地域によりますが、私が知る限り、練馬中野地区の公立中学はほとんど宿題が出ません。
定期試験前までに提出するように、と指示されるものはありますが、
普段はほとんどありません。
担当の先生によるでしょうけれども、私立に比べれば少ないというのは、間違いありません。
理由は色々と考えられます。
表向きには、「中学生になったら勉強は自分でするもの。」という理由がありますが、
これはあくまで、”建前”でしょう。
小学生では勉強は自分でするべきものではなくて、中学生になったら自分でするべきもの、
という点についての合理的な理由がありません。
出してもやらない生徒が多いから、というのも理由だろうと思います。
子どもの進学を考えるなら、塾なり何なり家庭で工夫しなければならない、
という現実があるだろうと思います。
宿題というのは、出す側にもそれなりのエネリギーが要ります。
そして、宿題が終わっているかどうかを確認するためには、
膨大なエネルギー（時間と労力）が必要です。
と言いますのも、そもそも何を宿題とするべきか、ということについて、
ガイドラインなどありません。
質量ともに、指導者によってまちまちです。
宿題が多ければいいかというと、それも問題で、
例えば、漢字や計算ばかりが膨大な分量だとすれば、
優秀な層にしてみれば、単純な作業ばかりで、あまり勉強にはならない、ということになります。
かといって、難しい内容にすれば、大半が未提出で終わります。
公立中学の場合は、在籍生徒の学力差が大きく、宿題が出しにくい、というのは、
当然といえば当然です。
私の塾では毎週宿題を出して毎週確認しますが、これも実はかなりの労力が必要で、
ほとんどの塾さんでは中学生の宿題の確認というのをやっていないと思いますが、
それもそのはずです。膨大な量の宿題を出すことは簡単にできますが、
それを確認することは大変なことです。さらに、終わっていなかったらどうするのか？
確認して終わりではないのです。
終わっていない生徒に対して、どう対応するのか？
単に提出物を忘れただけかもしれませんし、
一時的に体調が悪かっただけかもしれませんし、
練習試合が立て続けに入ってしまったのかもしません。
他の習い事で何かあって、できなかっただけなのかもしれません。
決まりきった対応などできません。
そして、厳しくとがめるべきなのか、優しく語るべきなのか。
厳しく言えばかえって嫌になる、という場合もあるでしょうし、厳しい評価をすれば本人が
反省するかというとそんなことありません。
優しく言えば改善が期待できない、という場合も多いでしょう。
塾向けの教材というのはたくさんの会社さんが作っていて、展示会に私も時々行きますが、
いまだかつて、宿題のフォローまでも含んだ教材に出会ったことはありません。
どこも、それなりの切り口で、いい教材を作っていますが、
宿題を出す、確認する、その後のフォローをする、というのは、システム化できるほど
簡単なものではないのです。
子どもに勉強させることに、大変な思いをされている
ご家庭は少なくないと思います。ギャンギャン言っても、子どもはどこ吹く風で、、、
ということの方が普通だと思います。塾に行かせれば、これが解決するかというと、
そういうことはありません。上に書きました通り、宿題をやらせるためのシステムを
開発できている会社はないのです。（もし、そういう教材を開発している会社があれば、
私はそこのものをすぐに取り入れるつもりでおります）
結局のところ、子どもが自己肯定感を高められるような対応が、
長期的には効果を持つ、というのは間違いありません。
河合隼雄先生は、思春期をさなぎの時期と言われていますが、
そうだとすれば、表面的な変化は期待できずとも、
たくさんの心のエネルギーを送り続けてやらなければならない、ということになります。
具体的な方法論は機会を改めたいと思います。
宿題というものにつき、ご参考まで。
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