前回は、まずは塾に相談したらどうでしょうか、ということを申し上げました。今回で最後です。
１４．塾にパパさんに相談に行ってもらうのはどうか？
ママさんが塾に言いにくいという場合、パパさんにお願いするというのも一つの方法です。
ただ、塾に相談に行く前に、予め認識しておいて頂きたい点が二つあります。
一つは、勉強の進め方には、製品の製造工程管理とは全く異なる視点が必要だという点です。
欠陥のある製品が製造されてしまう場合、原因を追及して、その工程で、部品交換するなり、
微調整するなりで、改善が図れます。男性の中には、これと同じような方法論で
勉強もどうにかなる、と思ってしまう方がいます。
勉強の場合、例えば、「国語の成績が大きく落ちた、原因は説明文、これから1か月で説明文を
問題集1冊分演習して仕上げる。塾にも責任がある訳だから、授業で説明文をガンガンやってほしい。」
、という申し入れを塾にしても、担当者も困るだけです。
そもそも、どの塾でも、点を大きく落としたからといって、1か月説明文ばかりやるという訳にはいきませんし、
それから、説明文を徹底的に問題演習すればすぐに元の水準に回復するはず、という考え方が誤りです。
機械なら確かに少し時間を取ってアジャスティングやテスティングをすればトラブルが解決するでしょうけれども、
勉強の場合、人間相手です。知識習得のプロセスにおけるメカニズムは、製造工程のそれとは根本的に異なります。
この点はどうか誤解のないようにしてほしいと思います。
もう一つは、お子さんの普段の勉強の様子がわからないと、有効な解決策が出てこない、という点です。
何か問題があった場合の対策の取り方は無数にあります。マニュアルにできるようなものではありません。
例えば、「速さの問題で全く取れなかった」、という結果に対して、どうアドバイスするか。
お子さんのこれまでの経緯、ご家庭での勉強の取り組み方、保護者の関わり方、志望校、などなど、
様々な要因により、有効と思われる対策が変わってきます。保護者の方との対話の中で、
それではこういう方法がいいかもしれません、というアイデアが導き出される場合もあります。
パパさんが塾に相談にいく場合は、ママさんほどではなくても、ある程度は、お子さんの様子が
つかめていませんと、有効な対策が導きにくい、という点も予め認識しておいて頂きたいと思います。
１５．知り合いやインターネットに相談するのはどうか？
小6の秋頃になって模試の成績が急に落ちてしまった場合、不安になります。
友達ママさんや先輩ママさんにアドバイスを聞きたいという気持ちになると思いますが、
参考程度に聞く、というようにした方がいいと思います。
「こういう風にしたら、うちはうまくいったよ。」と言われても、それはその御家庭でうまくいっただけ
かもしれません。同じ方法でうまくいくか、それはわかりません。
また、インターネット掲示板などで相談するというのも一つの方法ですが、
強気なママさんが上から調子で書いているのが多いですから、
過度な期待はせず、参考程度にする、というのがいいと思います。
基本的にこれまで御家庭で取り組まれてきた方法がある訳ですから、
その軸は崩さず、十分な検証を経ていると思われる方法をだけ少し取り入れてみる、
というくらいがいいと思います。
１６．最後に、
最後に繰り返しになりますが、成績がいきなりドーンと落ちる、ということは確率的にはしばしば起こりえることです。
基本的には、お☆ッ◆ピー！です。
あわてず、お子さんには、「大丈夫、これまでずっと勉強してきたんだから。次は必ず上がるから。」
と励まして下さい。確率的に考えて、その次はまず相当高い確率であがります。お子さんの可能性を信じましょう。
あわてず、勉強方法の確認をしてください。ポジティブな気持ちを失わないでください。
そして同時に、一応、これまでよりもやや慎重な受験パターンを頭の中では想定してください。
そういう冷静な対応が、結局はいい方向につながります。
（7回にわたってお読みいただきましてありがとうございました。
もちろん、皆様のご家庭で偏差値が急に落ちる、というようなことがないように、、、祈っております。）
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（2011年10月26日のメルマガ第39号に加筆）
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