本棚警察

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本棚の警察、そう本棚警察。

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題名:リング
著者:鈴木光司
出版:角川書店(角川ホラー文庫)
初版:1993年4月24日
厚さ:ふつうの文庫
オススメ度:★★★★★

(あらすじ)
同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。その中の少女の叔父・浅川は、事件に不審を抱き調査を始めた。―そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。少年たちは、これを観た一週間後に死亡している。浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった……。
恐怖とともに、未知なる世界へと導くカルト・ホラー。(以上、裏表紙より)



本棚を取り締まる警察
第四回目は『リング』鈴木光司著、1991年発表です。


はいこれ知らない人いないんじゃないでしょうか、その映画版において「貞子」がテレビ画面から這い出す圧倒的ビジュアルインパクトでジャパニーズホラーブームを巻き起こした作品です。

呪いの目的と符合するかのように続編は当然、ドラマんなるわ漫画んなるわゲームなるわパチンコなるわフィギュアまで出ちゃったその知名度たるやソートーなもんだとは思いますが、


ゆえに!?

逆に!?

むしろ!?



原作未読の方おりませんでしょうか?


とはゆうてももちろん原作小説だって売れに売れており、これまでに『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』『エス』『タイド』の六作品が刊行されています。


さて『巨人たちの星』に引き続きふたたびシリーズものを取り上げたわけですが今回のおまわりさんはなんせ『リング』推しです。
続編なんかもう背負い投げです。
例えば『スピード2』とか、『エンジェル・ハート』とか。。。
続編の設定によってワンがもひとつ楽しめなくなるというか。
サンドラさんと別れてたりさ、香さんが亡くなってたりさ。


にしてもなぜ今さらこの本なのか?


それはほんのちょっとさかのぼる2014年7月20日。
この日放送の『有吉反省会』というバラエティ番組に著者が「やたらと筋肉を見せたがることを反省」するために出演。

「面白いプロレスラー」
「『リング』の意味が変わってくる」

と言われるなど、その手腕を発揮。

確かに面白い。。。が!
これは危険だ、面白いだけに危険だ!

氏に限らず小説家に限らず「表現者」は面白い(a.k.a.変な)人が多いみたいなんですが、その特異なキャラクターがあまりにも前面に押し出されてしまうと作品を阻害する可能性が出てきやしませんか。
それは音楽や芸術(あとは書籍だったら自伝やエッセイ)なら時にプラスに働くのですが、こと小説においてキャラの押し売りは(それはそれで宣伝効果は否定出来ませんし作者の趣味嗜好や思考を否定するもんでもなく、あくまでも物語を読む上で)ノイズになってしまう可能性が高い(コッチノ都合。。。)かと思うのです。

押しの強い作者が見え隠れした状態で物語に没頭出来ますか!つって。
ましてホラー(著者は「ホラーのつもりで書いてない」んだそう)ですぞ!
「オカルト怖がるやつはアホ」と言い放つ面白いプロレスラーみたいなマッチョがチラチラ見切れてるホラー小説が真剣に読めるか?つったら。。。



イナ!
イナである!!
ヾ(。`Д´。)ノ イナ!イナ!

早く!
先入観なしに読めるうちに早く!!



ってわけで物語のあらすじは。。。
もう知ってますね、おさらいです。

偶然乗り合わせたタクシーの運転手から「ある若者の突然死」の話を聞いた主人公の雑誌記者・浅川。
その若者と同日同時刻、同じ死に方をしている姪を持つ彼はこの同時不審死について調査を始める。
というのが事の発端。調査の結果、

同時刻に謎の死を遂げている若者が四人存在すること

自身の姪を含むその四人は友人同士であったこと

彼らが不審死の一週間前に旅行へ行っていたこと
をつきとめる。

旅行先に不審死の原因があると考えた浅川は現地へ赴き同じ部屋に宿泊してみることに。
宿泊ノートを開くと、彼らが書いたと思しきメッセージ。

「ごくっ。警告。度胸のない奴は、コレを見るべからず。後悔するよ。ヘッヘッへ。」

『コレ』ってなんだ?

浅川が管理人室のレンタルビデオ棚からラベルの貼られていないテープを発見し再生すると。。。

「この映像を観た者は、一週間後のこの時間に死ぬ運命にある」

浅川は『コレ』がホンモノである事を直感した。
『コレ』を見たちょうど一週間後に四人は死んでいるのだ。
若者同時不審死の原因はこの『呪いのビデオテープ』だった!

「死にたくなければ、今から言う事を実行せよ・・・」
と、突如CMの映像に!?


この続きはCMのあと!


。。。ってことじゃなくて!
ナニカを実行すれば死の運命から逃れられるのだが、肝心のナニカが上書きで消されてしまっているー!
ってわけで友人の大学講師・高山とともに「死ぬまでの一週間のあいだに呪いを解く方法を探す」物語。


そんな話でしたね。
小説版はホラーよりもミステリー要素の方が強く、サイエンスフィクションとも言えそう。
単純にして日本古来の「恨み・呪い・幽霊」物語とはなっておらず、みんな大好き(?)千里眼事件を想起させるような「超能力」、日本最後の天然痘「ウイルス」、女性として育てられた「両性具有者」が呪いのビデオテープの論理的(か?)裏付けとなっています。

「リアル不幸の手紙」ってチープな題材でありながらもわりと王道のミステリ仕立てであっという間に読了出来るでしょう。
その点ひとつとってみても作者の力量が分かろうというもの。
ただのマッチョではないわけです。
「日本のスティーブン・キングと呼ばれるわけです。
ただホラー専門の作家というんでもないようでエッセイや、ミステリでない小説なんかも出ております。
この人のホラーがもうちょっと読みたきゃおまわりさんは続編よりも『仄暗い水の底から』を推奨しますよ。


鈴木光司が「日本のスティーブン・キング」から「面白いプロレスラー」になってしまう前に『リング』、ぜひ今のうち読みまくっときたい一冊だと思いましたよ。




リング (角川ホラー文庫)/鈴木 光司

¥596
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題名:巨人たちの星
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
翻訳:池 央耿
出版:東京創元社(創元SF文庫)
初版:1983年5月27日
厚さ:ちょい厚文庫
オススメ度:★★★★☆

(あらすじ)
冥王星の彼方から〈巨人たちの星〉のガニメアンの通信が再び届きはじめた。地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、相手は地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知りつくしている。ということは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない……それも、もうかなり以前から……!!五万年前月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガニメアンたちの謎など、からまったすべての謎の糸玉が、みごとに解きほぐされる。入魂の〈巨人たちの星〉シリーズ第三弾!(以上、本扉より)



本棚を取り締まる警察
これでとりあえずJPホーガンひと段落。
三冊目『巨人たちの星』ジェイムズ・P・ホーガン著、1981年発表です。

そのカイワイじゃ、ただ「三部作」って言った場合、もうそれは「巨人たちの星シリーズ三冊を指す」って程のSFクラシックらしいですよ。
それってまるで映画で言うところのスターウォーズ三部作みたいな。。。。。まるでスターウォーズ。。。。宇宙戦争。。。
そう!今回のおはなしは宇宙戦争です!!


ミステリ好きな人なんかだと「一冊目は面白かったけどスペースオペラ?いよいよ興味ねぇ」てなかんじになりがちですが、

大丈夫かも!!
(`・ω・´)ゞ イエッサ-

スパイサスペンス大盛り、アクションあり友情ありのシリーズ中もっとも映画っぽい作品でしたよ!!


まそれゆえ評価も分かれており、おまわりさん自身も「映画っぽい」のが小説のホメ言葉になるたぁ思いませんし、特に二冊目のプロローグなんてったら登場人物の容姿描写がない→ふつうに人間だと思って読む→「ガニメアンだったんだ!」っていう活字だからこその表現でステキだった訳ですよ。

しかし!
嫌いになれない一冊!!

いやむしろ好きかも!!!

これまでの「知的好奇心」から「エンターテイメント」にシフトして来たっつうことで、その振れ幅を楽しむ意味でもマストリードな最終章
三部作並べてみれば「歴史ミステリ」「ファーストコンタクト」「宇宙戦争」って同じ食材を使ってこんだけ違う料理を出してくる店主(なぜ料理で例えた?)。
聞けば店主は『星を継ぐもの』(感想はこんな感じ)がデビュー作だっつって。サラリーマンやりながら書きましたっていうんだからすごい人だよ、2010年他界。。。


事件はこんなだ。

巨人たちの星からガニメアン通信が届き始める、しかも英語で。

「ファッキンジャップくらい分かるよバカヤロウ」

とは言ってない、言ってないけど地球からしたらなんで英語知ってんだよ?ってなるわけです。
「どうゆう事っ?」てなってるわけ。

でヤリトリを続けてみればどうやら地球に関して歪んだ解釈をしているらしいと。
実際は全世界絶賛軍縮中(で浮いた軍事費を宇宙開発にまわして月や木星での大発見に繋がった流れ)なんですけど、「第三次世界大戦始めるんか?」って聞いてくるの。
ちがうちがうちがう、そら否定しますわね地球人はさ。
だってちがうんだもの。

したら「どっちの情報が正しいか地球行って見てみるガニ」って言うわけです。
で国連代表団が交渉に当たるわけだけど、なんだか話し合いが遅々としてまとまらないわけ。
国連はなんでガニメアンの誤解を正さないんだろう?つってたらアメリカ代表が気付く。

「あれ、ソ連?あれ??」


「ソ連代表が邪魔してねいか?」


そこでアメリカ代表はガニメアン専門家のハントに連絡を取るわけです。

ソ連が国連の邪魔をしつつ裏でガニメアンと独自交渉しようとしてんじゃないか?
ほいでガニメアンの技術を独り占めする気じゃないか?
おそロシア。(((( ;°Д°))))
国連もあてにできないし、だったらアメリカはソ連に先駆けてガニメアンを誘致できないか?ってゆうの。

ただしばれないようにこっそりと。

ガニメアンが英語を知ってるのは地球の監視を意味するけど、にしちゃ誤った歴史認識を持ってる、ってのは故意に歪められた情報をガニメに流してるのがいるっつうことだと。

故意に誤った情報をガニメアンに伝えてんのは誰で、何故なんだ?


てな感じでギンエイデンばりスペースオペラとはほど遠い導入!
時代の空気感丸出し!
前半は社会派ミステリーか。
そして黒幕が判明してからの宇宙戦争へーーーー。


前回あんだけ優しかった巨人たち。
優しいってか先天的に攻撃性や猜疑心を持ちあわせないガニメアンたち。
その彼らが長ーーーーい歴史上初めての戦争に踏み切る!
ヘ(゚∀゚*)ノ タリ-ホウ!!
闘争心を持たないガニメアンがどうやって戦うのか!?
相手を疑わないガニメアンがどうやって策略を見破るのか!?


いーや戦えませんし見破れません!
まーガニメアンたら戦えないの。
まーガニメアンてば見破れないの。




しかし!




地球人がいる!




「有史以来ずーーっと戦争やりっ放し」
地球人が加勢しまーす!
「特技:だまし合い」
地球人が参戦しまーーす!!


てな感じで登場人物全員に見せ場が用意され伏線は回収、真実の歴史を明らかにし謎も解いて不思議な余韻を残しつつキレーイに輪を閉じた三部作完結編。
日本語訳も違和感無く、古さを感じさせないどころか「こんな本がこんな昔に!?」つって感心すること必至なシリーズ三冊『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』。三冊まとめて読むのが吉。




「でもお高いんでしょ?」


「タダ同然(あわせて2570円。。。)です」
(-。-;) コジンノカンソウデスヨ

時が経てば経つほど「こんな本がこんな昔に!?」ってなる名作SF、ぜひ本棚に並べときたい三冊だと思いましたよ。




巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))/東京創元社

¥1,015
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題名:ガニメデの優しい巨人
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
翻訳:池 央耿
出版:東京創元社(創元SF文庫)
初版:1981年7月31日
厚さ:ちょうどいい文庫
オススメ度:★★★★★

(あらすじ)
木星最大の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船。
その正体をつきとめるべく総力をあげて調査中の木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。
隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの五マイル先まで近づいたそれは、小型の飛行体をくり出して探査隊の宇宙船とドッキング。やがて中から姿を現したのは、二千五百万年前に出発し、相対論的時差のため現在のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。前作「星を継ぐもの」の続編として数々の謎が明快に解明される!(以上、本扉より)



本棚を取り締まる警察
第二回目は『ガニメデの優しい巨人』ジェイムズ・P・ホーガン著、1978年発表。
ということで巨人たちの星シリーズ第二弾です。


さてココントーザイ読み物に限らず映画やゲーム、その人気作にはウゴノタケノコのような続編がツキモノです。
が、そのほとんどがナンナラがっかりするというのもまた自然の摂理でしょうか。

でも大丈夫!!
(`・ω・´)ゞ イエッサ-

読みゃいい意味でファンを裏切ること間違いなしの続編でしたよ!!

超える超えないじゃなくてもう「ジャンル」が違っちゃってる。
そいでいてコレジャナイワケジャナイ。
前作は「SF歴史ミステリー」と言ったけれども今回のは「ファーストコンタクトもの」でしたよ!
そして三作目もまた感じが違うのでぜひ読んでみて下さい、みんな大好き「宇宙戦争」だよ!!
ヾ(。`Д´。)ノ センソウハ HELL NO !!



カンワキューダイ。
ま今回のお話はファーストコンタクトって言っちゃった時点でほぼ終了なんですけど、まぁミステリー色は控えめ。


事件はこんなだ。


五万年前の宇宙史を解明したハントとダンチェッカー。
そこにUFOが出現。
ガニメアンの乗る船でしたと。。。
かくしてSF史上マレにみる平和的ファーストコンタクトが果たされる事となります。

とここで通訳として両者の橋渡しをするのが、ガニメアンのスーパーコンピューター「ゾラック」。
この冗談を理解しイタズラまでしちゃう人工知能がとても魅力的に描かれ物語に華を添えています。

ともあれそんなゾラックの言うことにゃ彼らはかれこれ2500万年前からやって来たと。

聞くに当時ガニメアンは絶滅の危機にヒンしまくっていたと。

なんでも母星ミネルヴァの二酸化炭素濃度が絶賛増加中で、このままだと苦しくてヤバイつって。

てことで絶滅回避プロジェクトが発足するわけですが実験失敗→からの大爆発つう博士コント発動。
全速逃げ出したら、
「ブレーキこわれてた」
って畳み掛けるような不幸はまるでドリフのコントのよう。


そんな感じでそのまま周遊すること宇宙を20年。。。


やっと止まりゃあウラシマ効果2500万年経過済み。
「ミネルヴァ無いわ、ヒトやら繁栄してるわチャールトンヘストンばりにビックリしたわ」つって。いや言ってないけど。


したら、あれ?じゃその後ミネルヴァは?ガニメアンはどうなったんだろ??


てわけで友好的第三種接近遭遇に湧く地球人描写をメインにしつつ、ガニメアンとルナリアンや人間の進化の謎とともに2500万年前の宇宙史をヒモトイテいきます。
なぜファーストコンタクトが友好的だったかつったらそのタイトルどおりガニメアンが優しかったからであり、その優しさには進化生物学的な裏付けがあると。
比するに地球人はその歴史からも明らかに攻撃的であり、それにもやはり裏付けがあると。
そして裏があると。
てことで「ファーストコンタクト」+「サイエンスフィクション」の物語。

ところでSFは架空の世界の話ですよね。
故に普通の小説よりも嘘をたくさんつくもんです。
ひとつの大きな嘘をつき通すには小さな嘘が30個必要だそうで、嘘つきは嘘を信じさせるためにジョーゼツになるもんです。
この辺りが前回よりSFSFしたところで、それ的な科学知識や専門用語が出たりしてて、あるいは苦手な人もいるかもと思ったりしました。
SFが嫌われる理由は話が長ぇとかウンチクがうるせぇとかですからね。
そう思う人もいるかもです。

ただ結果チョーおもしれぇわけですけどね。
ヾ(@°▽°@)ノ イヤッホイ!!
ゴチャゴチャしたとこ適当に読み飛ばしても結果おもしれぇと。


ファーストコンタクトものSF『ガニメデの優しい巨人』本棚に並べときたい一冊(いやシリーズ三冊だって!)と思いましたよ。




ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)/東京創元社

¥799
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本棚警察 inspired by 図書館警察(タイトルだけ)



題名:星を継ぐもの
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
翻訳:池 央耿
出版:東京創元社(創元SF文庫)
初版:1980年5月23日
厚さ:丁度いい文庫
オススメ度:★★★★★

(あらすじ)
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。
すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、五万年以上も前に死んでいたのだ。
謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが……。
ハードSFの新星ジェイムズ・P・ホーガンの話題の出世作(以上、本扉より)



本棚を取り締まる警察
第一回目は『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン著、1977年発表のSF小説です。

おまわりさんはアニメに詳しくなくて知らなかったんだけどこの本、『Zガンダム』『ナディア』にオマージュされてたりなんかそのカイワイじゃ有名なSFクラシックらしいですね。

とはいえさ、SFってさ「コムズカシソウじゃないですか(・ε・) 」
やれ世界観だーやれ専門用語だー。
もともとソレ好きの人じゃないと「読ンデミッカー」とはなかなかなりづらいわけですよ。
だもんで一回目から「昔の外国のSF」なんてのはコムズじゃない?
と思いますよね??

でも大丈夫!!
(`・ω・´)ゞ イエッサ-

手に取ってさえしまえば「昔の本」とか「外国の本」とか「SFの本」とかそういうのサッピーてもソートー面白い『ミステリー』小説でしたよ!!


事件はこんなだ。


21世紀半ば。

月で宇宙服を着た死体が発見される。

身元は不明、とりあえず「チャーリー」と名付けられまして。
これを年代測定にかけたらどうやら五万年前の人だったって。

これにはみんな首をかしげた。
「オメなに人だよ?」つって。
宇宙服着てるってことは環境になじんでないわけだから月の民じゃないよね。
なんならその宇宙服は現代よか進んでるんですけどつって。
てか『人間』なんだから地球人でしょ、進化生物学的に。
いやでも月にロケット飛ばすほどの文明だってのに遺跡とかないのおかしいでしょつって。
これケンケンガックガク。

それで主人公はヴィクター・ハントって博士さんなんだけど、ニュートリノによる透過スキャン装置の開発者だそうで。
これでもってチャーリーが持ってた手帳をスキャンして解読を試みる。

そう!
これはチャーリーの正体をめぐるまぎれも無いミステリー!!

解読が進むなか、火星と木星の間らへんにあって五万年前崩壊した惑星ミネルヴァで高度文明が存在してたのが分かったらしく。
はたして「テラリアン(地球人)」そっくりなチャーリーたち「ルナリアン」は「ミネルヴァン」なのか!?

で時を同じくして木星の衛星ガニメデの氷原下から宇宙船が見つかる。
その中にはガニメアンのガイコツが!!
そしたらこれが2500万年前のヤツだってさナニソレ。
はたして2500万年前のガニメアン達は5万年前のチャーリー達と関係があるのか!?そしてそれらはわたし達地球人と関係があるのか!!??

あの黒革の手帖には架空口座リストが書かれていたわけだけども、フデマメなチャーリーの手帳にはなにが書かれているのか!?
はたしてこれらの諸問題はチャーリーの手記でもって解決できるのか??
ヘ(゚∀゚*)ノ カキマゼチャイマース!

「チャーリー地球人説」を貫く生物学者ダンチェッカー教授と「それコテイカンネン」つうハント、この二人が対立しながらもたったひとつの答えにたどり着く道程はもう。。。

もう、
(あとがきより言葉を借りて↓)
センス・オブ・ワンダーーーー!!!


地球外知的生命体、宇宙考古学、ミッシングリンク、月の不思議、オーパーツ、宇宙戦争。。。etc。

都合いいし人物描写浅いし物語性希薄だとは思うけど、
プロットだけでもうコレ
五億点出てます!!


で最後にこの本、最高なことに「巨人たちの星シリーズ」ってことで続編が出てまして。
『星を継ぐもの』
『ガニメデの優しい巨人』
『巨人たちの星』
『内なる宇宙』
『Mission to Minerva(未訳らしいです)』

てなラインナップで。
特にはじめの三冊はヒックルメテかなりいいと思うのです。
同じ登場人物でありながら三冊それぞれ違うジャンルの小説読んだような読後感が得られてカナリイイ!!
『Mission to Minerva』翻訳出ないかな。。。
(`ε´) ハヤクヨマセロ!

こんな面白い小説をSFファンだけが読むのはモッタイナイ
『本能寺の変 四二七年目の真実』
ヽ(゚◇゚ ) コレモオススメ
明智~光秀の子孫~憲三郎さんもブログで、啓発された的感想を書かれてたりと歴史ファンにも響くとオモワレル!

さぁこれ歴史ファンの本棚にもミステリファンの本棚にもベストフィット。
SF歴史ミステリー(?)『星を継ぐもの』本棚に並べときたい一冊(いやシリーズ三冊!)だと思いましたよ。




星を継ぐもの (創元SF文庫)/東京創元社

¥756
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「小説として、SFとして、おそらくは数多くの欠点を持っているこの作品には、そのすべてを帳消しにする魅力がある」鏡明(以上、あとがきより抜粋)




本棚警察 inspired by 図書館警察(タイトルのみ)