兵庫県の公立高校入試制度が見直され、来春入試より他校への『偵察出願』※1が出来なくなります!!!

私が今期3年間務めた健康福祉常任委員会から最終年度に文教常任委員会に転じた最大の理由は公立高校入試改革でした。

これは4年前の学区統合と同時に導入された制度に「偵察出願」が可能になったとの指摘が学校現場の先生方から私にあったことに始まります。

本当は普通科の高校を受験するつもりなのに、まず商業や工業などの専門学科の学校に願書を出します。提出が締め切られ、普通科を第一志望とする生徒の倍率が確定する一方、専門学科に願書を出していた生徒だけは普通科の倍率を見て志望校を変更することが可能だったのです。

仮に専門学科に願書を出しておくので現場では『偵察出願』と言われてきました。「後出しジャンケン」です。

学校現場ではこうした行為は好ましくないと任意の指導を行ってきましたが、強制力はなく、塾などでこうした方法もあると説明を受けた親が学校の指導に従わず、実際にこの制度を使う事例が出て、現場から不公平という声があがっていました。

偵察出願をして定員割れをした学校を受験して実質無試験で入学(制度上、私学のような合格最低点等を設けることは出来ない)している現状もあり、またこれが繰り返されている。義務教育の現場の指導に従わないほうが得をするような状況を県教委が3年も放置していること自体が私には許しがたいことでした。

これまで、制度の問題点がわかった2年目から会派の代表質問、政務調査会などで取り上げてきましたが、なかなか制度改革の必要性を認めようとしなかったのですが、今年2月の本会議一般質問でようやく前教育長が下記リンクのように課題認識を答弁しました。

2018年2月27日、本会議一般質問
5 公立高校の入試制度の見直し(希望校変更の不平等廃止)について ※質問と答弁

今春、就任の挨拶に来られた新教育長はもちろんのこと、先の日曜日にも関西広域連合議会に出席していた県教育次長にこれから文教委員会でぎりぎり詰めていくからと厳しい通告をしたところでしたが一転、制度を見直したいとの連絡があり、来年入試から実現することになりました(本日の教育委員会後に公表)。

当然ですが、私が指摘するまでもなく、中学校校長会から制度の問題点を指摘する声もあがっていました。これについての対応はここでは書きませんが、良い意味でも悪い意味でも無謬性の強い、固い組織であることは間違いありません。これからも外部の視点で問題があれば信念に基づいて発言していきたいと思います。

とはいえ、本当のところは実現して安心しました。この誰でもおかしいと思うような話で結果が取れないようでは他の困難な仕事は実現なんて出来ないでしょうから。

県立高校には色んな特色校がありますが、欠けている領域があるとの課題認識は10年前からずっとあり次はそのはるかに難しい課題について取り組みたいと考えています。ようやく知事部局からもそうした提案が出てきたので追い風かも知れません。しっかり頑張ります!

※1 同一校の志望科変更は従来通り可能(別紙参照 例.上郡高農業科→普通科の変更など)