塾教師「あ、それは大変ですね。精神衛生上もあまり良くないですよ。ほめるのも大事ですけど、怒らなきゃいけないことがあったら、思い切り怒ったらどうですか。怒ってあげられるのは親しかいないわけですし。」
A子ママ「そうですよね。」
塾教師「ええ。私、高校時代、野球部のキャプテンだったんです。」
A子ママ「それ聞いたことあります。」
塾教師「先生はあまり練習に来ませんから、キャプテンということでよくノックを打っていたんです。」
A子ママ「ええ。」
塾教師「それで、エラーする奴がいると、『そんなの取れないでどうすんだ！馬鹿ヤロウ！』って、叫びまくりました。」
A子ママ「優しそうに見えますけど、そんなこと言ってたんですか。」
塾教師「ええ、言いまくってましたよ。飛びつかないでボールを後ろにそらす奴がいれば、『飛びつけよ、馬鹿ヤロウ！』って、声の限りに叫びました。」
A子ママ「へえ～。」
塾教師「ユニフォームが汚れるから、面倒くさいから、だから飛びつかない。そんな甘ったれじゃ困るんですよ。だから、私は叫びまくりました。強いチームを作りたかったんですよ。心の叫びですよ。」
A子ママ「でも、子育てではさすがに叫びませんよね。」
塾教師「ええ、子育てで叫んでいたらヤバイですよね。要は、ほめてさえいればうまくいくというものじゃないではなくて、時には、叫ぶくらいの気持ちで想いを伝えなきゃいけないこともある、ということです。」
A子ママ「。。。でも、叫ぶなんて、そんなことないし、どんな感じか、ちょっとわかりません。」
塾教師「ええ。今度、お子さんと一緒に、競馬でも行ったらどうですか。」
A子ママ「競馬ですか。」
塾教師「競馬は、ゴール直前になると、みんな、絶叫するって言いますから。」
A子ママ「なるほど。『馬鹿やろう、速く走れ！』みたいに叫ぶ訳ですね。」
塾教師「ええ、馬だけに、馬鹿やろう、って、そのまんまですよね。
A子ママ「アハハハ。」
塾教師「で、帰りはのど渇くでしょうから、ビールでも飲んで帰ればいいじゃないですか。」
A子ママ「あ、いいですね。」
塾教師「ビールも最高に馬いですよ。」
A子ママ「競馬で稼いで、馬いビールを飲む、こりぁ、たまりませんね。ありがとうございました。さよなら。」
塾教師「（そんな馬い話があるか！って、競馬で稼ぐのは無理ですよね。。。）」
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（2011年9月5日のメルマガ第28号に加筆）
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