『竹取物語の謎を「うら」読みで解く』 since 2013 ~ Weekly KAGUYA
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かぐや姫は、5人の求婚者を不幸にした上に、帝までを虜にして後宮を乱しました。中国の史書にも、君主を夢中にさせて政務が疎かになり、国を傾ける「傾国の美女」が登場します。前漢の趙飛燕(チョウ ヒエン)を取り上げます。
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美人姉妹の趙飛燕と趙合徳は、父に養われていましたが。
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父の馮万金が亡くなったため、姉妹は各地を転々として、長安にたどりつきました。
その町に趙臨という有力者がいました。姉妹は組紐や刺繍を作って臨に何度も贈りました。
臨は姉妹を自分の家に住まわせました。
やがて飛燕と合徳は、臨の主君の家で、住み込みの下女となります。
その家は名家で、歌舞がよく催されました。
姉妹はそれを盗み見て、一心不乱に真似しました。
下女の給料や支給品はわずかでしたが、二人は髪の手入れや化粧などの美容に当てました。
食事もロクにとらず、二人で一つの布団しか持たない姉妹を、仲間たちはあざ笑いました。
それでも二人は、歌舞の練習を続け、美しくなる費用を惜しみませんでした。
(続きます。参考文献の竹田晃、他(編)『穆天子伝・漢武帝故事・神異経・山海経他 中国古典小説編1』の山崎藍訳注「趙飛燕外伝」を元に、井之亀が再話)
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…画像:Pixabay様よりロイヤリティーフリーの写真をお借りしました…
美人姉妹、女子力高し。
しかもそれに磨きをかけています。。
竹取物語では、かぐや姫の裳着(成人式)のときに、歌舞が催されています。
古文で「遊ぶ」といえば管絃などの音楽のことですが、
かぐや姫の裳着と名付けの場面は
「うちあげ遊ぶ」「よろずの遊びをぞしける」「いとかしこく遊ぶ」と畳みこむように記されています。
竹取翁は貧しかったのですが、かぐや姫を得てからは
竹のなかに金を見つけることが続いて金持ちになったので、盛大に裳着ができたのですね。
美女・歌舞(遊び)・金ときて、趙飛燕もかぐや姫も欲望の対象満載の登場です。
飛燕はまだ貧しいのですが、父の名前が「万金」ですし…。
さて… ☪
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飛燕に男が…。
参考文献:
片桐洋一、他(校注・訳)
『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。
野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。
大野晋、他(編)『岩波古語辞典』岩波書店、1974年。
戸川芳郎(監修)佐藤進・濱口富士雄(編者)『全訳 漢辞海 第三版』三省堂、2011年。
竹田晃、他(編)『穆天子伝・漢武帝故事・神異経・山海経他 中国古典小説編1』明治書院、2007年。