厨房設計/おでん居酒屋/スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/おでん居酒屋/スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント




パース図-1

内装イメージを創出するポイントは、いかに企画コンセプトをデザインとして表現できるかにあるだろう。この店の場合には、業態そのものが片肘をはらない和というイメージのおでん居酒屋を具体化することであり、あえてキッチンを解放し且つ調理をライブ感あるあるいは粋という料理人の技術を料理への期待を高める企画構成にしていることだ。

排気フードに板に墨字で書いたメニューを配置していることも、あえて店としての雰囲気ににぎわいを生み出す企画であり、全体のイメージとしては、木調且つ落ち着いたデザイン企画にしている。

またオープンキッチンの主軸メニューになるおでんウォーマーの位置を入口に向けて配置することによって、常に料理人が立つ位置から客の動向や動きが見渡せるように計画することが大切であろう。




パース図-2

おでんウォーマーの施設計画の詳細イメージである。おでんウォーマーの機器としては、規格品あるいはその店の合わせたウォーマーを製造することもあるが、このみらの場合には、おでん具材数やカウンターの高さに合わせてコールドテーブルの上に配置できるようにしたものである。

おでんの場合には低温度で手を加えることで味に深みが出てくるものであり、常に具材の状態や位置を移動させるなどを素材への世話をすることが大切になることだ。

下部には、コールドテーブルを配置し、事前に仕込んで置いた具材を保冷しておくようにしておくとともに、注文におじて具材をカットしたりする場所としては、ウォーマーの手前に専用まな板を配置しておき、ウォーマー周辺の台に盛り付けるための器を配置できるスペースを計画確保していることだ。

カウンター客へのおでんのサービスは、キッチン側からサービスする方式と一度ディッシュアップしダイニング側から客へサービスする方法など繁忙時間帯や人員配置によっていずれかの対応もできるように配置していることだ。

その他の魚料理などの料理も全てディッシュアップコーナーから客席側へ提供する仕組みにしておくことが理想的であろう。



パース図-3

クッキングラインの施設計画の詳細イメージである。クッキングラインの配置は、その店で提供される主軸料理に合わせて機器選定や配置計画に臨むことが大切であろう。

この店の場合には、おでんの主軸料理と新鮮な魚の二つの料理を店の料理の武器として集客するコンセプトであり、魚類には煮魚、揚げものなどその他のメニューを製造するための機器配置をしておくことが大切であることだ。

ガスレンジ、フライヤーなどの機器の横あるいは背後には、調理する前段階の素材を置いておくスペースなど作業台が必須であり、スペースに制限がある以外は脇台を配置計画することが基本であることを理解しておくことだろう。

また調理機器周辺のスペースとしては、什器を収納するスペースや調理後の料理を盛り付けるための器などの配置スペースも合わせて計画しておくことがポイントであろう。

配置スペース計画としては、機器上にオーバーシェルフあるいは下部に配置するあるいは脇台の下にスペースを配置するなど用途に合わせて事前に計画しておくことが大切であることを忘れてはならない。




パース図-4

洗浄エリアの施設計画の詳細イメージである。

洗浄エリアは、飲食店のキッチン計画では、客席環境に洗浄音や不快感を抱かせる位置に計画することは御法度とされているものの、業種・業態あるいはスペース制限などによって全て完ぺきに理想的配置計画になっていないことが現実であろう。

少なくとも客席に隣接する位置に計画することは避けるべきであろうし、社員の効率性を優先するよりも客側の環境を優先しなければならないことを理解しておくことだ。

この店の場合には、キッチンの奥に洗浄エリアを配置し、客席スペースに一度下膳するスペースを配置、バスボックスがいっぱいになったらキッチンの洗浄エリアへ運ぶという仕組みをとっている。

基本的には、キッチンスペースにサービス側のスタッフが出入りすることは理想的ではないだろうし、キッチン作業に支障を及ぼすことがない場合には、直接洗浄エリアまで食器類を下膳する計画を進めることもあることを理解しておくことだろう。

直接洗浄エリアへ下膳する場合に関わらず、洗浄エリアには、下膳スペース(ソイルドテーブル)や食器類を一時的に下げて置くラックシェルフを配置することが多く、洗浄機の能力や仕組み、カタチも様々であるため下膳される頻度や器類の一度に下膳される量に合わせて洗浄機の能力を選定することがポイントであろう。

つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならない。