事柄と事柄の関係を理解することが重要だということを繰り返し、申し上げてきました。
私がそう考える根拠の一つをここで申し上げたいと思います。
記憶についてです。
記憶については、繰り返すことで覚えられるようになる、という考え方が、一般的だと思います。
何度もやれば、短期記憶が長期記憶になるから、忘れないようになる、というものです。
短期記憶と長期記憶論については、脳機能の一部を損傷した患者が、
長期記憶は失っているものの、短期記憶は問題ない、という症状を示したことから、
反論しがたい理論になっていると思います。(その患者さん、昔のことは全然覚えていないが、
つい直前のことは覚えている、ということ)
また、エビングハウスの忘却曲線もよく知られていると思います。
無意味な文字列を覚えさせて、時間の経過ととともに記憶した内容の再現性が
低くなっていくことを明らかにしたもので、
更に、再度記憶し直してテストをすると、前回よりも記憶が薄れにくい。
復習のタイミングとしては寝る前が有効であると主張される場合、この忘却曲線が背景にあると思われます。
(私も、短時間でもその日に復習するようにと申し上げています)
このエビングハウスの実験結果と、短期長期記憶の理論を組み合わせて、
間隔を置いて、何度も復習していけば、長期記憶に移り、忘れにくくなる、という結論が導かれ、
これが受験界では広く信じられている、というのが現状だと思います。
認知心理学においては、処理水準モデルにおいて記憶をとらえる考え方があり、
記憶の内容が、どれほど被験者にとって意味があるものなのか、それが記憶を保持できるかに
影響を与える、という考え方です。(詳細は、市川伸一氏の著作をお読みください)
少なくとも研究者の一部は、数十年以上前から、短期長期記憶のモデルよりも、
処理水準モデルの方が妥当だと考えているようです。
日本の受験界では、あまりに、繰り返せば覚えられるようになる、
ということが強調されているという気がします。
その一種の記憶について信仰が、過度の勉強時間を受験生に強いてきたようにも思います。
結論になりますが、処理すべき時に(授業や勉強の時に)、いかに深く理解できるか、
このことの方が、より重要だと思います。
無意味な記号を暗記するような作業にならないようにすることが重要だと思います。
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