進化し続ける厨房機器の方向性/クライアントニーズを読め
厨房機器を開発するのは、厨房会社や機器メーカーであることは周知のことだろう。但し厨房機器を使用する人は飲食店の職人やアルバイト、パートなどであることを忘れてはならない。
厨房機器の個々のガスレジ、フライヤー、オーブン、スチームコンベンションなどは年々改良改善を重ねエンドユーザーにとっても便利な調理機器に進化してきている。
しかし時代の変遷とともに、飲食店のビジネスの在り方や経営思想などいかに効率性や機能性など人件費の軽減をするために、調理作業を厨房機器に依存するという新しい経営方法に変化してきていることだ。
いかに素晴らしい厨房機器を開発しても現実に使用する人や経営者にとって大きなメリットがなければ厨房機器を採用しないということも事実であり、これからの時代の飲食店経営のニーズに適合していなければ、ただ単に機械屋の自己満足にしか過ぎない。
今後の飲食店経営の在り方はいかに人件費や作業効率を高めるかに視点が絞られていることだ。特に繁忙時とアイドル時の落差があろうとも、いかに少ない人数で効率的なオペレーションを実践したいということが本音のところだろう。
実に都合のいい話しだと笑う人もいるだろうが、そのニーズが経営側の思いであることを理解しなければならない。
つまり機器開発のニーズや方向性はいかなる思想によって開発の起点になっているかなど飲食店を展開する企業の懐に入らなければ方向性は見えてこないことだ。
そんな夢のような厨房機器開発ができるかと厨房会社は思うかもしれない。しかし求められているニーズやアイデアを現実化することが厨房会社や機器メーカーの役割であり、飲食ビジネスの脇役としての使命を達成できることになる。
勿論、厨房機器開発にはスタッフや経費が発生するものであり、いかなる企業のニーズを受けていたら採算は合わないだろう。しかし厨房業務が受注産業である以上、クライアントニーズに適合しなければ仕事も生み出すこともできない。
今後機器開発はかならずや飲食企業に求められるニーズであり、どこにその起点があるか否かの判断をすることが新しい機器開発の方向性でなければならないことを忘れてはならない。
労働力に代わるハイテクな機器開発を目指していこうではないか!