厨房設計/バックヤードと事務所スベース計画のポイント
飲食店を企画する際にスペースや機能そのものを縮小、排除、削除されてしまうものとして厨房、事務所やバックヤードのドライストレージは全体の計画からいつの間にか消されてしまうことがしばしばあることだ。
しかし平面計画の上では、その機能を消し去ることができたとしても実際の運営になれば、事務所、更衣室やバックヤードは必ず必要になることが必須になることを理解しておかなければならない。
しかし現実には、飲食店の大きさの如何に関わらず客席を多く確保するために、バックヤードや事務所、更衣室を計画上、無視してしまうことは本来やってはならないことであり、後々飲食店の完成後に施設改修し機能を確保することがしばしばであることを忘れてはならない。
勿論、理想的には事務所と更衣室が分離していることが、セキュリティの問題を配慮すればよいことになる。またそこで働くスタッフの労働環境を配慮すれば、休憩をとるためのスペースや椅子は最低限の機能であろうし、闇雲に料理を作るための厨房と客席があれば、飲食店は成り立つという店舗計画は間違っていることを自覚しなければならない。
アルバイトやスタッフのそこでの過ごし方を想定すれば、ユニフォームに着替えることや食事を伴う休憩など、ときにはスタッフトレーニングの場所として事務所などが活用されることを配慮すれば、企画段階でその機能を削除してしまうことはあってはならないことだと理解しておくことだ。
特に立地のよさによっては賃借料が高くスベースを経営視点で有効に活用したいという思いは分からないでもないが、必要な機能をはしよって計画をしてしまうことは片寄った飲食店の計画であることを自覚しておかなければならない。
その店に訪れる客に対して「心地よい接客
を提供するためには、そこで働くスタッフの環境も配慮しなければ、満足感を与える接客はできないことを忘れてはならない。