26―イタリアンデリ&レストラン企画/厨房設計 | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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26イタリアンデリ&レストラン企画/厨房設計

イタリアンデリ&レストランという業態は、イタリアンレストランに併設したスタイルでイタリアンデリをテイクアウト販売する複合店である。デリ惣菜を広くスペースを確保するあるいはデリ冷蔵ケース1台を配置するなど店の規模やスタイルによって種々の複合のカタチがあることだ。

よくデパートの地下食品売り場でイタリアンデリ惣菜を販売する単独店があるように、一般的なイタリアンレストランとデリ惣菜店が合体したイメージを想定することが理解しやすいだろう。

本場イタリアの場合には、デリ惣菜店の老舗やデリショップが多く、むしろデリショップに付帯したレストランの複合が多く、レストランではデリ類を前菜としては提供するタイルが一般的だ。

客層としてはデリ惣菜を買い求める客とレストランを利用する客層が必ずしも、動機が一緒であることはないものの、ほとんどの場合には、主客層としては女性客が主軸になることが理想的であろう。

年齢層も20歳前半から50歳後半までの幅広い女性客を集客できる業態であるだろうし、勿論男性客やアベック、ファミリー客など利用動機に合わせて多種多様な使い方ができることが魅力の一つであることだ。

立地としては、惣菜販売スペースを広く計画する場合には、デリ販売とレストラン営業を単独店として事業計画を検討することが妥当であることを配慮すると、デリ惣菜を買い求める、OL、主婦層とレストランを利用する客のニーズの二つのライフスタイルを満たす立地であることが基本になるだろう。

デパートの食品売り場に隣接した場所や駅周辺に隣接した場所などターゲットとする客層が多く利用する施設や立地を選定することがビジネスとしての成立を左右することになるだろう。

客単価としてはデリ惣菜店の場合には、約800円、レストランの場合には、ランチ1000円、1500円の設定、ディナーで約2800円から3500円の設定で食事を楽しめることが幅広い客層を集客できるポイントになることだ。

複合店のビジネスとして難しいことは、二つの業態が単独で採算が合うように企画することであろうし、料理の美味しさや素材のこだわり、健康志向、ヘルシー、個食化などの生活者のライフスタイルに適合した要素を豊富に持っていることを武器として店としての認知を上げることが理想的であろう。

勿論レストランの前菜類は、デリ惣菜を転用することが全体のオペレーションや効率的経営の基本であることを忘れてはならない。

平面計画/ゾーニング計画のポイント

この店のゾーニング計画としては、入口に向かって右側のデリ販売コーナースペース、奥側にトイレ、左側にレストランスペースを配置しそれぞれの背後にメインキッチン、バックヤード、事務所スタッフルームなどを配置する計画にしていることだ。

各デリコーナーとレストランの利用方法としては、デリ惣菜のみを買いに来る客とレストランを利用する客が繁忙時に煩雑にならないようにするために、入口で二つのゾーンに通路やスペースを分けていることが理想的であろう。

レストランを利用する客は、帰る際にはデリ惣菜を購買する動機も配慮し、コーナーを完全に区画しないようにしておくことが複合店としての配置計画の基本であろう。


エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏/飲食店の厨房設計講座