今回紹介するのはポルトガルのファド、
といっても伝統的な楽器編成(ポルトガルギター、クラシックギター)のものではなく、
エレクトリックな鍵盤楽器やパーカッションを加えたり、
他の歌手とデュエットしたりしながらもファドであろうという音楽。
シンガーはリナというシンプルな名前。
以前はカロリーナという名前で2作のファド・アルバムを発表していましたが、
「ファドがこれまでやってこなかったことをやろう」という決意から、
リナと名を変えての再出発で、本盤はその2作めになります。
具体的にはリナとしての1作めに、スペインのプロデューサー/マルチ演奏家、
ラウル・レフリー(Raül Refree)との連名アルバムを制作し、
エレクトリック系鍵盤楽器を採り入れたファド・アルバムの発表。
これが話題になったそうですね。
2作めになる本盤ではエレクトリック系鍵盤楽器に加えて
パーカッションを入れたり、ゲストシンガーを招いてデュエットをしています。
さたに趣向を凝らしたところは、16世紀に活躍したポルトガルの歴史的詩人、
ルイス・ヴァス・デ・カモンイスが残した詩句を基に、自身や同国のシンガー、
レジェンドなファディスタ、アルフレド・マルセネイロが書いた曲をつけて
歌っていることですね。
まあ私はこの詩人を知らないし、なのでリナの思い入れも分からないのですが。
タイトルは " Fado Camões " で2024年の最新盤。
プロデューサーに英国の有名ギタリスト、ジャスティン・アダムズを
迎えているという点でも話題になっているようですね。
かれは演奏でもパーカッションを担当していますが。
リナ (Lina)
1984年 ドイツ ハンブルク で生まれる。
トラス・オス・モンテス(ポルトガル北東部)で過ごした私の子供時代は、
畑仕事をする両親の風化した手に導かれていた。
父は羊飼いで、私にアマリアのファドや当時の流行歌を教えてくれた。
10歳でポルト ★ に留学し、ポルトゥエンセ合唱団のソリストになった。
いくつかのオペラに参加した後、パルミラ・トルーファ教授に師事しました。
教授は、ポルト音楽院の歌のクラスで毎回、叙情的な音楽は目を閉じて歌うものではない、
それはファドのためのものだと教えてくれました。
初めて人前で勇気を出して歌ったとき、当時知っていたたった3曲のファドを歌い終わると、
もう一度歌ってくれと言われた。おそらく、これが今の私をもたらした瞬間だったのだろう。
(リナのオフィシャルサイトより)
リナ・ロドリゲス (Lina Rodrigues) という名でファドを歌いはじめた。
2024年 リナ名義での初ソロ・アルバム "Fado Camões" (本盤) を発表。
Desamor
オープニング曲はしっとりしたピアノと
ポルトガル・ギターの叙情的な曲。
Quando Vos Veria'
エレクトリック楽器を加えながらも
ファドの香りや情感を壊さないサウンドメイク。
O Que Temo E O Que Desejo
スペインのシンガー、ロドリゴ・クエバスを迎えてのデュエットです。
ポルトガル語のタイトルで「私が恐れていることと望んでいること」
In Labirinto
♪ タイトルをクリックすれば曲を聴くことができます。
♪ 全曲 ルイス・デ・カモンイス ★ の詩。
♪ ★ は曲の作者が 歌った or 演奏したバージョン。
feat. Rodrigo Cuevas ★
4. In Labirinto (Alfredo Marceneiro) 4:45
5. Senhora Minha (Amélia Muge ★) 2:37
6. Desencontro (Traditional) 2:45
7. Se de Saudade Morrerei ou Não (Lina) 2:32 ★
(Alfredo Marceneiro)
9. Que Ninguem Me Veja Ver-Vos (Carlos Da Maia ★) 2:26
10. Canção (Traditional) 3:29
11. Lina Vaz de Camões (Lina) 4:03
12. Pois Meus Olhos Não Cansam de Chorar 2:43
(Júlio Proença ★)
☆ YouTube (全曲) 【Spotify に表示された収録時間】 45分20秒