第二回『ガニメデの優しい巨人』ジェイムズ・P・ホーガン | 本棚警察

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題名:ガニメデの優しい巨人
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
翻訳:池 央耿
出版:東京創元社(創元SF文庫)
初版:1981年7月31日
厚さ:ちょうどいい文庫
オススメ度:★★★★★

(あらすじ)
木星最大の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船。
その正体をつきとめるべく総力をあげて調査中の木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。
隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの五マイル先まで近づいたそれは、小型の飛行体をくり出して探査隊の宇宙船とドッキング。やがて中から姿を現したのは、二千五百万年前に出発し、相対論的時差のため現在のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。前作「星を継ぐもの」の続編として数々の謎が明快に解明される!(以上、本扉より)



本棚を取り締まる警察
第二回目は『ガニメデの優しい巨人』ジェイムズ・P・ホーガン著、1978年発表。
ということで巨人たちの星シリーズ第二弾です。


さてココントーザイ読み物に限らず映画やゲーム、その人気作にはウゴノタケノコのような続編がツキモノです。
が、そのほとんどがナンナラがっかりするというのもまた自然の摂理でしょうか。

でも大丈夫!!
(`・ω・´)ゞ イエッサ-

読みゃいい意味でファンを裏切ること間違いなしの続編でしたよ!!

超える超えないじゃなくてもう「ジャンル」が違っちゃってる。
そいでいてコレジャナイワケジャナイ。
前作は「SF歴史ミステリー」と言ったけれども今回のは「ファーストコンタクトもの」でしたよ!
そして三作目もまた感じが違うのでぜひ読んでみて下さい、みんな大好き「宇宙戦争」だよ!!
ヾ(。`Д´。)ノ センソウハ HELL NO !!



カンワキューダイ。
ま今回のお話はファーストコンタクトって言っちゃった時点でほぼ終了なんですけど、まぁミステリー色は控えめ。


事件はこんなだ。


五万年前の宇宙史を解明したハントとダンチェッカー。
そこにUFOが出現。
ガニメアンの乗る船でしたと。。。
かくしてSF史上マレにみる平和的ファーストコンタクトが果たされる事となります。

とここで通訳として両者の橋渡しをするのが、ガニメアンのスーパーコンピューター「ゾラック」。
この冗談を理解しイタズラまでしちゃう人工知能がとても魅力的に描かれ物語に華を添えています。

ともあれそんなゾラックの言うことにゃ彼らはかれこれ2500万年前からやって来たと。

聞くに当時ガニメアンは絶滅の危機にヒンしまくっていたと。

なんでも母星ミネルヴァの二酸化炭素濃度が絶賛増加中で、このままだと苦しくてヤバイつって。

てことで絶滅回避プロジェクトが発足するわけですが実験失敗→からの大爆発つう博士コント発動。
全速逃げ出したら、
「ブレーキこわれてた」
って畳み掛けるような不幸はまるでドリフのコントのよう。


そんな感じでそのまま周遊すること宇宙を20年。。。


やっと止まりゃあウラシマ効果2500万年経過済み。
「ミネルヴァ無いわ、ヒトやら繁栄してるわチャールトンヘストンばりにビックリしたわ」つって。いや言ってないけど。


したら、あれ?じゃその後ミネルヴァは?ガニメアンはどうなったんだろ??


てわけで友好的第三種接近遭遇に湧く地球人描写をメインにしつつ、ガニメアンとルナリアンや人間の進化の謎とともに2500万年前の宇宙史をヒモトイテいきます。
なぜファーストコンタクトが友好的だったかつったらそのタイトルどおりガニメアンが優しかったからであり、その優しさには進化生物学的な裏付けがあると。
比するに地球人はその歴史からも明らかに攻撃的であり、それにもやはり裏付けがあると。
そして裏があると。
てことで「ファーストコンタクト」+「サイエンスフィクション」の物語。

ところでSFは架空の世界の話ですよね。
故に普通の小説よりも嘘をたくさんつくもんです。
ひとつの大きな嘘をつき通すには小さな嘘が30個必要だそうで、嘘つきは嘘を信じさせるためにジョーゼツになるもんです。
この辺りが前回よりSFSFしたところで、それ的な科学知識や専門用語が出たりしてて、あるいは苦手な人もいるかもと思ったりしました。
SFが嫌われる理由は話が長ぇとかウンチクがうるせぇとかですからね。
そう思う人もいるかもです。

ただ結果チョーおもしれぇわけですけどね。
ヾ(@°▽°@)ノ イヤッホイ!!
ゴチャゴチャしたとこ適当に読み飛ばしても結果おもしれぇと。


ファーストコンタクトものSF『ガニメデの優しい巨人』本棚に並べときたい一冊(いやシリーズ三冊だって!)と思いましたよ。




ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)/東京創元社

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