自分の話で恐縮ですが、私は中２年生の頃、とても大きな悩みを抱えていました。
書きにくいことなのですが、家族の問題でした。
自分には全くどうすることもできない問題でした。
滅茶苦茶な家の状況がとても辛く、将来を悲観していました。
当時、将来は青木ケ原の樹海で一人で死にたい、という希望を持っていました。
あまりに息苦しいので、ある時思い切って、学校の先生に相談してみることにしました。
先生というのは、キリスト教の神父さんで、スペイン出身の英語の先生でした。
カトリックの学校だったので、神父さんは何人もいて、学校の敷地の端にある修道院で
生活されていました。私は信者ではありませんが、時々校内にある聖堂で行われるミサに
出席していました。5人くらいの神父さんの中央でいつもミサをされているその先生に、
話を聞いてもらおうと思いました。
英語の授業後、個人的なことで相談があるのですが、とお願いし、放課後、
個室で話を聞いてもらいました。
誰にも言わないでおいて欲しいのですが、担任にも、自分の親にも言わないで
おいて欲しいのですが、とお願いした上で、
話し始めたとたんに、ボロボロと涙があふれ出てきて、止まらない状況になり、
嗚咽交じりで自分の苦しみを聞いてもらいました。
相談したことで何か解決したということはありませんでしたが、少なくとも
一時的には心が軽くなりましたし、自殺するとかそういうことにはならずに済みましたので、
救われたのだと思います。スペイン人の神父さんは、その後も時々私のことを心配して
くださいましたし、秘密も確実に守ってくれたようです（担任などに知っている様子は
全くありませんでしたので）。
個人の性格や家庭文化によっても大きく違うと思いますが、
基本的には、心の悩みを親に相談するというのは、なかなか簡単ではないという気がします。
私の場合はやや極端ですが、思春期という時期になると、自分というのが
よくわからなくなってくるし、自己嫌悪もひどくするし、大人という存在に対しても懐疑的になるというか、
どこまで本当のことを言っているのかわからないし、自分のことを理解できるだろうかよくわからない、
という気がしてくるものだと思います。
ですから、いじめのような問題も同様で、そういう心の悩みを大人に打ち開けるというのは容易ではない、
という場合が多いと思います。よほど秘密が守られ、自己の尊厳が保障されると判断できれば、
誰かに相談するということがあり得るだろうと思いますが、なかなか容易ではないでしょうし、
友人に打ち明けるというのも困難のはずで、基本的には自分の中で抱え込んでしまうことになると
思います。
ただ、いじめを親に打ち明けるというケースもあります。
私のように悩みを宗教者に打ち明けるというケースもあります。
個人的な考えですが、子どもには、
「心の悩みを抱えるようなら、親に相談してね。必ず見方になって一緒に考えてあげるよ。」
というメッセージを普段から送り、時々、子どもの気持ちをよく話して汲み取る、
重要な問題があれば一緒に取り組む、ということをしていくことで、
子どもが悩みを打ち明けやすくなるだろうと思います。それが現代の家庭における
信頼関係の構築方法なのかなと思います。
いじめ問題の対策ということを考えると、もちろん、その前に、自分で解決できるように
育てておくということも必要だと思います。小さい頃から、ある程度はけんかもさせて、
やられたらやりかえす、言われたら言い返す、相手が強くても抵抗の意思表示をする、
ということを身をもって体験させる、ということは、受験勉強どうこうよりもはるかに
重要なことだという気がします。
また、個人的には、小中学生の受験指導をしながら、
願わくば、いじめの加害者を退治できるような強さも身につけて欲しい、
というようにも思っています。
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