昨日、兵庫県教育委員会事務局高校教育課が2021年3月に策定 した 「県立高等学校教育改革第 三次実施計画」に基づき、全日制普通科の対象校について2025年度において発展的統合を行おうとする対象校を公表。

旧姫路福崎学区では高校制度開始以来初めての統合となる。対象となる学校関係者をはじめ様々なご意見があると思う。まずは県教委の方針を公表させてもらいたい。















ひょうご未来の高校教育あり方検討会委員会の模様



高校の統合以前になぜ全県一区を兵庫県では導入しないのかという元首長のご意見がSNSで私に寄せられたのでそれに回答したのが下記の答え。

私は初当選以来、県教委の高等学校に対する施策を見てきました。私が初当選のころでもまだ総合選抜制度(学校間の学力格差を少なくするため、居住地や学力で合格者を調整する制度)が阪神や明石などの地域で存続していました。今でも但馬地域では下記リンクのような旧総合選抜のような制度を残しています。

ネットでは全国には昨今例がないと書かれていますが、地域の学校に一定の学力を維持するための苦肉の策と言えるかもしれません。

また、私が県議になった時は、高校制度が始まった戦後以来一度も学区統合をしておらず、2015年度に初めて16学区→5学区に統合しました。東京や大阪では全県一区が導入されるようになっていた頃です。

全県一区とした場合に、各学校に特色があり、地域の特色を活かした学校ができればベストだと思います。その学校を志望する生徒がいれば学校の存続云々は関係ないと思います。

しかし、昨今の生徒や保護者の考え方では、全日制普通科の場合、大学進学のための偏差値だけが基準になって、交通利便性で劣る地域の学校の人気が確実に落ちます。そうした学校の偏差値の低下や存続の危機を迎えることになると心配します。学校長は3年程度で異動します。自治体立なら首長が関与するかもしれませんが、特色化といってもある意味で異動するサラリーマンでもある県立高校の責任者にはリーダーシップにも限度があります。

2015年の姫路福崎学区と西播学区の合併、加印学区と北播学区での合併で学校間難易度に新たな変化が起こり、学力上位層の都市部の進学校への集中が起こりました。全県一区となればそうしたことがまた起こり、下記の神戸新聞の記事のように、通う時間が増えたり、定期代負担が増えるといった不満も出て来るでしょう。



しかし、大きな時代の流れでは実際は時間稼ぎをしているだけなんです。子どもの数は41年連続で減少しています。いま合計特殊出生率は1.4を切っています。残念ですが、今後も子どもの数は減り続けます。

東京の一極集中がなくなって若者がゆったり暮らせる社会にしないと日本の出生率が2を超えて子どもの数が増えることはないでしょう。つまり、そうした時期を迎えるまでは学校は減らざるを得ません。

兵庫県は東京や大阪のように政治が介入して全県一区を取りませんでした。但馬の制度が残ったのも地域の要望が特に強いからです。とればハレーションが大きいことを理解しているからだとも思います。

私の第4学区では2007年度に龍野実業と新宮高校を戦後初めて統合しましたが、これは例外。いま私が生まれた1974年生まれの人口と昨年の15歳の人口は丁度半分50%しかいません。学校数は変えずにクラス数を徹底して減らして対応してきたのです。

ハレーションを避けて、誰も文句が言えないくらいまで引っ張って、小規模高で授業をする先生の確保が難しくなってきた。兵庫県はできる限りゆっくりゆっくりやっているのです。ハレーションを少なくするために。それを望んでいる人たちが多いのも理解しています。誰も統合なんてやりたくないですよね。

私は学校の統合問題は、生徒、子どものためになるのかどうかで判断しようと決めています。学校は子どもたちが学ぶ場ですから。これから通う子どもたちにとって規模適正化がいいかどうかで判断しなければならない、そのためにも新しい学校がどんな学校を目指していくか、まさに発展的統合でないといけないと思っています。
(お二人のご意見の回答を一つにまとめたものです)