こちらは後編になるため、前編を読んでいない方はこちらからお願いいたします。
山下実優 vs ソーヤー・レック
大田区の一週間前に山下さんが渡英。プロレスリングEVEにて行われた"ジ・アンブレイカブル"リオとのEVE選手権で勝利し、元から決定していたソーヤーレック戦がEVE選手権試合として行われることとなった。
ソーヤーレックといえば5月にヒカリと蛍光灯デスマッチを行い、瑞希とも王座を懸けて戦った実力者。
さらに元バレーボール選手で身長188cm!でかい!
なんか遠近感がバグって対峙しているように見えるけど、ソーヤーはロープ沿いを歩いている。
山下さんは東女の中では大きい方なのに、身長は23cm差。ちょうど真弥さんと猫ちゃんの身長差と同じである。実質おじまご……?
ソーヤーはデスマッチファイターということもあり場外での戦いに持ち込んできた。
場外カウントが無いというのがスピリットオブEVEルールの面白いところ。
普通にパイプ椅子を使った攻撃をして、試合はハードコアマッチの様相に……。
この試合でふと思ったのは山下さんの表情が多彩だなぁということ。
いつもは険しい顔で厳しい攻撃を加える印象だったけど、ソーヤーに怯えたり驚いたりと珍しい山下さんを見ることができた。
この辺りも海外遠征の成果なのだろうか。
しかし、パイプ椅子攻撃に翻弄されながらも公言通りスカルキックを決めて試合を決めた。
かっこいい。
海外の試合を見てもスカルキックが出た時の歓声が凄いし、本当に映えて強い技。
この動画のサムネにもあるように「スゲェ!!」の言葉しか出てこない。
これで山下さんは昨年11月にEVE王者になってから7度目の防衛に成功。
この快進撃を止められるとしたら、今回のようにハードコア戦法を使える人だろうか。
EVE参戦経験のあるヒカリやミサヲさんとも防衛戦やってほしい。いろいろ妄想が捗ってくる。
沙希様&メイ・サン=ミッシェル vs
荒井優希&上原わかな
わかなちゃんがセミ前に大抜擢!このメンツの中で試合をするとは期待されている証拠。
というか、荒井ちゃんもまだ3年目だから凄いんだけど、違和感が無くなってきている……。
荒井ちゃんはパートナーの赤井沙希さんが引退を表明。
わかなちゃんが新たなタッグパートナーとして名乗りを上げるようなことになるのか。
こんな中途半端な写真しか撮っていなかった……。
とにかくファンの方が多い選手同士の試合で、紙テープの量も桁違い。
一言で言えば華のある試合(沙希様は文字通りだが)だった。
なにより新鮮だったのが後輩を応援する荒井ちゃん。
「わかなー!」と檄を飛ばし、あえて助けに入らず試合を任せるお姉さんっぷりを見せてくれた。
そして沙希様と初対面。
パートナーの赤井沙希さんと似ている相手ではあるが、その試合運びは別物。
それでも自分のプロレスを突き通し、新人賞を沙希様に食らわせたときは思わず声が出た。
心なしか荒井ちゃんもいつも以上に感情を表に出しているような気がした。
しかし、相手は何度もタッグベルトを手にしている相手。
連携攻撃も冴えわたり、沙希様のアカデミー賞の前に散ってしまった……。
しかも最後は荒井ちゃんに力の違いを見せつけるかのようなフォール。
これはまだ続きがあると信じたい。
NEO美威獅鬼軍の沙希様&メイ・サン=ミッシェルが8月12日後楽園ホール大会に参戦!https://t.co/MQNAOyqqKN#tjpw pic.twitter.com/2jLbJBKg4j
— TJPW 東京女子プロレス (@tjpw2013) July 9, 2023
と思っていたら後楽園ホールに参戦決定。
ただ、東京プリンセスカップの開催中なので、荒井ちゃんが勝ち進んでいたら戦いを見ることは出来ない。
タッグ王座が空位のままだし、なにか動きを見せてくるのだろうか……。
辰巳リカ vs 愛野ユキ
インターナショナルプリンセス選手権、四度目の防衛戦。
ビリースタークス、バートビクセン、鈴芽から防衛を果たしたリカさんと、有栖との挑戦者決定戦を制したユキさんの戦い。
下手なりにこの写真が一番良い構図で撮れたと思う。
ライトと紙テープを浴びるリカさんと、それに目もくれず臨戦態勢のユキさん。この対比が良いね。
もっとこういう写真を撮りたい。
序盤からパワー、グラウンド、そして狂気が入り乱れる見応えのある攻防。
二人とも声を張り上げて戦っているからか、客席のボルテージもどんどん上がっていく。
それに呼応するようにさらに戦いは激しくなる。
場外でのサイドスープレックスは驚いた。
これを決めるユキさんも凄ければ、きっちり受けきって自分の土俵に持っていくリカさんも凄い。
ホワイトドラゴンスリーパーが決まった時はリカさんが勝ったかと思った。
それで決まらなかったときはユキさんが勝ったかと思った。
それくらい、どちらが勝ってもおかしくなかった試合。
ここは経験の差か、ミサイルヒップを最後まで取っていたリカさんに軍配が上がった。
個人的にうるっときたのが、セコンドにいたぽむ。
普段は「ユキさん」と呼んでいるのに、「ユキー!」と声を張り上げて応援していた。
なんか、うまく言葉にできないけど……いいよね。
リカさんはこれで4度防衛。
次に挑戦するのは誰になるだろうか……海外から新たな刺客、ということもあるかも。
瑞希 vs 伊藤麻希
私は東京女子プロレスを知って1年しか経っていないので、伊藤リスペクト軍団として活動をしていた時期を知らない。
レッスルユニバースや過去の動画を見て、そんな時代もあったんだ、くらいの認識しか無かった。
過去をいろいろ調べても当時の空気感というのはどうしても伝わりづらい。
だから私は、「伊藤リスペクト軍団の二人」というよりは、「今の瑞希と伊藤ちゃん」の戦いとして見ることにした。
私が伊藤リスペクト軍団時代を知っていて、感情を乗せられていたらもっと楽しめただろうな、と思うと、悔しい。
そして大変なことに、私はこの試合の写真を1枚も撮っていないことに気が付いた。伊藤ちゃんのファンなのに……。
普段は全く写真を撮らないというのもあるが、試合に集中しすぎてしまったというのが大きい。
いつも試合にのめり込んでしまって、大技や不意をついた技が出ると思わず自分まで反射的に体が動いてしまうくらいだ。
ゴングが鳴ると、大きなコールが湧きあがった。
この日一番ではないかという声が会場に響く。
私は5月の浜松、6月の神戸の前哨戦を会場まで見に行っているが、明らかに瑞希の声援のほうが多いと感じた。
でも、今はどうだろう。伊藤コールも瑞希コールも同時に同じ声量で巻き起こっている。
二人が、同じ場所に、並び立っている。
そう強く実感するとともに高揚感を覚えた。
試合はロックアップからのエルボー合戦からスタート。
前哨戦からよくやっているエルボーの打ち合いは本当に好き。
比較的細身な二人の打ち合いだからこそ、痛みや迫力がリアルに伝わってくる。
伊藤ちゃんは場外で攻撃したりダーティさを見せるも、瑞希はスカすことなく真っ向から受けきる。
逆に伊藤ちゃんも瑞希のフットスタンプを受けたりと、会話は続いていく。
伊藤ちゃんがこの形に持っていったらほぼ試合は決まるんだけど……凄まじい瑞希の執念。
2年前に同じ形で負けたことがあるという経験がここで活きたか。
ここまでくると互いのセコンドもかなり声を出していて、もはや共闘と言っていいくらいになっていた。
観客もそれに加わるように声を出し続ける。
お互い大技を出しても試合は決まらない。
限界を超えての攻防戦。
それでも決着は訪れる。
最後はフラフラになった伊藤ちゃんの隙を見逃さず、瑞希がキューティースペシャルを決めて王座を防衛した。
いやぁ凄い試合だった。
私は伊藤ちゃんのファンなので残念という気持ちもありつつ、瑞希の強さにも感動。
なんといってもそのスタミナ。あの小柄な体のどこにパワーを隠し持っているのか。
王者としての貫禄が増し増し。この日の伊藤ちゃんでも倒せないのなら誰が倒せるんだ?というような内容だった。
試合後のマイクで二人ともかなり息切れしていたのが、厳しい試合であったのを物語る。
そのしてその口から語られるのは互いをリスペクトする言葉。
試合後はノーサイド。
これぞ格闘技、これぞスポーツだ。
どんな結果に終わっても、心が満たされる気持ちになるのが東京女子プロレスの素晴らしいところ。
更なる満足感を得るために、私は東京女子のプロレスを見る。
試合終了~ホテルへ
試合終了後、いつものようにポートレートのサイン会が始まる。
試合を終えたばかりの選手と話すことができる貴重な機会だ。
宛名入りのサインまで貰えるのだから、こんな贅沢なものはない。
しかし、私はコミュニケーション障害者だ。
人とうまく話すことができない。
話す相手が尊敬する人となれば尚更だ。
私はプロレスラーを尊敬している。
尊敬というより、崇拝と表現した方がいいかもしれない。
そういった人達は手の届かない所にいてほしい。
私なんかの手が届くところにはいないでほしい。
それはまるで神様や天使のように、ずっと遥かなる高みから我々に感動を与え、現実とは切り離された存在であってほしい。
けれども、触れ合える機会を用意していただいている。
恥ずかしくて緊張するので、私は何人も回ることはできない。
今回は伊藤ちゃんと、そのパートナーである山下さんのサイン会に参加した。
私は本名を書いていただいているので、その部分は隠した。
とにかくかっこよかったと伝えたと思う。
緊張してほとんど覚えていない。
「コール凄かったですね」と言うと「あたしもこんなにあるとは思わなかった」と。
会場には海外のお客さんも多くいたし、伊藤ちゃん応援パワーが高かったのかな?
これがスタンダードになるといいなぁ。
山下さんにもひたすらかっこよかったと伝えたと思う。
山下さんは「え、ほんと? ありがとう」とにっこり。
リング上とのギャップがまた素敵。
さて、ここからは全くプロレスに関係なくなるのでご了承願います……。
素晴らしい試合とサイン会に満足し大田区総合体育館を後にする。
トイレ対策でほとんど食べ物や飲み物を取っていなかったので若干体調が悪くなっていた。
外はもう真っ暗だったがどんよりとした天気が戻っていて、不快な湿気が私の体に追い打ちをかけていた。
それでも、私は晩御飯を決めていたので体調が回復することを祈りながら歩みを進める。
大田区と言えば、炒飯である(らしい)。
ぶっ通しスペースで度々話題に上がっていたが、昨年の大田区の選手弁当に白米と炒飯が入っていたらしい。炒飯をおかずに白米は食べられないなど非難轟々だったようだ。これにより大田区=炒飯というのが選手の共通認識になっていたようなので、私もそれに倣って炒飯を食べることにした。
京急蒲田駅近くの中華料理屋、幸福楼さんでえび炒飯を頂いた。
(写真撮るの下手すぎへんか……)
まず驚いたのが濃厚なえびの匂い。運ばれてきたと同時に肺まで暖かいえびの香りで満たされた。
しかし、味は濃すぎることなくあっさり気味で、気持ちよく完食することができた。
美味しかったです。
ちなみに、今年の選手弁当に炒飯弁当は出なかった模様。
あれ?聞いてないよ〜!💦 #tjpw pic.twitter.com/extlo4Rpfh
— 木曽大介 (@kisotaro) July 8, 2023
しかし、翌日のガンプロ大田区で再臨したとか……。
キターーーーー! #GanPro #WrestleSekigahara2 pic.twitter.com/Rqh1kaCFTr
— 木曽大介 (@kisotaro) July 9, 2023
たしかにこれはキツそう。
そこからは東京駅で荷物を回収してホテルへ。
ホテルはアパホテル浅草橋。秋葉原に近く乗り換えが便利で、宿泊費は比較的安価なので重宝している。
最近はホテルのお金が高くなりすぎていて困る……。
今回は3月にアパホテルを予約して1泊7900円。前日に確認してみたら9900円になっていた。
山手線の内側になるとさらに1.2~1.5倍くらいの料金になるのでもうキツイ。
都内住みが羨ましい。
しかし、ホテルの部屋で食べるコーラとお菓子と甘いものが美味いこと。
チェックインして、ベッドにダイブして、テレビをぼんやり見ながらちまちまつまむのが至高だ。
ビールとおつまみと言いたいところだけど、私は子供舌(よく言えば老化していない舌!)なのでビール等アルコール類は全くダメ。
ジュースとお菓子に勝るものは無い。
それでも疲れていたのか、気づいたら横になって眠ってしまっていた。
凄く、満足感を得られていたのだと思う。
二日目
この日は仕事の都合で即帰宅の可能性もあったが、その可能性が消えたためまる一日東京巡りをすることに。
なにをするか全く考えていなかったので、完全に行き当たりばったりの日となった。
とにかく私の心を動揺させていたのが、前日に伊藤ちゃんのサインカードがオークションでとんでもない価格で落札されていたこと。
いずれ集めたいと思っていたけれど、まさかこんなにも高騰するとは思っていなかった。
入札情報を見た限りおそらく代行業者同士で争っているので海外の伊藤ちゃんファンがヒートアップしたか。
日本のカードショップにバレる前に東京のスポーツカードショップを探し回ることにした。
最初は秋葉原へ。
私はサブカルも好きなので秋葉原にはよく行っている。
来月のコミックマーケットにも参加予定だ。
ラジオ会館のスポーツカードショップを一通り見てから早めの昼食を取ることにした。
ねぎしの白たんセット。
首都圏にしか店舗がないから、東京に来るといつも寄ってしまう。
値段は張るけど美味しいよね。
腹を膨らませてからはアニメイトへ。
コレクション整理用品を購入した。
東京女子公式のチェキホルダーは発売されているけど、ポートレートやポストカードは別で保管しなければいけない。
こういったオタク用のバインダーやケースがアニメイトには豊富にあるので、ちょくちょく追加購入している。
他の人はどうやって保管しているのだろうか……。
もっといい方法があれば教えてください。
秋葉原からは新宿、池袋へ。
池袋のカードショップでは伊藤ちゃんのカードを購入した。
ただのノーマルカードだけど、まだ持っていなかったので。
2021年以前のカードは全く所持していない。
いずれは東京女子全員を集めたいものの、かなり長い道のりになりそう……。
あと、伊藤ちゃんのサインカードは全く販売されていなかった。
海外人気高いし結構流出しちゃってるのかな。
まだまだ衰えることを知らない人気ぶりだし、手に入るときに手に入れないと。
その後は中野ブロードウェイを散策。
サブカル好きならとりあえず秋葉原と中野には寄っておかないといけない。
特に目的にモノがあるわけではないけれど、何故か義務のように行ってしまう。
それだけ魅力のある街ということなのだろう。
中野に着いたのが14時30分頃。
競馬のメインレースが始まるのが15時30分頃。
とりあえずブロードウェイを回って欲しいものに目星を付け、競馬で当たったら買おう……と画策していたが、撃沈。
ショーケースを見るだけに終わってしまった。
一気に意気消沈し東京駅へと向かうことに。
今思えばどこか寄り道して夕飯を食べれば良かったのだけど、競馬の負けに結構ショックを受けていたので頭空っぽでそのまま東京駅に来てしまった。
まだ夕方とはいえ東京駅の飯屋は人が溢れかえっていて、並ぶのが嫌いな私は人がいない方へとトボトボ歩みを進めていく。
すると端の方に空いているカレー屋さんを見つけたのでここで夕飯を食べることにした。
カツカレー。550円。安い!
また行きたいと思うけど、もう一度辿り着ける気がしない……。
東京駅はダンジョンが過ぎる。
そして新幹線に乗って帰宅。
新幹線内ではユニバースで大田区の大会を見返していた。
ところどころ電波が悪くなるので名古屋につくまでに1時間分しか見られなかった。
ほぼ会見と解説陣の雑談だったけど、これは現地で見られなかったので楽しかった。
ゲストの松本梨香さんも素晴らしい!
私はポケモン世代なので、難波さんの気持ちがよくわかる。
当日はあまり意識していなかったけど、サトシと同じ空間にいたのか……と感慨深くなった。
さて、今回の旅で予め決めていた予算は10万円。
本当に予算内で収まったかざっくり計算してみる。
チケット代 30000円
新幹線往復 22000円
交通費 3000円
ホテル代 8000円
グッズ代 20000円
マティス展 8000円
食費 5000円
その他 3000円
合計 99000円
なんとかギリギリ収まった……。
都内住みならもっと安くなるんだろうけど、それはそれで毎週見に行ってしまいそうだからトータルの支出は変わらないかも。
やっぱり新幹線代がもったいないので、バスを使うことも検討しないと……。
秋の八王子にも参戦予定なので、しっかり計画を経てていきたい。
さて、初めてブログを書いてみたがとんでもない分量になってしまった。
だらだらと書き続け、気付けば三週間。
まさか前編後編に分けることになろうとは思わなかった。
基本的には旅行者視点で書くので、私のような地方民で都内の大会に参加できない方や、参加を検討している人に楽しんで頂ければ幸いである。
次に観戦する予定は新潟。試合もファンミーティングも参加予定。
なんとか一つの記事にまとめたいものである。
あと、ツイッターも呟かないと。
私はネットの中でもコミュニケーション障害が出てしまうので、一日一回でもいいから癖をつけていきたい。
次回