7厨房設計/すし店のスケッチから学ぶキッチン計画のポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

7厨房設計/すし店のスケッチから学ぶキッチン計画のポイント


エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏/飲食店の厨房設計講座

1パース図-1

すし店というイメージを想像して特別に変わった企画でない限り、大きく相違が生まれることはほとんどないだろう。

一般的にすし店の内装デザインとしては、白木、木基調で統一されている店が多く、基本的には木の無垢材、基調デザインが基本になることだ。

すし店のデザインイメージは、カウンターの素材に無垢材を使用するあるいはネタケースを規格品、あるいは特注形状のショーケースを使用するなどとカウンターに対面した壁の素材、色で全体のデザインイメージが想定されることになるだろう。

この店の場合には、すしカウンターは木の無垢材、ネタが客側からよく見えるショーケース(特注形状ケース)、カウンター正面の壁の素材は茶系のボーダータイル、上部は木調キャビネットを配置し、すしカウンターの全体イメージ構成をしていることだ。

すし店のデモストレーションのポイントは、ネタケースに並んだ魚類の素材の鮮度や内容が全て見えることであり、すし店の鮮度の良し悪しは、ネタケースの陳列や鮮度を見ればわかるというものが店としての個性を訴求するものになるだろう。



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2すし店の平面図解説

ゾーニング計画のポイント

このすし店のゾーニング計画は、入口から向かって右側にすしカウンターとキッチン、バックヤードをカギの字のように直角に左にスペースを配置し、左側に客席全体を配置した構成である。

入口すぐ左側には個室小上がり席を配置しその奥に事務所スペースを確保していることだ。キャッシャースタンドの配置は、入口に配置するあるいはバックキッチン内の一部にレジカウンターを配置する場合もあるが、一般的には、入口周辺にキャッシャースタンドを配置することが理想的であろう。

すしカウンターは基本的には(オープンキッチンではあるが)、サービスする上ではキッチンを解放しなければ、サービスが成立しないため場合にはオープン化したキッチンというべきであろう。

すし店もすし以外のメニューの種類によって調理機器は異なってくるように、すし、握り、以外の焼き魚、アナゴの焼き物、蒸しものなど基本的にはバックキッチンで調理を行うように調理機器を配置することが常であろう。



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3パース図-2

すしカウンター施設計画の詳細イメージである。冷蔵ネタケースはカウンターに座った客の視線によく見えるようにしいる。

またネタケースの向きを客側向けて配置し、キッチン側からもネスをとりやすくするために、引き違いのガラスケースにし、さくにしたネタを注文に応じてとり出すように演出を兼ねたネタ形状のショーケースにしたものである。

基本的にさくにした魚を包丁でひく場合のまな板の高さは、一般的に規格品のネタケースの場合には、ネタケースの下棚と同一レベルの高さ寸法になるように、まな板に下駄を敷いて高さ調整をする場合があることを理解しておこう。

この店の場合には、作業台の高さを900ミリとしてその上に下駄を敷いたまな板を配置し、魚の柵(さく)の塊を包丁でひきやすいように作業台の高さ調整できるように計画していることだ。

作業台の下にはコールド冷蔵庫を配置し、すし、ネタの予備あるいは食材類を保冷しておくことであり、その他シンクは要所、要所に配置することが一般的であろう。

また魚を一本で購入してくる場合には、魚を解体するための舟型シンクをパックキッチンに配置しておくことやすしカウンター内に配置する場合があることを忘れてはならない。



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4パース図-3

このバックヤードの熱源ラインの施設計画の詳細イメージある。この店の場合には、焼き物、椀(味噌汁)、蒸しものなどバックキッチンで調理することが多く、注文におうじて焼き場、椀メニューなどを担当する職人が、親方の指示によって調理の準備提供することが一般的であろう。

ガスレンジ、焼き物機を配置し下部にはコールド冷蔵庫を配置し、仕込んでおいた魚類を最後に調理前の仕上げをして焼きものを調理できるように機器配置しておくことだ。

茶碗蒸し、椀類、焼き物などの器類は、調理機器の周辺に配置しておくことが常であり、

作業台の空きスペースは用途に合わせて活用することが理想的であろう。

また熱源の上には、鍋や什器備品を配置しておけるようにオーバーシェルフの棚を配置しておくことが使い勝手がよく、キッチンでどのような作業や工程が行われるかなど具体的な内容を理解し計画に臨むことが大切である。

つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならな