチンの存在意義を理解する
特に飲食店の店作りに経験が浅い設計デザイナーの場合には、クライアント側との客席や内装デザインのみの打ち合わせを蜜にするものの、キッチン側の内容については、付き合いがある厨房業者に図面を描かせてクライアント側へ提案するといった手法がほとんどであり、キッチン内容やそこで提供される料理内容に至るまで業種・業態としての情報も不満足のままに計画に臨んでいることに大きな問題があることだ。
よく設計デザイナーは飲食店の店作りの役割を担う立場としては、経験が少ないデザイナーは片寄った情報しか持っていないなど、設計者として飲食店の業種・業態の勉強をもっとすべきであろう。知識として知らないことは常に勉強し、自分の経験の積み重の集積や広い知識を持つための自己研鑽を常にしなければならない。




ましてや昨今の飲食業界の経営悪化や不振を配慮した場合には、何度もいうように設計デザイナーとしての役割はただ単に内装デザインをすればよいというものではないことを理解しておかなければならない。ある種設計デザイナーは、飲食店の店づくりにおいては、トータルコーディネーターあるいはコンサルタントに匹敵する知識や情報を持っていなければ、時代に適合した飲食店のよりよい企画計画ができない時代になっていることだ。
設計経験が浅いデザインナーとしては、設計企画という実務的な技術的レベルを上げることは当然のこととして、飲食店にかかわることが多いデザイナーとしては、飲食店そのものの経営的成立要素などに至るまで十分な内容を理解するように努力をすることをお勧めする。

あくまでこれまでの設計業務の進め方は飲食店の店づくりに携わる場合には、内装デザイのみの知識では片寄った店作りの提案しかできないと理解しておいたほうがよいだろう。

ましてやキッチン内部の機器配置や調理機器選定に至るまで現場で働く人の意見を聞かずして、キッチン計画が完成されてしまうと、当然のことに、これでは機器配置が悪く、機器能力など料理そのものを繁忙時にうまく提供することができないという問題や不満が(風船に空気を入れるだけ入れてしまうと)、「パンと割れてしまうように!」つもり積もった思いや不満が噴出してしまい、その現場での意見調整がうまくいかないことや最悪の場合には現場の工事の改修を余儀なくされることもしばしばであることを理解しておかなければならない。つまり飲食店の計画のスタートは、メニューに適合した厨房計画が起点であることを忘れてはならない。