今回はN.Y. に活動の拠点をおくジャズ系SSW、グレッチェン・パーラトと、
アーバンなサウンドが中心のジャズ界に、
清涼感あるアフリカン・フォーキーな風を送り込んだ
西アフリカ ベナン出身のギタリスト リオーネル・ルエケが組んだ、
2023年の連名アルバムから。
当ブログでは、これまでこのふたりのソロ・アルバムを
3作ほど記事にしてきました。
グレッチェン・パーラト
2005年の1st アルバム
2009年の2nd アルバム
リオネール・ルエケ
2012年の通算8th (?) アルバム
上のグレッチェンの2作はソロアルバムながら、どれもリオネールとの
共演によって生まれた、個性的なサウンドが特徴になっています。
グレッチェンとリオーネルの経歴は下のプロフィール欄をどうぞ。
ふたりの音楽的な交友関係は、グレッチェンがアルバムデヴューする前、
2003年に郷里の L.A. を離れて N.Y. に活動の拠点を移した当初から、
ヴォーカル=ギターデュオとして活動を始めていたようで、
すでにこの時点から始まっています。
なので本盤発表の時点で、もう20年越しの付き合いになるわけですね。
本盤ではさらに、グレッチェン側からは夫でドラマーのマーク・ジュリアナと、
ボーカルで参加する息子のマーレー・ジュリアナ、
親友でベーシストのバーニス・トラヴィス、
リオネール側からは愛娘のリサ・ルエケがボーカルに参加し、
いわば家族ぐるみの録音。
タイトルの "Lean In" は「(一歩)踏み出す」という意味になるのでしょうか。
収録曲から採ったもの。
信頼、愛、家族をテーマにした曲が多いようで、
「これからも親密な関係をもちながら前へ進んでいきましょう」という
意味合いが込められているのかなと思います。
グレッチェンとリオーネルの魅力については、すでにリンク先の記事に書き済み。
本盤は期待を裏切らない内容の良さで、とても満足できた盤です。
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米国のジャズ系SSW。夫はドラマーのマーク・ジュリアナである。
1976年2月11日、カリフォルニア州ロサンゼルスで音楽一家に生まれる。
父親はフランク・ザッパのバンドに在籍したベースプレイヤー、デイヴ・パーラト。
祖父は有名ビッグバンドに在籍するトランペッター。
13歳のとき、スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの1963年のアルバム
"Getz/Gilberto" ★ を聴き、その音楽の質感とシンプルさに衝撃を受けた。
ロサンゼルス芸術高校に通い、その後カリフォルニア大学ロサンゼルス校で
民族音楽学/ジャズ研究の学士号を取得した。
2001年 教育機関 セロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズ・パフォーマンスに
合格。(現在は「ハービー・ハンコック・インスティテュート・オブ・ジャズ」と改名)
このプログラムに入学した最初のヴォーカリストになった。
2003年、ニューヨークに拠点を移した。
リオーネル・ルエケとのヴォーカル=ギターデュオで活動。
2004年 セロニアス・モンク・インスティチュート・オブ・ジャズが主催する
コンペティションのボーカル部門で優勝を勝ち取る。
2005年 自主制作によるソロ・デヴュー・アルバム "Gretchen Parlato" ★ を発表。
2016年 パーラト、レベッカ・マーティン、ベッカ・スティーヴンスによる
3ヴォーカル・ユニット、ティレリーとしてアルバム "Tillery" ★ ★ ★ ★ を発表。
詳細はこちら ★
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アフリカ ベナン共和国 ★ 出身のギタリスト、ヴォーカリスト。
1973年4月27日生まれ。
西アフリカの国 ベナンの貧しいインテリの家庭で育った。
9歳頃から打楽器を弾き始めたが、ギターを弾く兄の影響を受け、
17歳でギターを弾き始めた。
自転車の車輪の鉄線を弦にしてギターのように弾いていた。
1990年にコートジボワールに渡り、国立芸術大学で学ぶために4年間、象牙海岸で暮らした。
ジョージ・ベンソン、ケニー・バレル、ジョー・パス、ウェス・モンゴメリーなどの
ギタリストの演奏を聴いていた。
1994年から1998年までパリのアメリカン・スクール・オブ・ミュージック、
1999年から2001年までバークリー音楽大学、
2001年から2003年までハービー・ハンコック・インスティチュート・オブ・ジャズ
(旧セロニアス・モンク・インスティチュート) で学んだ。
1997年 初ソロアルバム " Clarte' Obscure " ★ ★ を発表。
2003年 自主制作によるソロアルバム " Incantation " ★ ★ を発表。
2005年 ソロアルバム " In A Trance " ★ ★ を発表。
オープニング曲は清々しいデュエット。
同じく清涼な、リオーネルのアフリカンフォーキーなギター。
リオネールの書いた曲です。
80年代にヒットしたクライマックスのポップな曲を
カヴァーしています。
グレッチェンが書いた曲。
この曲ではレコーディング・メンバーの全員が
ボーカル or 演奏に参加しているようです。
エレクトリックな鍵盤は誰が弾いているのか、
クレジットに書いていないので不明。
Walking After You
フーファイターズ ★ の97年作アルバムの曲を
カヴァーしています。
グレッチェンの、しっとりとした丁寧なボーカル。
リオーネルのパーカッシヴだが、ココロ静まるギター。
♪ タイトルをクリックすれば曲を聴くことができます。
1. Akwê (Lionel Loueke) 4:58
2. I Miss You (Lynn Malsby ★) 5:02 ★ ★
3. If I Knew feat. Burniss Travis, Mark Guiliana 4:26
(Gretchen Parlato)
4. Okagbé Interlude (Lionel Loueke) 1:19
5. Astronauta 4:54 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
(Carlos Pingarilho ★, Marcos Vasconcellos ★)
6. Mi Wa Sé Interlude 0:57
feat. Marley Guiliana, Burniss Travis, Mark Guiliana
(Burniss Travis, Gretchen Parlato, Lionel Loueke, Mark Guiliana)
7. Muse (Gretchen Parlato) 4:47
8. Nonvignon (Lionel Loueke) 3:53 ★ ★ ★ ★ ★
9. Lean in feat. Mark Guiliana 4:49
(Gretchen Parlato, Lionel Loueke, Mark Guiliana)
10. Painful Joy (Lionel Loueke) 4:19
11. Dù Wé Interlude feat. Burniss Travis, Mark Guiliana 1:12
(Burniss Travis, Gretchen Parlato, Lionel Loueke, Mark Guiliana)
12. Walking After You (David Grohl ★) 4:30 ★
☆ YouTube (全曲) 【Spotify に表示された収録時間】 45分8秒
Gretchen Parlato … Voice, Percussion
Lionel Loueke … Guitar, Voice, Percussion
Guest Personnel
Mark Guiliana ★ ★ ★ … Drums, Percussion (tracks 2, 3, 6, 7, 9, 11,12)
Burniss Travis ★ ★ … Electric Bass (tracks 3, 6, 11)
Marley Guiliana ★ … Voice (tracks 3, 6, 12)
Lisa Loueke ★ … Voice (track 3)
Produced by Gretchen Parlato & Lionel Loueke
Recorded by Pete Min at Lucy’s Meat Market, Los Angeles on March 2-4 2022
♪ "Lean In" の詳細は →
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