Ａ：「ぎりぎりでも偏差値の高い学校に受かる方がいい。」
Ｂ：「学力面で、少し余裕を持って進学する方がいい。」
２つの考え方があります。それぞれ、Ａ、Ｂ、とします。
Ａの場合、「その学校はレベルの高い生徒が多く、周囲のいい影響を受けられる。」
というのが、多くの場合、大きな論拠とされます。
現実的には、多くの場合、少しでも難しい学校に進学したい、という希望もあり、
偏差値の高い学校に受かれば、
ギリギリだとしても進学する、という選択肢が取られると思います。
私は、Ｂ、をお薦めしています。
私の出身校は、神奈川県では相当にハイソなご家庭出身の生徒が多い学校でした。
自分にとってはいい学校でしたし、批難するつもりはないのですが、ハイソなご家庭出身の
生徒たちがお利口さんばかりかというと全然そんなことはなく、
いじめもありましたし、暴力行為もありました。喫煙などで退学する生徒もいました。
思春期の男が何十人も何百人も集まれば、大体どの集団でも同じようなことを話題にし、
似たような行動を取ることになります。
もちろん、幾らかは学校のカラーがありますし、勉強に関しては意識が高い生徒の
割合が多いのは事実です。しかし、それは一部にとどまる話で、
例えば「学校のカラーに合わなくて、彼はダメになった。」ということは普通あり得ませんし、
「学校のカラーにあっていて、彼はすごく成長した。」ということもあまりありません。
また、どこの学校でも勉強に全くついていけない、という生徒が少なからずいる訳で、
周囲のいい影響だけでどうにかなる話ではないと解釈せざるを得ません。
データで見てみます。
例えば、偏差値６４の学校と偏差値５８の学校があります。
（※首都圏模試の合格可能性８０％基準の数値です）
ある生徒の模擬試験の平均的な偏差値が、５８だったとします。
もし偏差値６４の学校に合格すると、その学校の下位層２０％程度に入ります。
その学校の大学進学実績を見ますと、日東駒専付近の学校よりも偏差値で下の学校に
進学している生徒が２０％程度いると推測されますので、この場合、
大学受験で、日東駒専付近の合格できない可能性が濃厚です。
（※日東駒専＝日本大学・東洋大学・駒沢大学・専修大学）
それに対して、偏差値５８の学校に進学したとしますと、
その学校の上位３０％程度に入ります。
その学校の大学進学実績を見ますと、Ｇマーチ以上の学校に大学３～４割以上進学していると
推測されます。
つまり、この生徒さんの場合、偏差値が上の学校に進学するよりも、
偏差値が下の学校に進学する方が、大学進学では有利になる可能性が高い、ということです。
（※Ｇマーチ＝Ｇ・ＭＡＲＣＨ＝学習院大学・明治大学・青山大学・立教大学・中央大学・法政大学）
上記やや荒っぽい推計も含みますが、概ね、その学校の偏差値（合格可能性８０％）から、
６～７ポイント以上離れた成績で進学すると、“落ちこぼれる”可能性が出てきます。
通常、クラスの下位層１０％程度になりますと、授業を聞いていても、ほとんど理解できない、
という状態になります。モチベーションも上がりにくいです。
どこの学校でも、下位層の進学先は上位層と相当に差が開きます。
余裕を持って進学される方がいいだろうと思います。
（もちろん、偏差値で相当乖離があったとしても、
本人のモチベーションが高い場合や、過去問ではかなり取れている場合など、
はそれほど心配ない、と言えると思います。）
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