三和 導代 です。
レバノンのベイルートより山越えをしてレバノン最大の観光名所であるバールベックの遺跡に行きました。25年ぶりのことです。ベイルートより標高が1500mも高い標高3080mの山々に囲まれた山道を越えます。ベイルートに住む裕福な人々な別荘地として涼しい山岳地帯に別荘を構えている人々も多くいるそうです。3階建ての大きな家、一部はホテルとしても開放している建物もあります。石灰岩で覆われた家々は白く統一感があります。
土質や白い家の光景をバスから眺めていますと、東エルサレムの光景を思い出します。レバノンとイスラエルは隣国ではありますが、国交がなくゴラン高原には沢山の兵士が守っています。昨日の冷え込みは山に雪が降ったことによるもので、新雪が眩しい真っ白な世界です。4月の声を聞くという季節でありながらも、非常に寒くコートが手離せない季節です。白い雪が積もった大地、そしてレバノン杉と想像もしていなかった幻想的な光景が続きます。
レバノンは水源が豊かですので、野菜や果物も豊富、中東の中でも一番の料理といわれるレバノン料理は野菜が豊富です。こんな台地は隣国のイスラエルのユダヤ人にとっては喉から手が出るほど欲しい土地かもしれません。ゴラン高原を挟んでの2カ国の政治的な問題は恐らく水源を求めての攻防でしょう。それだけ乾燥した砂漠地帯のレバノンは山々に囲まれた資源が豊富な国であります。
国道30号線「ベイルート・ダマスカス街道」と呼ばれ、旧約聖書にも記されたシリアの首都「ダマスカス」まで約120kmあります。ベイルート・ダマスカス街道は途中でレバノン最高峰を擁する「レバノン山脈」を越えて、「ベカー高原」の中心都市「シュトゥーラ」に到着します。シュトゥーラで街道と別れベカー高原を北上しますと、レバノンを代表する遺跡「バールベック」です。
ベイルートから約1時間半バールベックの遺跡に到着しました。世界の観光地であるにもかかわらず観光客はまばらであることに驚きを隠せませんでした。その分充分堪能することができました。フェニキア人が作ったギリシャローマ風の神殿は2000年以上の時を経過しても素晴らしい保存状態で君臨しています。青空と春祭の黄色い小菊の中の遺跡は天国そのものです。
ここにフェニキアの神バールが祀られていた事に由来するといわれ、本来はフェニキア系の神々の聖地だったと考えられいます。しかし後にぎしりゃローマの神々と習合し、祭神はジュピター、ビーナス、バッカス・と呼ばれるようになりました。アスワンから運ばれた赤い御影石も使用されています。ここはたっぷりと時間をかけて散策してください。素晴らしい繊細なフェニキア人の神殿の荘厳さに感動する一日となりました。続く