傾国の美女 趙飛燕5 ~竹取物語の謎をうら読みで解く#229 | 竹取物語の謎を「うら」読みで解く

竹取物語の謎を「うら」読みで解く

かぐや姫は、なぜ竹から生まれて月に帰るのか?
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『竹取物語の謎を「うら」読みで解く』 since 2013 ~ Weekly KAGUYA

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かぐや姫は、5人の求婚者を不幸にした上に、帝までを虜にして後宮を乱しました。中国の史書にも、君主を夢中にさせて政務が疎かになり、国を傾ける「傾国の美女」が登場します。前漢の趙飛燕(チョウ ヒエン)を取り上げます。

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆

 

 

貧しいなかでも、歌舞の練習と美容に励む美人姉妹。

 

姉の趙飛燕は、隣に住む男と逢瀬を重ねるようになります。

この男は、天子を護衛する林(兵士)の一人で、を射る係でした。

 

ある雪の夜、飛燕は男と逢うために屋外に立っていましたが、

息を殺して気を整えると体が温かくなり、肌も立たなかったのです。

 

男は驚き、彼女を神仙かもしれないと思いました。

 

(続きます。参考文献の竹田晃、他(編)『穆天子伝・漢武帝故事・神異経・山海経他 中国古典小説編1』の山崎藍訳注「趙飛燕外伝」を元に、井之亀が再話)

 

 

…画像:Pixabay様よりロイヤリティーフリーの写真をお借りしました…

 

 

この話の元は「趙飛燕外伝」ですが、

さすが小説、史実かどうか確かめようもないことでも平気で描きます。

 

この場面では、飛・燕・羽・鳥と、鳥にまつわる字が頻出します。

そして神仙。昇天に通じます。

 

 

竹取物語は、神仙世界の雰囲気が濃厚です。

また、鳥への連想が多い話です。

かぐや姫は籠に入れられて養われています。

鎌倉時代の『海道記』は、かぐや姫を「鶯の卵」から生まれた女の子としています。

宝物の一つは燕の子安貝。その場面に燕(ツバメ)。

大伴大納言の話には鳶(トビ)や烏(カラス)。

帝は狩を装ってかぐや姫に逢いにきましたが、狩の獲物はキジでしょう。

翁の字には羽が含まれますし、竹取という音は竹鳥に通じます。

何か鳥に関することが、竹取物語に絡んでいることが思い出されます。 

 

 

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☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆  次回  ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚* ☆

 

年末で、次週はお休みさせていただきます。
次回の更新は2018年1月4日(木)です。
皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。

 


参考文献:
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

 野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。

 大野晋、他(編)『岩波古語辞典』岩波書店、1974年。

 戸川芳郎(監修)佐藤進・濱口富士雄(編者)『全訳 漢辞海 第三版』三省堂、2011年。

 竹田晃、他(編)『穆天子伝・漢武帝故事・神異経・山海経他 中国古典小説編1』明治書院、2007年。 

 

 
イラスト:あおい

字*:リンクあり
                   
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