厨房設計/パントリーの役割と必要機器の知識
飲食店を計画する際には、特殊な業態を除いて料理を提供するディシュアップと客席に料理提供の準備のためのパントリーの位置付けは重要なポイントになる。しかしファーストフードのように注文した料理が全て一度にサービスされるというサービススタイルの場合はパントリーの必要性がなく、一般的なテーブルサービススタイルの場合は厨房と客席を繋ぐ役割をする機能としては、パントリーの存在が不可欠になることだ。
またパントリーで働くスタッフの役割は料理を提供するだけになとどまらず、アイドル時にはレジを兼ねるなどサービスの役割範囲がことのほか、広いことを理解しておかなければならない。
さらにパントリーの仕事は客席に客を案内したり、注文や料理提供、ドリンクなど常に客席とバントリーを行き来する頻度が高く、パントリーの大きさやスペースのいかんに関わらず、円滑に店を運営するためのポイントでもあることだ。
その役割を担うバントリーの厨房設備としては、どのような機器が必要になるかを具体的に検討すると、その店で行われるサービスのほとんどがこのパントリーを起点として始まることである。
水をサービスするための周辺機器、サービスシンク、アイスメーカー、ドリンク類のディスペンサー類、おしぼり保温庫、シルバー類を保管しておく場所などパントリー内で行われる仕事がスムーズにできるように種々な要素をまとめておくことが大切になることだ。
よく飲食店を計画する際にパントリースペースが欠落している店があるが、後であわててその機能を追加している店はことのほか、多い。つまり飲食店の計画段階でパントリーのスペースや配置が計画されていなければ、設計者、クラアントがその図面の欠如を指摘し正しい計画にしなければならないことを忘れてはならない。
いわば飲食店にとってパントリー機能とは、必要不可欠な機能であるとともに業種業態にあわせてスペースや配置の検討をすることが大切になることを十分に理解し計画に臨むことを理解しておくことだろう。
「テーブルサービスの飲食店の場合には、いかなる業種・業態であろうともパントリー機能は必要であることを理解しておくことが大切である。